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第3章 遠征先でも安定の溺愛ぶりです。

45 遠征4日目の朝……うあああああ……

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 クリスに服を着せられて、口移しで果実水飲まされて、それでなくてもとろとろになってた俺はまたとろとろにされて、着せられた服をズボンだけ脱がされて、勃ってしまったそこを舐められて吸われて……、喘ぎがでそうなのをフル動員させた理性でなんとか抑え込んで、俺が吐き出したものをクリスが飲む音を聞きながら、そういえば昨夜の後始末は、クリスがしてくれたんだなぁ…って、ぼんやり考えてた。

 思考がまとまんない。
 時間にしたら、早朝。
 外からは動き出した隊員さんたちの歩く音とか聞こえてくる。

「アキ?」
「……ん?」
「ほら…、しっかり目をさまして」
「……なに?」

 なんか、お腹の奥がじんじんする。
 クリスがズボンを整えてくれた。
 ……抱かないの?

「…くりす…きす…」

 腕を伸ばしてねだったら、クリスが苦笑した。
 身体を起こしながら抱きしめてくれたけど、キス、してくれない。

「やりすぎたのは反省してるから、そろそろ戻っておいで、アキ」
「………?」

 ここにいるのに、戻ってこい、ってなんだろ。
 それより、クリスの熱がほしい。キスして。抱いて。

「んん…。くりす、きす……きすして」
「だめ」
「じゃ、だいて」
「それもだめ」
「むうううう」
「可愛く唸ってもだめ」
「くりすの、いじわる………」

 して欲しいのにしてくれなくて、なんか、目元がじわっと濡れてきた。

「アキ…」

 ため息交じりに、クリスに抱き上げられた。

「外に出ようか。そろそろ朝食だから」
「ん……」

 目元にキスしてくれた。
 やだ。そこじゃない。
 無理やり体をひねって、クリスの首にしがみついた。そんな無茶な姿勢で、クリスの唇にキスをする。
 いつもならクリスから舌を絡めてくれる。でも我慢できなくて、俺から舌をクリスの口の中に入れた。

「ん、んっ」

 キスしない、って言ってたのに、クリスの舌がちゃんと俺のキスに応えてくれる。嬉しい。

「んー、んー…」

 …頭の中ぽやぽやする。
 体中熱くなる。
 こんなに熱いのに抱いてくれないの?

「ここまで」

 キスが唐突に終わった。

「もっと」
「だめ。……頼むから、もう戻ってきてくれ…身が持たない……」

 クリスはそのまま天幕の中から出てしまった。……天幕?
 外は清々しい空気と美味しそうな匂いがある。
 ……城、じゃない?
 なんか頭の中がふわふわのぽやぽやで、現状がよくわからない……。
 でも、なんか、すごく大事なこと……。

「殿下、アキラさん、おはようござ……」

 不自然に途切れた言葉。
 えーと……。

「おはよう。夜間の異常は?」
「あ、すみません。ウォーウルフ2体が出現、速やかに排除されています」

 んー…クリスの匂い、すき。
 首筋、あったかい。

「アキ、舐めるな」
「ん……」

 クリスの首筋に顔くっつけてぺろぺろしたら、剥がされた。なんで。
 クリスは盛大なため息をついて、またあるき始める。
 いつもの?場所にクリスが座ったら、すぐにオットーさんにコップを渡された。……オットーさん?
 えーと……。
 渡されたから飲み始める。
 飲んだら少しすっきりしてくる。

「おはよーさん。……って、随分やばい顔してんな、坊主」

 ぐりぐりって頭なでられた。

「……おはよう」
「ヤりすぎんなよって忠告しただろ」
「ここまでアキの理性が飛ぶとは思ってなかったんだ……」

 クリスはウェストポーチからなんか取り出した。

「これ自体は助かった。ありがとう」
「どーいたしまして?…ほら、アキラ、いい加減しゃんとしろ?慣れてるはずの団員が動揺してるぞ?」

 また、ぐしゃぐしゃって、頭をなでられる。
 撫でられたところから、なんかすっきりしてく。

「……ぎるます?」
「そーだ。昨日は随分楽しんだようだな?でもな、ここは安全な場所じゃないからさっさと正気に戻れな?」

 正気…とか、戻れとか、クリスもギルマスも、うるさい。………ギルマス?

「ギルマス?」
「そうそう」
「え」
「戻ったか?ほら、周り見てみろ。皆顔が真っ赤だ」
「えっ」

 楽しそうに笑われて、思わず周りを見てしまった。そしたら、気まずそうに視線をそらしたり、顔を赤くしてる隊員さんたちが目に入って……。

「うあああっ」

 あまりのいたたまれなさにクリスの胸に顔をうずめました。

「やっと戻った……」

 ほっとしたクリスの声。
 うん、大丈夫。頭の中のぽやぽやしてたの、もうないから!!でも恥ずかしくてどうしようもないですね!!






「ごめんなさい」

 正気に戻ってから、隊員さんたちに、平謝りしました。本当にごめんなさい。
 俺がいつもの俺に戻ったのがわかったのか、皆さん、苦笑したり、慰めてくれたり、反応いろいろでしたが、もうほんとにごめんなさい。

「穴に埋めて……」

 謝り倒してクリスのところに戻って、膝の上に座らされるのは、いい。ある意味いつもどおり。
 クリスの胸元にしがみついて顔を隠す。
 今日一日天幕の中でもいい。

「いいからほら、ご飯食べて。アキのせいじゃないから」
「でも……」
「すごく善かったんだろ?」

 耳元で囁かれた言葉に、また顔が熱くなる。

「う……」
「薄い布1枚隔てたむこうに人がいると思ったら興奮したんだろ?」
「うう……」
「善すぎて自分から腰振ってたよな…?」
「ううう……」
「でも、そうさせたのは俺だから。アキの痴態に煽られて止まれなかったから」

 もうやめて。
 クリスの声が無駄に甘から。


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