魔法が使えると王子サマに溺愛されるそうです〜伴侶編〜

ゆずは

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蜜月は続くよどこまでも!?

1 甘くて甘くて甘い

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「ん……んんっ、くり、す、ま……ぁ、っ、あん、あんん……っ」
「もっとだろ?まだ飲み込めるはずだ」
「も……や、らぁ…っ、むり、む……、あ、あー……っ」

 頭の中馬鹿になりそう。……や、多分もうなってる。
 もう無理…って思ってるのに、お腹の奥の方はきゅんってなって、ぎゅってなって、クリスの昂りを欲しがってるし、「もっとだろ?」と言われたら、「もっと欲しい」って答えそうになる。

 クリスの上に跨って、下から見上げてくる熱を孕んだ瞳に心臓が持ってかれそうになって、思わずお腹の奥に力を込めたら、ぐんって突き上げられて。
 目を見てるのも恥ずかしくなって目を閉じたり目をそらしたら、視線が合うまで突き上げられて。
 少しでも俺の動きが止まったら、腰を振るのを促すように下から突き上げられて。
 ……要は、何しても下から突き上げられて、なんでそんなに硬く滾ったままでいられるのかわからないクリスの男根が、俺のお腹の奥を抉ってくる。
 痛くもなければ辛くもない。
 ……や、違う。辛い。気持ち良すぎて。快感が強すぎて。イきっぱなしになって辛い。

「や……やぅ……っ、イ、てる、イっ、てぅ、からぁ…っ」
「気持ちいいだろ?」
「あ……、い、ぃ、きもち、いい……っ」

 ……ああ、また。答えちゃった。
 ニヤリと笑ったクリスに、また心臓が壊れる。
 がっしり腰を掴まれて息を詰めたクリスは、どこにそんな体力を残してたの…っていうくらい力強く腰を突き上げてきた。

「ーーー……っっ!!!!」

 気持ちのいい場所よりももっと奥に入ってきた感じがする。今までで一番深い場所。
 ガクガク震える体をどうにもすることもできない。俺の精液なんてもうとっくに底をついていて、どんなに気持ちよくても中途半端な勃起しかしない息子から、透明な液体が少量ずつ流れ落ちる程度だったのに、その強い快感を得て、ぷしゃって透明な飛沫をクリスのお腹の上に撒き散らした。
 同時に、俺のお腹の中では、捻り切るつもりなんじゃ…ってくらい強く、クリスの男根を締め上げてた。

「っ」

 短い、息を詰めた笑い声。

「あっ」

 お腹の奥が熱い。
 何度も収縮を繰り返して最後まで搾り取ろうと締め上げる。
 そのたびにまたじわっと熱いのが広がっていく。
 俺は放心状態で、クリスのお腹の上に座り込んでた。
 自分から動く頭はない。
 だらしなく口を開いて、はあ…はあ…って息をして、指一本動かせないのに、びくんびくんってお腹の中だけは締付けを繰り返してる。

「アキ」

 腹筋で起き上がったクリスが、呆然としたままの俺をぎゅっと抱きしめた。
 …しっとり汗で濡れた肌が気持ちよくて、またお腹の中がきゅって締まる。

「アキ」

 もう一度呼ばれる。
 けど、俺の口から漏れるのは、名前を呼ぶ声じゃなくて、溜息のような、ただの空気のような、意味のないものばかり。
 俺、どうしちゃったんだろ。

「…流石にやりすぎたか」

 なにが?

「ほら、抜くから」

 クリスに体を持ち上げられて、ずるずるとお腹の中からクリスの男根が抜け落ちていく。
 そのことに妙な寂しさとか怖さを感じて、ふるふると頭を振っていた。

「らめ…ぬかないれ…っ」
「アキ」
「ぬくのやらぁ…」

 行かないで。
 俺の中にいて。

「ふ……ぇ……」
「アキ」
「やら……やらぁ……」

 ぎゅ…ってお腹の中を締め付ける。
 そしたら俺の中に入ったままの所が、少し硬くなった。

「わかったから泣くな」
「ぅぅ……」

 クリスはそれ以上抜こうとしなかった。
 腹筋だけで起き上がって、背中をぐっと抱きしめて、ぬりゅ…ってまた俺の中に戻ってくる。

「あ、あ、あ」
「抜かないから。このまま少し眠れ」

 ぎゅって抱きしめられてクリスの胸によりかかる。
 俺の腰は深いところまで落とされてて、クリスの腕の中……懐に、すっぽりと嵌ってる。
 きもちいい。
 クリスの硬いのが、俺の中でびくびくしてる。
 出ていかない。
 いなくならない。
 俺だけの、もの。

「ん、ん…ぅ」

 胸と胸をこすり合わせて、尖った胸の先を刺激されながら、唇を舐める。
 舌を伸ばして舌先だけを触れ合わせて、そのまま食べられて、じゅるじゅる吸われて、お尻の中が熱くなって、ぎゅってなって、下腹部のとこがどんどん濡れて、ふわふわになって、息が苦しくなって。

「く、りす」
「抱いててやる」
「……うん」

 何かよくわからない安心感に包まれて、何かよくわからないうちに目を閉じてた。
 重ねた胸からクリスの鼓動が響いてくる。
 体の中は甘くて甘くて仕方ない。






◆side:クリス

 アキの様子が変わってやりすぎたと気づいた。
 昨夜から際限なく沸き起こる欲に流され続けているのは自覚していたが、アキを壊しかけてようやく理性が戻って来たというのは情けなさすぎる。
 休ませないとまずいと感じたときには、もう遅かったかもしれない。

「ぬくのやらぁ…」

 呂律も回らない言葉遣いで、抜くなと泣き始めてしまう。
 しかもアキの腹は俺を逃すまいときつい収縮を繰り返してる。
 精液を受け入れすぎた腹は僅かに膨らんでいて、くたりとしたアキのペニスの鈴口からは、雫が断続的に溢れる。
 呼吸が荒いがために動きがよくわかる胸元には、弄れ、舐めろと言わんばかりに赤く熟した果実が揺れているし。

 ……戻った理性がまたどこかに行きそうだ。
 なんとか頭を切り替えて起き上がり、アキを抱きしめた。
 正気を無くしかけてるアキを落ち着かせるために、一旦抜こうとしていたペニスを、再びゆっくりとアキの腹の奥に沈めた。

 宥めるように口付けて、アキの目元がとろんと緩む。
 きつく抱きしめて背中をなでている間に、穏やかな寝息に変わっていった。
 それと同時に俺のペニスを締め付けていた内腔からも力が抜けていき、締め付けがゆるくなった。

 もういいか…とアキの体を抱き上げようとすると、「んっ」と小さく呻き眉間にシワを寄せ、また中が締め付けてくる。

「……これは……、動けないな」

 苦笑しつつも、現状が嬉しくてたまらない。
 壊したいわけじゃない。
 アキは俺の大切な伴侶だ。
 俺の唯一。俺の半身。
 ……壊したいわけじゃないが、求められるのは心地いい。

「愛してるよ」

 柔らかな黒髪に口付けを落とし、アキの少し早い鼓動を感じながら、俺も目を閉じた。



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