魔法が使えると王子サマに溺愛されるそうです〜伴侶編〜

ゆずは

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蜜月は続くよどこまでも!?

2 可愛いって言われるとちょっと嬉しい

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「…………」

 なんか。

「…………」

 ちょっと。




 俺、変だった、よね……?




 目が覚めて、一番最初に視界に入ってきたのは、視界一杯の肌色だった。顔を確認しなくてもわかるクリスの胸元。うっかりよだれ垂らしてないか不安になるレベルでべったりくっついていた。
 クリスはベッドヘッドとクッションやらを背もたれにして、俺を抱きしめて座ったまま寝てる。
 寝た時の記憶が曖昧で、どういう状況だったっけ…と考え始めたとき、尻の中に違和感を感じて、恐る恐るソコを指で触れた。

「っ」

 予想はしてた。
 けど、予想通りで狼狽えた。
 ……俺の中にクリスのが、入りっぱなし……。
 今朝早くクリスが寝ぼけて滅茶苦茶抱かれたあとも、「栓をする」とか言って入れっぱなしにされたけど、これは、何故。
 幸いなのは、クリスのものが、最大級まで育ってないことか。通常サイズではないけど、がっつり俺の内側を擦ってくるサイズじゃない……ってこと。

「………あわわ」

 顔が熱い。
 俺、尻の中でクリスのサイズ(=興奮具合……)がわかるってどうなの……。
 意識したら尻に力を入れてしまいそう。そしたらきっと、太さも硬さもまして、クリスも目を覚ます。
 もう、動かないでじっとしておこう。

「………………」

 でも、これはこれでやばい。
 尻の中を変に意識してしまう。
 …なんか、お腹の奥もぐるぐるしてるし。多分、クリスの魔力がそこに留まってる、そんな感じの。
 俺に吸収されてないのかな?……上限いっぱいになってとか?
 こんなに注がれたこと………ないし。うん。わからない。

「………っ」

 でもぞわぞわする。
 どうしよう。
 クリスのが入ってるって思うだけで体が震える。
 なんとなく左手を見て、なんとなく指輪が視界に入ってきて。ニマ……として、慌てて表情を引き締めた。
 クリスのも見たい……けど、そのためには一度クリスの胸元から少し体を離して、顔の向きを変えて……、しかもクリスの手は俺の腰辺りにあるから、腕を持ち上げてずらさないと見れない。
 実現可能な計画かどうかわからなくてとりあえず体を少し離したら、俺の中のクリスが、ぐんって少し育った。

「んひ……っ」

 中が圧迫される刺激に、勝手に締まるのがわかる。そんでもって、締め付けたことでクリスがまたおっきくなって、その刺激にまた締め付けて………、エンドレス状態になった。

「あん……っ、ん、んんっ」

 あ、やばい。
 腰、揺れてる。
 声、出る。

「んん……っ、ん、んぅぅ」

 口は手で抑えた。
 たった一晩でクリスに快楽を教え込まれた体は、持ち主である俺の意思なんて関係なく、勝手に快楽を得ようとしてる。

「んひ……っ、ん、んん、んん…ふ、ん、ぁ」

 クリス寝てるのに。
 こんなの、ほぼほぼ俺がクリスを襲ってるだけ……、や、クリス自慰をしてるのとなんも変わらないっ。
 こんなのやだ…って思っても、ほんと大真面目に体が言うことを聞かない。
 締め付けて腰を揺らしてるから、いつの間にやら俺の尻の中のクリスは、MAXまで育ちきってるし……。
 前々から絶倫だとは思っていたけど、考え直す。もう、これは絶倫とかじゃなくて人外でしょ?一晩で俺の腹が形変えるくらい射精してるのに、なんでまだ勃つの?なんでまだ射精できるの?タネなくならないの?なんで?
 俺の息子、へたれすぎて、もう上向けないんだけど。今すごく気持ちよく感じてるのに、斜め四十五度ってくらいなんだけど。なんか透明な液体しか出てこないけどっ。

「ぅひ……っ、ん、ぁぅっ」

 腰は揺らせるのに、足に力が入らないから、腰を上げることができない。
 やめなきゃと思ってもきもちいい。
 俺の中、すっかりクリスの形を覚えこんでいて、とにかく気持ちいい。
 恥ずかしくてやるせなくて、どうしたらいいかわからなくて、手で口を押さえて高く上がりそうな声を抑えて、目から涙が落ち始めたとき、それまで無反応だったクリスが、いきなり腰を突き上げてきた。

「あ゛、あ゛ー……!!!」

 突然のことに体が仰け反って、後ろに倒れかけたところをクリスの両手が抱きしめて支えてくれた。
 その手に俺の手を取られて、息継ぎに開いたままだった口を、塞がれる。熱くて柔らかい唇に。

「ん、んふ……ぅっ」

 口の中まできもちいい。
 甘くて、熱くて、とろとろで。
 突き上げは激しくはなくて、いちいち奥まで抉ってくるけど、ゆっくりペース。
 ……でも、イきっぱなしになってるみたいで、辛い。

「ん………ん、はぁっ、あっ、ま、て、まって、くりす……っ」
「ん」

 止まってくれた。
 でも、体がびくびくびくーーってなってぎゅうぎゅうに中を締め付けて、じわ…っと熱いのが広がって。

「は………はう……ぅ」
「すまない。アキの腹が破けそうだな?」

 クリスは俺を抱き寄せて、よしよし…って頭と背中を撫でてくれた。
 俺もぺたりとクリスの胸にもたれかかって、とくとくと少し早く打つ鼓動を感じてた。
 ……落ち着く。気持ち的に。

「破けないよ……。なんでクリス、そんなに出るのさ……」
「うん?」
「………………なんでもない」

 口に出しておいてあれだけど、絶倫どうこうは本人に言うとまずい気がしたから、とりあえず飲み込んだ。

「いつから起きてたの」
「アキが声を我慢し始めた辺りから」

 ………どのあたりかわからん。
 でも、覗き見のようなことをされていたということは理解した。

「………ばかくりすっ」
「可愛い」

 くすっと笑いながらそんなふうに言われて。
 …可愛いって言われることにちょっと嬉しくなってる俺がいた。
 ……絆されまくってる。



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