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第2章 お城でも溺愛生活継続中です。
30 夜は甘えたいです!
しおりを挟む「ひぅんっ」
唇が触れ合う距離で言葉を交わしたあと、クリスの手が俺の尻をもみ始めた。
絶妙に揉まれて、広げられて、窄まりに指が這ったかと思えば、すぐに指は離れてしまって。
でも、それだけでも、背筋にゾクゾクと快感が走り抜けてしまう。
「んやぁっ」
クリスが帰ってきたら、言いたかったことがあった。
お仕事お疲れ様、って。
言葉の勉強、みんなに手伝ってもらったけど頑張ったよ、って。
でも寂しかった、って。
会いたかった、って。
「くりす…っ」
「やっとアキに触れられる」
耳元のかすれた声。また、ゾクって背筋が震えた。
この声は…反則。
「…しごと、いそがしかった?」
「少しだけな」
クリスはそう応えると、俺を抱き上げて湯船の中に入ってしまう。
何度かキスをされて…頭がまたぼーっとしてくる。
そういえば、のぼせるからあがろうとしてたんだっけ。
「真っ赤だな。ちょっと待ってくれ」
クリスは笑いながらキスをやめると、何度か俺の頭をなでて湯船から上がり、手早く頭と身体を洗ってしまった。
…あ、髪、洗ってあげたかった。
すぐに湯船に戻ってきたクリスは、俺を足の上に乗せると、腰に手を回して引き寄せてくる。
「クリス」
身体が触れてるから、お互いの昂り具合がみなくてもわかる。
クリスの指が俺の目元をなでた。
「もう上がるから。そんな目で見るな。ベッドまで我慢できなくなる」
…そんな目、って言われても。のぼせ気味で頭はくらくらするけども、早くクリスに抱いてほしいんだから、誘うような目?になってたって仕方ないと思うんです。
目元をなでてた手が頭の後ろに回り、キスをされた。触れるだけじゃないやつ。
「ん……ん…」
すぐに絡む舌。キス…気持ちいい。
「くりす……っ」
はふ……って息継ぎみたく唇を離したけれど、すぐに囚われてしまう。
もどかしさとか、焦れったさとか。色々ごちゃまぜだけど。クリスのキスはとにかく気持ちが良すぎて。
舌で丹念に口内を愛撫されるから、すぐに腰が震えだしてしまう。
「ん……ひぅんっ」
すっかり形を変えたそこに、クリスの指が絡みついた。
お湯の中でゆっくりと根本から先端まで形を辿り、鈴口を弄られる。ビクビク腰が震える。けど、お湯の中には出したくない。
「や……くりす、…っ、ひあっ」
「可愛いな」
耳元で囁くように。
鼓膜を震わす声と、耳にかかる吐息に背筋にゾクゾクしたものが走り抜けたとき、クリスの指がそこから離れて、徐に抱きあげられた。
首に腕を回してしがみつく。…ほんとに、俺、寂しかったんだ、って。
クリスは俺を抱いたまま浴室を出て、ベッドに向う。足元にポタポタ水滴が落ちてるけど、気にする余裕はない。
ベッドに降ろされるときにまたキスをされる。
舌を絡めて濡れた音を出しながら、体がベッドに沈み込んでいくのを感じていた。
「くりす…」
「アキ」
目を開けたら、碧色が広がる。綺麗な色。
身体に覆いかぶさる重さが心地良い。
「アキ………アキ」
唇が離れて掠れた声で呼ばれる。
でもすぐに頬に唇が触れて、顎に触れて、首筋まで移動してくる。
そこを舐められて、強く吸われた。
「んっ」
それだけでも感じてしまう。
クリスの唇は何度かそれを繰り返して、鎖骨に下がる。そこにも同じように痕を残しながら、胸元まで進んで……、もう硬くなっていた乳首を舌が転がしてきた。
「あ、あっ」
胸だけでこんなに感じてしまっていいんだろうか。
舐められて、吸われて、軽く歯を立てられて、痛みすら快感にすり替わってて。
反対側を指先で抓まれて、腰が跳ね上がった。
「あ、や…っ、ま、って、そこ、はな、してっ」
胸元でクリスが笑った。
唇と指が離れたから少し気を抜いたのに、今度は右と左を入れ替えてきて……さっきより強く吸われて抓まれた。
「や、ぁ…っ!」
腰は勝手に跳ね上がるし、身体はガクガク震えるし…、気づいたときにはお腹は熱いもので濡れてるし…!
「あ……うそ……っ、い……っ」
「ここだけでイケるようになったな?」
耳元の声に顔中熱くなる。
乳首弄られただけでイッちゃうとか、俺どうなってんの?
「………くりすの、いじわる……っ」
こんなの恥ずかしい。普通に抱かれるより恥ずかしいっ。
「気持ちいいだろ?」
「………きもち、よかった、けどっ!」
じゃなかったらイクなんてこと、なかっただろうし!でも!!
クリスの頭を自分に引き寄せて、自分から唇を重ねた。それから、耳元に唇を寄せる。
「クリスのでイキたかった」
「っ」
「クリスのでイカせてくれなきゃ、やだ…っ」
「………アキ」
俺のお腹に当たるクリスのが、なんだか硬さを増した気がした。
「煽るな…っ」
「だって、くりすが、してほしいことは、いえ、って」
欲しくて仕方ない…って、身体が悲鳴を上げてる気がする。
はやく、クリスを感じたい。
俺の中をいっぱいに満たしてほしい。
クリスは少し息をついて…流れた俺の体液を指に絡めて、窄まりの奥に潜り込ませてきた。
「ひぁ…っ」
「力を抜け」
「ん……んっ、んぅ」
ちょっとの異物感。痛みはないけど。身体がこわばったのはほんの一瞬で、すぐにその刺激を身体が思い出したのか、意識するまでもなくふにゃりと力は抜けていった。
クリスの指が増える。中は柔らかくほぐれて、指を飲み込もうとしてるみたいに蠢いてるのがわかる。
一度出したにも関わらず、俺のはまた硬くなってて。
「愛してるよ」
耳元で囁かれたのと同時に、指が入ってたところに熱くて濡れた硬いものが押し当てられて、一気に最奥を突いてきた。
「……………っ!!!」
その感覚に声もだせないまま、二度目の吐精をしていた。
「………っ、あ、あっ」
「アキ可愛い…動くぞ?」
「ん………うん、はやく……っ」
奥をゴリゴリこすられて快感と幸福感が広がってく。
……聞かなきゃならないことがあったのに。
クリスが与えてくれる快楽に、思考は意味をなさなくて。
「は………あ、あぁ、くりす、……くりすっ、すき……っ」
「アキ………アキっ」
何度吐精しても、何度身体の奥に熱い飛沫を受けても、中々熱は収まらなくて。
結局、また俺が意識を飛ばしてしまうまで、ずっとずっと、愛し合っていた。
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