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第1章 魔法を使ったら王子サマに溺愛されました。

29 性格変わってませんか?

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 俺の記憶が確かなら、昨日は夕飯を食べてない。
 それなら、空腹感で目覚めるのも仕方のないこと。

「おなかすいた…」

 半覚醒状態の寝言のような自分のつぶやきで目が覚めた。
 ついでに、くくくって笑い声もする。

「寝起きでそれか…」
「すいたものはすいたの」

 ぷいっと顔をそむけつつ、にやけてしまう口元を隠す。
 ついでに体も反転させたら、後ろからクリスが抱きしめてくる。

 ……腰に当たる硬いものは、とりあえず無視しよう。

「おはよう、アキ」
「……おはよ」

 ……ああ、なんか素肌の感触だなぁと思ったら、毛布の下、何も着てない。恋人達の朝の迎え方としては…正しいのか?

「もう少ししたら食堂に降りようか」
「うん………あ、れ?」

 体ごと振り向いてしまった。

「クリス、おかしいよ」
「ん?」
「…寝て起きたのに、クリスの言葉がわかる…」

 時間制限付きの効果で、せいぜい2時間程度(と、みている)。
 昨夜………あれなことをして眠りについてから、結構な時間が経ってるように思うんだけど。

「ああ」

 クリスは俺が何を言いたいのか理解してくれて、あろうことか後ろの窄まりをなでてきたっ。

「ちょ…っ」
「この中に沢山出したからな」
「……え?」
「唾液よりも量が多いから、吸収した魔力量も多かったんだろう」

 ……一気に顔中ぶわわわって熱くなった。

「夜中だったしな」

 そう言いながら、まだ窄まりを触ってる。しかも、時々指の先を含ませてくるから、たまったものじゃない。

「ん、まだ柔らかいな」
「ちょ、も、さわんないで…っ」
「気持ちいいだろう?」

 そう言って遠慮なく中に入り込んでくる。

「ふぁ…っ」

 濡れてないから、抵抗感がすごい。でも、言うほどやめてほしいわけでもなく…複雑。

「や…ぁぅ」

 ゆるゆると勃ちかけていたものを撫でられた。つい、腰が揺れてしまう。

「クリス…っ」

 手を伸ばしたら捕まった。
 そのまま首に回されて、抱きつきながらキスをする。

「ん、んん」

 口の中、弱いんだってば。

「気持ちいいか?」
「ぅん」
「もっとよくしてやる」

 そう言って広げられた両足の間に体が入り込んで、濡れ始めてる先端を、後ろの窄まりにあてがった。

「ひぅ」

 先のほうがほんの少し入ってきて、口で息をついたとき、……俺のお腹が盛大に鳴った。

「……………」

 なにもこのタイミングで…。
 クリスも呆気にとられたような顔で俺を見て、ぷって、吹き出した。

「色気も何もないな」

 そう言いながら、口角に口づけてくる。

「仕方ない。これだけで許してやる」
「え…?…あ、あっ」

 クリスの手の中に俺のが収まった。クリスのそれと重ね合うように。それから、強く上下させてくる。

「ぁ、やぁっ」
「…っ」

 お互いのが熱すぎる。
 でも、気持ちがいい。

「クリス……クリスっ」

 それほど時間もかからず、二人分の体液で腹部が濡れていく。
 …後ろがヒクヒク蠢いてるけど、無視!

「綺麗にしたら着替えよう」

 クリスは、昨日俺の額を冷やしてたタオルで、身体を拭いてくれる。
 それからベッドを降りた。
 ……背中がかっこいい……。お尻だってキュって引き締まってて、筋肉質なのがよくわかる。

 ……やばい。また欲情してしまいそうだ。

 じっと見ていたら、クリスは自分の着替えを始めた。それからさっと髪をまとめてしまう。
 あ、そういえば、結局昨日は街に買い物に出れなかった。…行きたかったな、クリスと。

「アキ」

 ぼんやりしてたら、色々持ったクリスが目の前にいた。

「昨日お前が寝てる間に準備しておいたんだ」
「あ…。ありがと、クリス」

 受け取って着替えようとしたら、毛布を剥ぎ取られた。

「ちょ」
「黙ってろ」

 そう言って、そりゃあもう楽しそうに、俺の足を取り、下着らしきものを穿かせてきた。

「ちょっと、やだっ、自分でやる…!」

 抵抗虚しく赤ちゃんのように穿かされてしまった…。

「うううう…恥ずかしい……っ」
「俺は楽しい」

 ああ、やっぱり楽しいのか。
 クリスが選んだらしい下着は、ピッタリと肌に張り付くようなタイプで、トランクス派の自分としては落ち着かない。

 でも、クリスはとても満足そうに膨らみを撫でてくる。………勘弁して。それ以上は本当にやばくなるからっ。

「……クリスっ、寒いっ」
「ああ、すまんな」

 …やっと手を離してくれた。

 クリスは俺の背中に手を回し抱き起こすと、ベッドの上に座らせた。今度は肌着らしい。…この世界の衣服事情がよくわからないのだけど、肌着として着せられたものも、比較的ぴったり系。伸縮力はあって、暖かさもある。けど、とにかくピッタリしてて、乳首とかが、ものすごく気になる。

 それから、少しひらひら感のあるシャツを着せられ、綺麗な青色の長袖のジャケットのようなものと、同じ色のズボンを履かされた。ズボンは裾がすぼまっているものだった。

 うやうやしく足を持ち上げられて、靴下まで履かされたときには、何か特別なプレイでもさせられてるんじゃないかって思った…。
 …靴は、茶色のブーツ。よくサイズわかったな…。怖いくらいサイズピッタリだよ。服も、靴も。………怖い。まじで。

「アキ」

 満足げなクリスが俺の足元に跪いて、左手をとってきた。

「…なに?」

 そしたら、ポケットの中から包を出してきて、中身を俺の左手首に巻きつけ始めた。

「…ブレスレット?」
「お前に似合うと思ったんだ」

 左手を動かすと、微かにシャランて音がする。細い鎖に所々青色と黒色の宝石があしらわれていた。

 ……俺とクリスの色じゃん。

「ありがと、クリス。大事にする。……すごく、綺麗」

 何度も左手を動かす。
 なんだか、いつも傍にいるよ、って、言われてる気がする。

「……よかった。やはりよく似合う」

 目を細めて嬉しそうに笑う。
 俺も嬉しくて、クリスに抱きついて唇を重ねた。

「クリス、今朝の分、もらってない」
「アキ?」

 不思議そうにするクリスを、そのまま自分に引き寄せ、ベッドに倒れ込んだ。

「ん…んっ」

 唇を重ねて、舌を潜り込ませて、絡め合う。
 クリスも俺が何を欲しがってるのか理解したらしく、何度も舌を吸い上げ、唾液が流れ込んでくる。
 喉の奥に溜まったそれを飲み込んで、ゆっくりと唇を離した。
 クリスは離れきる前に、軽く音を立てて唇にキスをして、すぐに俺を抱き上げた。

「なに?」
「食堂に行こう」
「え?」
「俺が連れて行く」
「いや、歩けるし」
「だめ」

 クリスは何が何でもこのまま階下にいくようだ。
 ……諦めよう。抵抗しても無駄ってことは、もう学習した。
 でも、流石に、鼻歌交じりなことには声も出ない。



 ……俺の世話の焼き方とか、なんか、昨日と性格変わってませんか…?


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