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親友をオカズにシてしまった side:征人
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しおりを挟む「……………………まじ………ですか」
「医者としてというよりは、人生の先輩としての助言だけどね。大好きな智大を……と思うと、父親としてはとても腹立たしいけど」
「う」
「まぁ、考えてみるといい。うーん……啓も戻ってこないから、とりあえず二人で食卓を片付けようか」
「はい」
「あ、遅くなりすぎないうちに、家に連絡を入れておきなさい。泊まっていくでしょ?」
「……はい」
泊まって……いいのかな。
「子供は深く考えるもんじゃないよ」
「子供だって考えるときは考えますよ」
「違いない!」
はは…って二人で笑いながら、食卓を片付けて。
改めておやすみなさいと伝えて、智大の部屋に戻った。
智大はまだ戻ってきてなくて。
さっさと家に電話した。
そしたら、どうせ智大のとこにいるんだと思ってたって、脳天気に答えられた。帰るときには電話よこせ、って。智大に迷惑かけるな、って小言のおまけ付き。
はいはい……って適当な返事をしながら、電話を切ってベッドに寝転んだ。
……智大の匂いだ。
「智大……」
智大の匂い…好きだな。
香水とかつけてないはずだから、純粋な体臭ってことになるのかな。それか、ボディーソープの匂いとか。
なんとなく、短パンの中に手を突っ込んだ。
奏汰さんとの話を証明するためとか、そんなんじゃ、なくて。ただ、なんとなく、したくて。
「…………ちひろ……」
もし、キスしたら。
奏汰さんと啓さんのキスシーンが、俺と智大に置き換わる。
「んっ」
しごく手の中で、ぐちゅぐちゅと音がし始めた。先走りで滑りもいい。
キスしたい。
女子としてたキスと同じのでいいのか?唇舐めて、開かせて、赤い舌にも吸い付いて。
「っ、」
どくりと、俺の息子が波打つ。
そういえば、智大の裸は見たことがない。いつもしっかりと服を着てるし。
俺が泊まるときも、絶対に寝乱れてなくて。
でも、半袖から伸びる腕は白くて細い。日焼けどこいった、ってくらい、白い。
乳首は何色なんだろう。
ペニスの形は?色は?味は?
「う、ぁっ」
手の中に、どろっとした精液が溢れた。
やけに濃い。
そりゃそうか。
ほぼ2ヶ月、全く抜いてないんだから。
手の中の白濁を眺めながら、親友を所謂おかずにしたのかという罪悪感と、やっぱりなっていう諦念が沸き起こる。
認めなきゃならないのか。
でも、認めたらどうなるんだ?
あいつに告る?
今までずっと、色んな女子に告られて付き合うことになったーって、報告してきたあいつに?
俺のだめなとこ、多分全部知ってるあいつに?
………全然、いい結果が思い浮かばない。
でも、身近で奏汰さんと啓さんを見てるから、男同士ってとこにはあまり拒否感がないだろうか。
とりあえず。
今は。
ぐっちゃりとした自分の右手をどうにかしよう。
待てど暮らせど戻ってこない智大。
俺はそのうち寝てしまったようだった。
その睡眠は、手に感じた異物によって中断したのだけど。
「……ん?な、んだ、これ?」
暗い。
目を開けても暗い。
それから、両手が頭の上で縛られて、どこか……おそらくベッドの頭んとことかにくくりつけられてるみたいで動けない。
目………これは、目隠し、か?
「………ごめん、ね」
泣き声の混じった、智大の声。
「智大、いたずらやめてこれとって」
手を動かせばギシギシ音がなる。
「……駄目」
ふわりと、智大の匂いが鼻腔をくすぐる。
唇に、何か温かい感触。
これは――――キス、だ。
え、なんで、って思ってる間に、智大の唇は離れてしまう。
あんなに願ってたのに。
舌を絡めることすらなく。
「女の子だと思って」
何を言ってるんだ。智大は智大だ。
「ちひろ」
「だめ。ゆうかちゃんでも、アヤカさんでも、みふゆちゃんでもいい。お願い」
……誰だ、その名前。
明らかに、女子の名前だけど。
うろたえてる間に、短パンが下着ごと脱がされた。
軽い……どころじゃないパニックになってる間に、俺の息子が、あたたかなものに包まれる。
「っ、ぁっ」
多分、それは口の中。
智大が、俺の息子をしゃぶってる。
やばい、見たい。見せて、お願いだから。
「ちひろっ」
舌が、丁寧に亀頭のクビレを舐めた。
多分、俺の息子、フル勃起だ。
ぴちゅ、じゅるって音が、卑猥。
手も拘束されて視界も奪われてると、やたら耳に来る。
……ああ、くそっ。気持いい。今まで女子にしてもらってたよりも、何倍も何十倍も気持ちがいい。
どこで覚えたのか、俺の息子は智大の喉の奥まで入ってる。喉の締め付けが、絶妙すぎて……癖になりそうで怖い。
「ちひろ、はなせ」
イってしまう。
でもちひろはやめない。
根本からじゅるじゅるっと吸われ上下されて、鈴口を舌先でほじられて……
「………っ、く……っ」
我慢など、できなかった。
射精してる間も、智大の口は離れない。時々、喉のなる音も聞こえてくる。
……のんで、いるんだ。俺が出したものを、全部。
「………っ」
「ほら……まさ、勃起だってするし、射精だってできるよ。……ごめんね。女の子のようにうまくはないかもしれないけど……、でも、今だけは、お願い。女の子だと思って?」
「だから……っ」
たっぷり出したはずの俺の息子は、多分また勃ち上がった。智大に、ゆっくりと舌で舐められて。
それから智大は口を離して、俺に跨ったらしい。
「ごめん……ごめんね……まさと……」
なんで泣くんだよ。
なんで謝るんだよ。
「お願い、誰でもいいから……女の子だと思って……」
なんで、女子のこと思い浮かべなきゃならないんだよ。
なんで智大じゃ駄目なんだよ。
智大の手が俺の勃起したペニスに添えられた。
それから、先端に、ピタリと吸い付くものが降りてくる。
「ん……んん……」
クプクプ言いながら、何かに入っていく。
そのたびに、智大からは堪えきれない甘い声が聞こえてきて。
まさか、と。
こんな、手を縛られてる状態で。
「あ、はぁ………ぁう……、あ、ご、めん、なさぃ……、こえ………聞いたら、や、だよね……ん、んん………」
泣きながら。
俺と繋がっていく智大。
「ん………んんんぅ………んんんっっ」
ビクンビクン震える智大の身体が、俺のペニスの上に完全に座り込んだ。
「ぅ………んん、んふ………」
ぽたりと腹に落ちてくるのは、多分、智大の、涙で。
もう、駄目だ。
「智大!!!」
渾身の力を込めて、俺は手を拘束していたものを引き千切った。
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