女好きの親友に恋した僕と、女好きなのに親友に恋した俺の話

ゆずは

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お付き合いを始めることになりまして side:征人

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 エロ可愛かった。智大。
 自分で両足抱えて俺の目の前に全部曝け出しながら、涙目で入れてほしいとねだったり。くぱりとあいたアナルから、俺が出した精液がとろとろ流れ出してたり。
 ちゅーして…って舌っ足らずな言い方したり。
 おっぱい舐めてって言うから舐めしゃぶってたら、それだけで射精するし。俺が乳首から離れたら、自分でくりくり弄んでるし…。

「とにかくヤバいです。エロいです。あんなエロい子見たことないです」
「……おかしい。そんなふうに育てた覚えないのに」
「あー……、俺、ちょっと心当たりある……かも」

 少し遠い目をした啓さんに、俺も奏汰さんも視線を向けた。

「……俺が持ってるちょっとな本が時々見当たらなくなってたのと、ちーちゃんのスマホちょっと覗いたとき、電子書籍でそういうマンガ見てたんだよね……」
「げふっ」
「……そういう……?」

 俺が不思議そうな顔をしたからだと思うけど、啓さんは徐にスマホをいじり始めて、「はい」って俺に見せてきた。
 なんだろう…と思ってみたのだけど、見始めてポカンと口を開けていた。

「………はい?」
「多分、ちーちゃん、そういうの参考にしたんだよ…。……はぁ。もうかなり思い詰めてたんだなぁ…。気づいてあげれなかった……」

 手元の画面の中には、そりゃ見事な男性同士のセックスシーンが漫画として描かれていて。
 思わず凝視。
 あれか。あれだな。大丈夫。知識としてはある。こういうジャンル。
 これを?
 あの智大が?

「……エッロ……!!」
「パパの天使が……天使が……」

 智大、こういうの見て俺に抱かれるの想像してた?
 自分からお尻突き出して、手で広げて見せて、真っ赤な顔しながら『して…?』って言うの?智大が?
 俺の顔にあのプリプリのお尻乗っけて、『舐めて』って?

「あ゛」
「うわ」

 ……鼻血、でた。

「征人……っ、何してんの!?ほら、押さえて…!」
「あ゛~~……」

 啓さんのスマホが手元を離れた。
 でも、しっかり智大に置き換わった場面は、俺の中に残ってる。

「……おであのあおエロ天使のえおてんひお誘惑にゆうあくい耐えられるあえらえう自信ないですじしんらいれす
「……微妙に何言ってるのかわかるのが嫌だけど……」
「なんで啓までそんな本とかアプリとか持ってるの…。欲求不満なら僕に言えばいいじゃない……」

 奏汰さんはまた別のところでもダメージ食らってるらしい。

「僕の天使たちがエロい子たちに……」
「奏汰さんっ」
「…いくら好きな人に抱かれたいから、って、全く経験ないのにディルド挿れられることにも抵抗しないなんて…、よほどの覚悟だと思ってたけど、……まさか、まさかと思うけど、啓の本の中に調教物とかSM物とか混ざってた……?」
「あー………」

 泳ぐ。
 泳ぎまくる啓さんの目。

「あ………った、なぁ……。あは、は……」

 調教物……なんて言葉聞いたら、収まりかけてた鼻血がまた吹き出すとこだ。

「…智大、知識だけ詰め込んで、啓さんで補完したんですね…。紙テープ拘束も啓さん仕込み?」
「うーん……、まあ、ね」
「……紙テープバカにしてました。あれ凄かったっす……」
「紙テープ、案外丈夫だからね…」
「啓……」
「はいぃ!」
「今夜はそれで縛ろうか…。やっぱりお仕置きが必要みたいだから」
「う」

 奏汰さんの声低い…。
 今夜……今夜か……。

「あ……、あのっ」
「「なに?」」
「……智大の熱が引いてたら、その……、智大のこと抱いてもいいですか!?」
「はぁ!?」
「………なんで親にそんなこと宣言するの……。征人君は馬鹿なの…?ねえ、馬鹿なの?今どきの子ってみんなこうなの…?」
「や、あの、智大の保護者のお二人ですけど、でも、お医者さんと看護師さんなので、それで…っ」
「………ああ、そういう………」
「………医者だからって愛息子の性事情を聞かされる日が来るなんて………。今日は散々な日なんだけど……」

 だって、また間違うのは嫌だし。

「まあ…、熱が下がってだるさがなくて、腹痛もなくて食欲もあるなら、大丈夫だと思うけど……」
「ありがとうございます……!!」

 奏汰さんも啓さんもぐったりしてるけど。

「万が一体力的に問題ありそうだったら、全身舐めるのにとどめておきます…!!」
「げふんっ」
「……馬鹿だ」
「だって可愛いんですよ!?乳首だってピンク色だし、ふとももはプルプル震えるし……!!ペニスも綺麗な色で」

 興奮気味にそこまで口にしたところで、食卓のとこのドアが勢いよく開いた。
 何事!?ってそちらを見たら、寝てたはずの智大が、真っ赤な顔して立ってる。

「智大!?寝てなくていいの――――」
「なんでそんな恥ずかしいこと喋ってんの!?信じらんない!!まさのバカあああ!!!パパもけい君もキライ!!」
「え、智大!?」
「ちーちゃん!?」
「ちひろお!?」

 猛ダッシュで逃げていく智大。
 あ、元気そうだ。……なんて呑気に思ってる場合じゃないっ。

「智大!」

 行き先は部屋だろうから…って、部屋まで行ったけど、ドアが開かないね!?
 鍵、鍵だ…!

「智大!」
「僕、怒ったの……!!」
「智大、ごめん、謝るから…智大!」

 ドアを叩いてももう返事はなく。
 俺は項垂れて、反対側の壁に背中を預け、ズルズルと座り込んでいた。










*****
智大が不憫…(;^ω^)
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感想 4

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みんなの感想(4件)

みあ子
2022.07.11 みあ子

初めまして、テンポがよくて面白かったです☺️

是非続きを!
楽しみにしております!

2022.07.11 ゆずは

ありがとうございます!
な、なんとか、脳内にある続きを書き起こしていきますね……!!
がんばります……!!!

解除
rinchan
2022.03.07 rinchan

こちらは、初めて読ませて頂きました。
二日間の内容だけど、結構色々ありましたね(>_<)
読んでる読者としては、面白くて楽しかったです(*^-^*)
この先も読んでみたいです(*^^*)

2022.03.08 ゆずは

こちらまでありがとです^^

「勃たないんだよ!!」
って叫んで受けに泣きつく攻めが見たくて
書き始めたお話です。
智大の回で完結予定だったのですが、もう一つ情けない攻めを書きたくなって連載継続しましたが、魔法〜を書くのに集中してて、中々前に進みません(笑)
ちょっとずつ書いてるので、またよろしくです^^

解除
ミディ
2022.01.11 ミディ

連日の更新ありがとうございます!(*´∀`*)
まさか今日も読めるとは♪感激です!!!

ちょっと抜けてるカッコいい攻め・・・。
最高です!(*≧з≦)

智大に申し訳ないですが、征人と家族の赤裸々な会話、楽しく読ませていただきました!( *´艸`)

またまた、次話が楽しみになりました。
ゆっくりで大丈夫です。
楽しみに待たせてもらいます(*´∀`*)

2022.01.11 ゆずは

またまたありがとうございます^^

赤裸々会話中のパパの壊れ具合が好きです(笑)
智大の乱入だけを書きたかった回でした(笑)
次回更新までちょっとお待ち下さいね^^

解除

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