8 / 54
本編
7
しおりを挟む「すき……好き…っ、レイ、レイ…っ、どこにもいかないで……ぼくのそばにいてっ」
「セレス……っ」
絡めてた手を解いた。
レイに抱きしめられて、レイの背中に腕を回す。
がっしりとした男の人の体は、ぼくの手では回しきれない。
心がレイを受け入れた。
体がレイを受け入れた。
一致した心と体。
そしたら、もう、何もかもが真っ白になった。
「ひぁぁー……んんん!!あ、あっ、レイ、レイっ、おく、おく、もっと、もっとごりごりして……っ」
「……っ、く」
レイの顔が歪む。
目を閉じて、ふー…って息をついて、次に目を開けたときには、ぼくを見て困ったように笑った。
「いきなり締めないで」
「……な、に?」
「セレスのここ」
臍の下。
少し下のところをちょっと強く押された。
「ひん……っ」
「俺を欲しがって締まってくる」
「あ……や……おさないで……、ひぅ、ん、んっ」
「ここ…熱いな?」
円を描くように指が動いて、時々グイっておされる。
熱い。
中が、凄く熱い。
「んん……っ、あついっ、あ、やだ……っ、あつくて、おかしくなる……っ」
「ん。おかしくなろうな…?」
ずりずり…、って、レイの肉茎が抜けていく。
ぼくはそれにぞわぞわした悪寒のような、恐怖のようなものを感じた。
「あ、だめ、いかないでっ、レイ、レイっ」
「セレス」
必死に引き止めた。
レイの腰に足も絡めた。
いかないで。
ぼくを一人にしないで。
「セレス」
「レイ…ぃ…」
出ていこうとしてた肉茎が、またずりずりと中に戻ってきた。
そのことにほっとした。
ほっとしたら、今度は体がビクビクした。
レイはその動きを続けた。
段々、はやくなっていく。
ずりゅ、ずりゅ、って擦られる水音に、ばちゅん、ばちゅんって、ぼくのお尻にレイの肌がぶつかる音が混ざり始める。
「ひぅん……っ、ひぅ、ぅっ、ぁ、ん、ん」
「…セレスっ」
また、お腹を触られる。
レイの手が触れてるところが、凄く熱い。
「セレス、ここに俺の子種を注ぐから。俺の子を孕んで」
「レイ、の」
ドキドキする。
なんだか、お腹もドクドクする。
「こども……、レイの、こども、ほしい、ぼく、レイの、こども、ほしい……っ」
「セレス……っ」
ぼくはまだ花籠持ちじゃないけど。
でも、ほしい。
レイの子供がほしい。
「たくさん注いでやる……っ、セレスの一番奥に。孕むくらいに注ぐから」
「ん……っ、ちょうだいっ」
レイの動きが激しくなった。
ぼくのお腹の中は、ぎゅーぎゅーってレイを締め付けてるみたいで、レイの肉茎の形も大きさも、すごくよくわかる。
ぼくの口は開きっぱなしで、気持ちのいい声しか出てこない。
「出すぞ……飲み込めっ」
「ひああぁぁ!!!」
火傷しそうなくらい熱い飛沫が、ぼくの奥を満たしていく。
ぼくの陰茎からはぴゅ、ぴゅ、って何かでた。
レイはぼくの腰を押さえて、レイの腰をぎりぎりまで押し付けてきた。
ぼくの中で、びくんびくんって肉茎が震えている。
熱いのはまだ出てる。
ぼくの体はぶるりと震えて。段々、弛緩していく。
お腹の中は熱くて甘くてやっぱりぐるぐるして、でも、いっぱいレイの子種に満たされて嬉しいのに、何かが足りない……って思いながら、ぼくは目を閉じた。
「手加減とかさぁ、そういうのないわけ?あー……ほんっと、うらやまし……っっ!てかさー、なんで僕は駄目なの?……いや、わかってるけどさっ。わかってるけど、悔しいっていうかさぁっ」
「うるさい。喚くな。セレスが起きる」
「はーっ。なんなのその余裕な態度?僕だけお預けなんだよ!?もうちょっと気を遣ってくれてもいいんじゃないのかな!?」
「だから呼んだんだろ」
「精液まみれのセレスを自慢したかっただけでしょ!?」
アベルの声に、意識が浮上した。
夢現の時間。
ぼんやりしながら、目を開く。
「「あ」」
目の前に、アベルがいた。
アベル。
アベルだ。
「……べる」
「ん」
ぼくをみて、微笑むアベル。
アベルの大きな手がぼくの頭を撫でる。
たったそれだけで、ぼくの胸がぎゅって苦しくなる。
「……べる、ぁべる……ぅ」
「ちょ、どうしたの」
「わ………かんなぃ……っ」
涙が勝手に流れてくる。
止まらない。
なんで。
「ほら」
起こされて、ぎゅって抱きしめられて、額にキスをしてくれた。
「僕はここにいるよ?ずっとセレスと一緒だからね」
アベルの体温を感じて凄く安心した。
「あべる……」
「うん」
服越しにアベルの体温と鼓動を感じて、肩から力が抜けた。
アベルがいる。
ぼくのアベルがいる。
「甘えたさんになった?それともレイに変なことされた?」
「変なことなんてしてないだろ」
「えー。そうかなぁ~?」
ベッドに座ったアベルの膝の上に引き上げられて、ぎゅって抱きしめ直されて、頭を優しく撫でられる。
「……レイに、たくさんぎゅってしてもらった……」
「…………ぎゅ、ね。なら、僕もぎゅってしていい?」
「……うん」
ぎゅってして。
どうしてこんなにアベルにくっついていたいのか、ぼくはあまり考えなかった。
ただ、ぼくのお腹の奥深くに残ってるレイの子種が、存在を主張するようにざわざわしてた。
71
お気に入りに追加
1,949
あなたにおすすめの小説

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

婚約者に会いに行ったらば
龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。
そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。
ショックでその場を逃げ出したミシェルは――
何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。
そこには何やら事件も絡んできて?
傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。

弱すぎると勇者パーティーを追放されたハズなんですが……なんで追いかけてきてんだよ勇者ァ!
灯璃
BL
「あなたは弱すぎる! お荷物なのよ! よって、一刻も早くこのパーティーを抜けてちょうだい!」
そう言われ、勇者パーティーから追放された冒険者のメルク。
リーダーの勇者アレスが戻る前に、元仲間たちに追い立てられるようにパーティーを抜けた。
だが数日後、何故か勇者がメルクを探しているという噂を酒場で聞く。が、既に故郷に帰ってスローライフを送ろうとしていたメルクは、絶対に見つからないと決意した。
みたいな追放ものの皮を被った、頭おかしい執着攻めもの。
追いかけてくるまで説明ハイリマァス
※完結致しました!お読みいただきありがとうございました!
※11/20 短編(いちまんじ)新しく書きました!
※12/14 どうしてもIF話書きたくなったので、書きました!これにて本当にお終いにします。ありがとうございました!
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位

愛などもう求めない
白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。

俺の幼馴染はストーカー
凪玖海くみ
BL
佐々木昴と鳴海律は、幼い頃からの付き合いである幼馴染。
それは高校生となった今でも律は昴のそばにいることを当たり前のように思っているが、その「距離の近さ」に昴は少しだけ戸惑いを覚えていた。
そんなある日、律の“本音”に触れた昴は、彼との関係を見つめ直さざるを得なくなる。
幼馴染として築き上げた関係は、やがて新たな形へと変わり始め――。
友情と独占欲、戸惑いと気づきの間で揺れる二人の青春ストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる