【完結】魔法が使えると王子サマに溺愛されるそうです〜婚約編〜

閑話 ④

ましろは考える

　……ましろとおなじあのひとがいない。

　ましろとおなじあのひとが、とてもきらきらしていた。

　だからましろもきらきらした。

　ましろは、ましろとおなじあのひとといっしょにいたいから、

　ましろは、ましろがきらいな、ましろとおなじひとにいつもくっついてる、あのきらいなひとがいったことを、ちゃんとまもってたよ。

　すこしだけ、きらきらがきれいで、すこしだけ、すこしだけ、でてしまったけれど。

　でも、ましろとおなじあのひとは、だいじょうぶって、いってくれたよ。

　なのに、どうして、ましろは、ましろとおなじあのひとのそばにいられないの？





「みゃぅ」
「どうしたの。寂しいの？」

　ましろとおなじましろがだいすきなひとがすきなひと。

　あったかいひと。

　ましろにごはんをくれるひと。

「もう少しだけ二人だけにしてあげましょうね」
「みぅ」

　ましろのだいすきなひとと、ましろのだいきらいなひと。

　ましろはあのひとがだいきらい。

　ましろのだいすきなあのひとをいつもひとりじめにしてるから。

　でも、ましろのだいすきなあのひとは、ましろのだいきらいなあのひとがすき。

　ましろは、ましろとおなじあのひとがすき。

　でもましろは、だいすきなあのひとのそばにいちゃだめなの？

　ましろはひとり。

　いつもひとり。






「あらあら。そんなにお耳も尻尾も元気なくして。そんなにアキラさんに会えないのが寂しいの？」

　やさしいこえのひとは、ましろをだきあげて、せなかをなでてくれた。

「大丈夫。明日にはお部屋に行きましょう。その頃なら坊っちゃんもいい加減アキラさんを離してあげていると思いますからね」

　あした。

　あしたは、いまの、つぎ。

　いちどねむったら、あした？

「あえるのみゃぅ？」

　ましろ、ひとりじゃないの？

　ましろのこと、きらいだから、そばにいないんじゃないの？

　ましろとおなじましろがだいすきなあのひとは、まだましろのことすきなの？

　あまえて、いいの？

「ふふ。アキラさんが大好きなお菓子を用意してもらいましょう。マシロちゃんにもおやつを用意しないとね」

　おやつ。

　ましろのだいすきなあのひとといっしょにおやつ？

　あした。

　いまからねたら、あした？

　おきたらあした？

　あしたになったら、ましろは、ひとりじゃないの？





　やさしいひとがましろといっしょにいてくれた。

　たくさんおはなしをしてくれた。

　おそくなってしまったけど、おそとがくらくなってからねむった。

　ましろのねどこには、ましろがだいすきなあのひとのにおいがするぬのがある。

　はやくなでて。

　ましろってよんで。

　はやく、あいたいな。














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メリダさんとマシロは同じ屋敷の別階のお部屋に滞在中…。

現在お屋敷には、
当人たち
護衛コンビ
メリダさんとマシロ
料理人さん
が、おります。

必要最低限の人員…。