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第2章 お城でも溺愛生活継続中です。

42 仮眠室で…とか、やめようよ…。

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 え、何が?
 言われたことがわからない。何が危険?
 あ。もしかして、俺自身が危険物扱い?

「危険……って、何が?」
「アキ、現魔法師長のレイランドは、お前ほどの魔物の知識は持っていない。魔力もお前のほうが遥かに高いだろう。レイランドが唯一お前に勝る点があるとすれば、実戦経験のみだ」
「うん?」
「そして、レイランドは今の地位に執着している」
「……うん??」

 話がわからずキョトンとしてたと思う。
 クリスはため息をついてから、俺の頭を撫でる。

「レイランドがお前を狙うかもしれない、ということだ」
「なんで?」
「お前が魔法師長になれる実力を持っているから」
「………はい?」
「謁見のときのあの男のやり方を見ただろう。あれは権力に固執している。その身分を、地位を守るために、アキを手にかけることも厭わないはずだ」

 あのときの厭らしい笑い顔が脳裏に浮かんで、思わず身震いしてしまう。
 クリスとオットーさんが懸念してることって、あの人が俺のことを殺そうとするかもしれない、ということで。

「え、でも、無理だよね」
「ん?」
「クリスがいるから」

 クリスが俺のこと守ってくれるから、そんなことは起こり得ない。これは、期待じゃない。確信できること。

「アキ」

 クリスが嬉しそうに目を細める。

「それに、俺、どう転んでも魔法師長になんてならないよ。軍属とか興味ないし、クリスの隣に居たいだけだし。でも、どっかに所属しなきゃならないって言われたら、クリスの直属のとこがいい」
「私達の同僚ですか」
「うん。よろしく、オットーさん」
「こちらこそ」

 って、オットーさん、ノリノリで応えてくれた。
 これって案外名案なんじゃ…と思いながら、二人でニコニコ笑っていたら、クリスから盛大なため息が。

「メリダ、後で呼ぶ」
「かしこまりました」
「オットー」
「人払いをかけておきます。適当な時間に戻ります」

 ……と、メリダさんもオットーさんも、一礼して部屋から出ていってしまった。
 何があったんだ…って思っていたら、立ち上がったクリスに抱きあげられた。

「クリス?」
「アキは可愛いな」

 謎の言葉で返されて、そのまま仮眠室に運ばれた。
 えーと、これはもしかして。

「ちょっと、クリス?」
「我慢できなくなった」
「や……でも」

 午前中にもここで舐められて、イかされたばかりだよ。
 ここはもろクリスの仕事場なのに、これだけ念入りに人払いかけてるってことは、されることはもう決まってて。

「ここ、クリスの仕事場…っ」
「関係ない」

 関係大ありだし、気にしてほしいのだが。
 でもクリスは、俺をさっさとベッドにおろしてのしかかってくる。

「クリスっ」
「アキが可愛すぎるんだ」
「ん……っ」

 口付けられて性急に絡まる舌に、心臓が跳ね上がった。
 その間に丁寧に服を脱がされる。

 ……あ、だめだ。
 俺の身体、クリスがほしいって言ってる。
 仕事場だから、昼間だから、勉強の途中だから、いろいろな理由があるのに、どこかに消えた。

 衣服は全部脱がされた。
 あの恥ずかしい下着さえも、しっかり解かれて椅子の上に置かれた衣服の一番上に置かれてる。

 激しい口づけと、脱がされるときの軽い愛撫だけで、息が上がって力が抜け落ちた。

 俺を見下ろすクリスの衣服はそれほど乱れてない。ただ、ベルトが抜かれて、寛げた前からは、反り返ったクリスのものが飛び出ている。
 それを見ただけで、俺の奥のほうがきゅっと締まった。

 クリスは唇を舐めると、俺を転がしうつ伏せにさせる。腰を高く持ち上げられて、ひくひくするそこがクリスの目の前に暴かれた。

「あ……やぁ、くりす、くりすっ」

 熱い舌がそこを念入りに舐めてくる。

「アキ……っ」

 舐められて指で解されて、とろとろになったそこに、クリスの滾った楔が押し当てられて。

 その激しさに、すぐに意識が飛びそうになった。
 でも、とても幸せを感じていて、眠ってしまうのは勿体なくて。
 何度も達してしまった。
 クリスの熱も何度か奥に受けた。
 そして結局、クリスの熱を内側に感じながら、意識を手放してしまったのは言うまでもない………。


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