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エルフの隠れ里
閑話 オットーさんは思案する
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*オットーさんとザイルさんのお話です。二人の絡みが好きではない方は、次の更新をお待ち下さいな。
ようやく辿り着いたエルフの隠れ里で再会したアキラ様は、こちらに来てからの記憶をなくされていた。腹立たしくてならない。何故こんなことになってしまったのかと、殺意しか覚えないほどだった。
まあ、それも、記憶がなくともアキラ様はアキラ様なんだな…と納得できれば、笑みという形の安堵に変わったが。
エルフの里を出てからよくよく観察していれば、アキラ様の殿下を見る瞳が僅かに変化していくのがわかった。
……ああ、本当に心配することはなかった。
「記憶は…もうかなり戻ってるみたいだけど」
夜。
最初の夜警にエアハルトとアルフィオが立った。こちらの天幕には今は俺とザイルだけ。大きくはない簡易ベッドでザイルと二人、毛布に包まる。
狭い寝台が丁度いい。存分にザイルを抱いて眠れる。
「明日にはいつもどおりだろう」
「…十分いつもどおりに見えたけどね」
そういうザイルの表情も落ち着いている。
関わることが多いからか、俺たちはアキラ様を守りたいという思いが強いらしい。
殿下の命に従うのは当然だが、それと同じようにアキラ様からの『お願い』にも逆らえない。逆らう気もない。
アキラ様も俺たちの主だ。…そして、家族のような、そんな存在。
主だから命に従うのは当然、家族だから守るのは当然。
だからこそ、アキラ様が拐かされたと知ったときには激怒したし己の不甲斐なさに嘆きもした。それはザイルも同じ。……俺よりも幾分かは冷静だったと思うが。
「とりあえず眠れ」
「……オットーは?」
「俺も眠るから」
「……ん」
頭の下に枕代わりに差し込んだ左手で、ザイルの頭を抱き込み、そこに口付けを落とす。
上着を脱ぎシャツだけになった背中を右手で撫で下ろす。その手を腰までおろしたあたりで、ザイルの手に阻まれた。
「悪戯禁止」
「……ザイル」
「私が我慢してるのに、オットーは我慢してくれないんだ…?」
俺の腕の中に収まりながら、上目遣いで睨みつけてくる瞳には批難の色は浮かんでいない。
「……俺を試すなよ」
「だって、我慢してるのに」
ほら…と、腰を押し付けてくる。ごり…っと硬くなり始めた互いのそこが触れ合い、僅かにザイルが息を詰めた。
「……っ、アキラさんが無事で…、城に戻れるんだって思ったら、……そりゃ、私だって、………こう、なったけど……」
「抜こうか?」
「…っ、ば、っか!!そんなことしたら、止まんなくなるのはオットーの方だから…っ」
赤くなって視線をそらしたザイルが可愛い。
……アキラ様に骨抜きにされて溺愛する殿下をからかえない。俺も十分同類だ。
「……城に戻ったら」
「ん?」
「……一日くらい休んでもいいと思うんだけど」
「ん」
「……オットーがよく行ってた酒場…、行きたい」
「行こうか」
「……あと、……泊まりたい」
「そうしよう。酒を飲みすぎて歩けなくなってたら背負ってやる」
「そこまで飲まないし……」
「人の背中に吐きそうになってた奴の言う事じゃないな」
互いに顔を見合わせ、小さく笑い合う。
「オットー」
笑ったままねだる表情もいい。
何度か口付けを落とし、ザイルが眠りに落ちるまで頭をなでた。
浅い眠りと覚醒を繰り返し、仮眠を取り始めてから恐らくそれほど経っていない時間に、天幕の外で動く気配を感じた。
じっと息を殺し耳をそばだてていると、重たい衣擦れの音が聞こえてくる。
ザイルを起こさないよう左手を引き抜き、荷物の中から闇夜に溶け込むような黒いマントを取り出しシャツの上から羽織る。
剣を手にし、天幕を出た。
焚き火の近くにはエアハルトの後ろ姿を確認できる。
殿下とアルフィオの姿はすぐに見つけることができた。
一体何の目的で殿下をこんな夜更けに呼びつけたのか。
殿下は俺に気づいているようだったが、特になんの指示も出ない。
ならば…と、殿下が立ち止まったのと同時にアルフィオの喉元に剣を押し当てた。
起こさず出てこれたと思っていたが、俺の後ろにはシャツ姿のザイルも佇み、その手に剣を握っている。
殿下の指示もあり剣は収めたが、その後のアルフィオの話の内容に、俺もザイルも体をこわばらせていた。
アキラ様を狙う者が更に増える可能性。敵意ある貴族とは違う、未知の存在。
……守れるだろうか。
いや、違う。
守らなければならない。
「……守れますよ」
再び二人になった寝台の中で、ザイルが俺の手を握りしめた。
「守れるに決まってるじゃないですか。あの殿下が傍にいるんですよ?それから、貴方がいて、私もいる。多少問題のある者もいますけど、殿下と貴方が見極めて集めた仲間たちがいる。………何より、守らないとならないアキラさん自身が誰よりも強いのに」
「……そうだった」
「オットーは考えすぎです。ほら、もうすぐ交代になっちゃいますから」
早く寝ろと言わんばかりにザイルの胸に抱き込まれた。
こいつは俺の不安も強がりも全部見抜いてほしい言葉をくれる。
…頭が上がらない。隠し事もできない。
だから俺はザイルを選んだんだな。ザイルじゃなきゃ駄目なんだ。
「……そこで笑わないで。息がくすぐったい」
思わず笑っていた。
困ったようなザイルの苦言。
もっと困らせたくなって薄いシャツの上から胸の頂きをかしりと噛んだ途端、こめかみに激痛が走った。
「っ、ちょ、やめろっ、痛いっ」
「アキラさん直伝の『ぐりぐり』ってやつです。……悪戯はだめだって言ったのに」
「………したいもんはしたい」
「あのね……」
「殿下ばかりずるいだろ。緊張は解けた。安全はほぼ確保できた。警戒しなきゃならないものはあるが、明日には王城だ。天幕には俺たちだけ。…ほら、やりたくなるだろ?今まで押さえつけてたもんが一気に押し寄せてくるんだ」
「……っ、だから、戻って、宿に……っ」
……顔を赤くして俺から目を背ける。なのに、ちらちらと俺を盗み見る。はぁ。いい加減にしてほしい。煽られっぱなしだ。
「宿で何をするんだ?」
「それ、は……、だからっ」
「……俺の好きにしていいなら、ここじゃ抱かない。どうする?」
「う………、い、い。それで、いい…っ」
「よし。なら舐めさせろ」
「は!?」
「声出すなよ」
「ちょ、やらないって……っ」
「ん?抱かないとは言ったが、舐めないとは言ってない」
「そんなの詭弁……っ、……っ」
目元に涙を滲ませて、口元を手で覆う。
『舐めるだけ』を実践した俺は、終わった直後にザイルに殴られることになるけれど。
まあ、それはそれで。
エアハルト、アルフィオ組と交代する形で夜警に入った。
椅子の代わりの丸太に二人で並んて腰掛け、焚き火に枯れ枝を焚べながら夜空を見上げる。
星が綺麗に見える。それを眺めるザイルの口元には笑みが浮かんでいる。
静かに肩を抱き寄せれば、笑みが深くなった。
帰城したら、少しの間だけでも穏やかに過ごしたい。
……まずは休みをもぎ取るところから、だな。
*****
久しぶりのオットーさん視点。
オットーさんだって奥さんとイチャコラしたい(笑)
ようやく辿り着いたエルフの隠れ里で再会したアキラ様は、こちらに来てからの記憶をなくされていた。腹立たしくてならない。何故こんなことになってしまったのかと、殺意しか覚えないほどだった。
まあ、それも、記憶がなくともアキラ様はアキラ様なんだな…と納得できれば、笑みという形の安堵に変わったが。
エルフの里を出てからよくよく観察していれば、アキラ様の殿下を見る瞳が僅かに変化していくのがわかった。
……ああ、本当に心配することはなかった。
「記憶は…もうかなり戻ってるみたいだけど」
夜。
最初の夜警にエアハルトとアルフィオが立った。こちらの天幕には今は俺とザイルだけ。大きくはない簡易ベッドでザイルと二人、毛布に包まる。
狭い寝台が丁度いい。存分にザイルを抱いて眠れる。
「明日にはいつもどおりだろう」
「…十分いつもどおりに見えたけどね」
そういうザイルの表情も落ち着いている。
関わることが多いからか、俺たちはアキラ様を守りたいという思いが強いらしい。
殿下の命に従うのは当然だが、それと同じようにアキラ様からの『お願い』にも逆らえない。逆らう気もない。
アキラ様も俺たちの主だ。…そして、家族のような、そんな存在。
主だから命に従うのは当然、家族だから守るのは当然。
だからこそ、アキラ様が拐かされたと知ったときには激怒したし己の不甲斐なさに嘆きもした。それはザイルも同じ。……俺よりも幾分かは冷静だったと思うが。
「とりあえず眠れ」
「……オットーは?」
「俺も眠るから」
「……ん」
頭の下に枕代わりに差し込んだ左手で、ザイルの頭を抱き込み、そこに口付けを落とす。
上着を脱ぎシャツだけになった背中を右手で撫で下ろす。その手を腰までおろしたあたりで、ザイルの手に阻まれた。
「悪戯禁止」
「……ザイル」
「私が我慢してるのに、オットーは我慢してくれないんだ…?」
俺の腕の中に収まりながら、上目遣いで睨みつけてくる瞳には批難の色は浮かんでいない。
「……俺を試すなよ」
「だって、我慢してるのに」
ほら…と、腰を押し付けてくる。ごり…っと硬くなり始めた互いのそこが触れ合い、僅かにザイルが息を詰めた。
「……っ、アキラさんが無事で…、城に戻れるんだって思ったら、……そりゃ、私だって、………こう、なったけど……」
「抜こうか?」
「…っ、ば、っか!!そんなことしたら、止まんなくなるのはオットーの方だから…っ」
赤くなって視線をそらしたザイルが可愛い。
……アキラ様に骨抜きにされて溺愛する殿下をからかえない。俺も十分同類だ。
「……城に戻ったら」
「ん?」
「……一日くらい休んでもいいと思うんだけど」
「ん」
「……オットーがよく行ってた酒場…、行きたい」
「行こうか」
「……あと、……泊まりたい」
「そうしよう。酒を飲みすぎて歩けなくなってたら背負ってやる」
「そこまで飲まないし……」
「人の背中に吐きそうになってた奴の言う事じゃないな」
互いに顔を見合わせ、小さく笑い合う。
「オットー」
笑ったままねだる表情もいい。
何度か口付けを落とし、ザイルが眠りに落ちるまで頭をなでた。
浅い眠りと覚醒を繰り返し、仮眠を取り始めてから恐らくそれほど経っていない時間に、天幕の外で動く気配を感じた。
じっと息を殺し耳をそばだてていると、重たい衣擦れの音が聞こえてくる。
ザイルを起こさないよう左手を引き抜き、荷物の中から闇夜に溶け込むような黒いマントを取り出しシャツの上から羽織る。
剣を手にし、天幕を出た。
焚き火の近くにはエアハルトの後ろ姿を確認できる。
殿下とアルフィオの姿はすぐに見つけることができた。
一体何の目的で殿下をこんな夜更けに呼びつけたのか。
殿下は俺に気づいているようだったが、特になんの指示も出ない。
ならば…と、殿下が立ち止まったのと同時にアルフィオの喉元に剣を押し当てた。
起こさず出てこれたと思っていたが、俺の後ろにはシャツ姿のザイルも佇み、その手に剣を握っている。
殿下の指示もあり剣は収めたが、その後のアルフィオの話の内容に、俺もザイルも体をこわばらせていた。
アキラ様を狙う者が更に増える可能性。敵意ある貴族とは違う、未知の存在。
……守れるだろうか。
いや、違う。
守らなければならない。
「……守れますよ」
再び二人になった寝台の中で、ザイルが俺の手を握りしめた。
「守れるに決まってるじゃないですか。あの殿下が傍にいるんですよ?それから、貴方がいて、私もいる。多少問題のある者もいますけど、殿下と貴方が見極めて集めた仲間たちがいる。………何より、守らないとならないアキラさん自身が誰よりも強いのに」
「……そうだった」
「オットーは考えすぎです。ほら、もうすぐ交代になっちゃいますから」
早く寝ろと言わんばかりにザイルの胸に抱き込まれた。
こいつは俺の不安も強がりも全部見抜いてほしい言葉をくれる。
…頭が上がらない。隠し事もできない。
だから俺はザイルを選んだんだな。ザイルじゃなきゃ駄目なんだ。
「……そこで笑わないで。息がくすぐったい」
思わず笑っていた。
困ったようなザイルの苦言。
もっと困らせたくなって薄いシャツの上から胸の頂きをかしりと噛んだ途端、こめかみに激痛が走った。
「っ、ちょ、やめろっ、痛いっ」
「アキラさん直伝の『ぐりぐり』ってやつです。……悪戯はだめだって言ったのに」
「………したいもんはしたい」
「あのね……」
「殿下ばかりずるいだろ。緊張は解けた。安全はほぼ確保できた。警戒しなきゃならないものはあるが、明日には王城だ。天幕には俺たちだけ。…ほら、やりたくなるだろ?今まで押さえつけてたもんが一気に押し寄せてくるんだ」
「……っ、だから、戻って、宿に……っ」
……顔を赤くして俺から目を背ける。なのに、ちらちらと俺を盗み見る。はぁ。いい加減にしてほしい。煽られっぱなしだ。
「宿で何をするんだ?」
「それ、は……、だからっ」
「……俺の好きにしていいなら、ここじゃ抱かない。どうする?」
「う………、い、い。それで、いい…っ」
「よし。なら舐めさせろ」
「は!?」
「声出すなよ」
「ちょ、やらないって……っ」
「ん?抱かないとは言ったが、舐めないとは言ってない」
「そんなの詭弁……っ、……っ」
目元に涙を滲ませて、口元を手で覆う。
『舐めるだけ』を実践した俺は、終わった直後にザイルに殴られることになるけれど。
まあ、それはそれで。
エアハルト、アルフィオ組と交代する形で夜警に入った。
椅子の代わりの丸太に二人で並んて腰掛け、焚き火に枯れ枝を焚べながら夜空を見上げる。
星が綺麗に見える。それを眺めるザイルの口元には笑みが浮かんでいる。
静かに肩を抱き寄せれば、笑みが深くなった。
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