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本編
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しおりを挟む「すき……好き…っ、レイ、レイ…っ、どこにもいかないで……ぼくのそばにいてっ」
「セレス……っ」
絡めてた手を解いた。
レイに抱きしめられて、レイの背中に腕を回す。
がっしりとした男の人の体は、ぼくの手では回しきれない。
心がレイを受け入れた。
体がレイを受け入れた。
一致した心と体。
そしたら、もう、何もかもが真っ白になった。
「ひぁぁー……んんん!!あ、あっ、レイ、レイっ、おく、おく、もっと、もっとごりごりして……っ」
「……っ、く」
レイの顔が歪む。
目を閉じて、ふー…って息をついて、次に目を開けたときには、ぼくを見て困ったように笑った。
「いきなり締めないで」
「……な、に?」
「セレスのここ」
臍の下。
少し下のところをちょっと強く押された。
「ひん……っ」
「俺を欲しがって締まってくる」
「あ……や……おさないで……、ひぅ、ん、んっ」
「ここ…熱いな?」
円を描くように指が動いて、時々グイっておされる。
熱い。
中が、凄く熱い。
「んん……っ、あついっ、あ、やだ……っ、あつくて、おかしくなる……っ」
「ん。おかしくなろうな…?」
ずりずり…、って、レイの肉茎が抜けていく。
ぼくはそれにぞわぞわした悪寒のような、恐怖のようなものを感じた。
「あ、だめ、いかないでっ、レイ、レイっ」
「セレス」
必死に引き止めた。
レイの腰に足も絡めた。
いかないで。
ぼくを一人にしないで。
「セレス」
「レイ…ぃ…」
出ていこうとしてた肉茎が、またずりずりと中に戻ってきた。
そのことにほっとした。
ほっとしたら、今度は体がビクビクした。
レイはその動きを続けた。
段々、はやくなっていく。
ずりゅ、ずりゅ、って擦られる水音に、ばちゅん、ばちゅんって、ぼくのお尻にレイの肌がぶつかる音が混ざり始める。
「ひぅん……っ、ひぅ、ぅっ、ぁ、ん、ん」
「…セレスっ」
また、お腹を触られる。
レイの手が触れてるところが、凄く熱い。
「セレス、ここに俺の子種を注ぐから。俺の子を孕んで」
「レイ、の」
ドキドキする。
なんだか、お腹もドクドクする。
「こども……、レイの、こども、ほしい、ぼく、レイの、こども、ほしい……っ」
「セレス……っ」
ぼくはまだ花籠持ちじゃないけど。
でも、ほしい。
レイの子供がほしい。
「たくさん注いでやる……っ、セレスの一番奥に。孕むくらいに注ぐから」
「ん……っ、ちょうだいっ」
レイの動きが激しくなった。
ぼくのお腹の中は、ぎゅーぎゅーってレイを締め付けてるみたいで、レイの肉茎の形も大きさも、すごくよくわかる。
ぼくの口は開きっぱなしで、気持ちのいい声しか出てこない。
「出すぞ……飲み込めっ」
「ひああぁぁ!!!」
火傷しそうなくらい熱い飛沫が、ぼくの奥を満たしていく。
ぼくの陰茎からはぴゅ、ぴゅ、って何かでた。
レイはぼくの腰を押さえて、レイの腰をぎりぎりまで押し付けてきた。
ぼくの中で、びくんびくんって肉茎が震えている。
熱いのはまだ出てる。
ぼくの体はぶるりと震えて。段々、弛緩していく。
お腹の中は熱くて甘くてやっぱりぐるぐるして、でも、いっぱいレイの子種に満たされて嬉しいのに、何かが足りない……って思いながら、ぼくは目を閉じた。
「手加減とかさぁ、そういうのないわけ?あー……ほんっと、うらやまし……っっ!てかさー、なんで僕は駄目なの?……いや、わかってるけどさっ。わかってるけど、悔しいっていうかさぁっ」
「うるさい。喚くな。セレスが起きる」
「はーっ。なんなのその余裕な態度?僕だけお預けなんだよ!?もうちょっと気を遣ってくれてもいいんじゃないのかな!?」
「だから呼んだんだろ」
「精液まみれのセレスを自慢したかっただけでしょ!?」
アベルの声に、意識が浮上した。
夢現の時間。
ぼんやりしながら、目を開く。
「「あ」」
目の前に、アベルがいた。
アベル。
アベルだ。
「……べる」
「ん」
ぼくをみて、微笑むアベル。
アベルの大きな手がぼくの頭を撫でる。
たったそれだけで、ぼくの胸がぎゅって苦しくなる。
「……べる、ぁべる……ぅ」
「ちょ、どうしたの」
「わ………かんなぃ……っ」
涙が勝手に流れてくる。
止まらない。
なんで。
「ほら」
起こされて、ぎゅって抱きしめられて、額にキスをしてくれた。
「僕はここにいるよ?ずっとセレスと一緒だからね」
アベルの体温を感じて凄く安心した。
「あべる……」
「うん」
服越しにアベルの体温と鼓動を感じて、肩から力が抜けた。
アベルがいる。
ぼくのアベルがいる。
「甘えたさんになった?それともレイに変なことされた?」
「変なことなんてしてないだろ」
「えー。そうかなぁ~?」
ベッドに座ったアベルの膝の上に引き上げられて、ぎゅって抱きしめ直されて、頭を優しく撫でられる。
「……レイに、たくさんぎゅってしてもらった……」
「…………ぎゅ、ね。なら、僕もぎゅってしていい?」
「……うん」
ぎゅってして。
どうしてこんなにアベルにくっついていたいのか、ぼくはあまり考えなかった。
ただ、ぼくのお腹の奥深くに残ってるレイの子種が、存在を主張するようにざわざわしてた。
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