【SS】高貴な一族である僕が選んだ伯爵様は甘美すぎるお食事です

ゆずは

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僕の食糧の伯爵様は、とても甘くて美味しいの《中》

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 そして二日後の満月の夜。
 僕は少しの間お世話になっていたお屋敷を出た。
 お別れの挨拶はいらない。だってみんな、僕のことを覚えていないから。
 蝙蝠になって満月の光を浴びながらあのお屋敷に向かった。
 いつものテラスに降り立ったけど、何故か窓の鍵は開いていた。いつもしっかり施錠されてるのに(外しちゃうけどね)。
 そっと窓を開けたら、天蓋のむこうにあの人がいた。匂いでわかる。
 近づくと、まだ血を吸っていないのに、お尻がムズムズし始めた。
 天蓋を持ち上げて中の人を見たら、薄い肌掛けをかけて眠っていた。
 そろり…と肌掛けをはいだら、上だけじゃなくて下にも何もつけてなくて、僕と同じ裸だった。
 人族にはいろいろな人がいるから、これがこの人の眠るときの姿…ってことなのかな。今まで気づかなかった。
 ……でも、やっぱり格好いいなぁ。筋肉の付き方も、引き締まり方も、男を象徴する場所の大きさも、僕とは全然違う。
 じ……っと観察してたら、その人が首を動かした。いつも牙を突き刺す首筋が僕の目の前に晒される。
 ごく……って、喉を鳴らして、僕はその人の体に跨った。
 もし起きてしまったら、魔法を使えばいい。そしたら恋人だと思ってくれるかな?
 硬い腹筋の上にお尻を置いた。お尻からなにか出てきてお腹を濡らしてしまうけど、今はいいや。
 胸に手をつく。
 指で小さな突起をくりくりいじったら、腹筋が少しかたくなった。
 いつもより濃い甘くて頭がくらくらする匂い。
 首筋に鼻を当てて、すんすんと匂いを嗅ぐだけで、体が震えてしまう。
 いつものように『いただきます』って言う余裕もなくて、いつもの場所をぺろぺろ舐めてうっとりしながら牙を突き刺した。

「んんんっ」

 いつもより甘くて美味しい。
 体も熱くなって気持ちいい。
 ヌルヌルになったお尻を硬い腹筋に擦りつけるのも気持ちいい。

「は………っ、ん、んく」

 血、おいしい、もっと、もっと。
 あつい。
 きもちいい。

 夢中で血を吸って腰を揺らしていたけど、気がついたときには逞しい腕にがっしりと抱きしめられてた。

「やっと捕まえた」
「んぁ……っ、なに、なに…っ」
「満月の夜に飛び込んでくるとはな…。随分無防備な吸血鬼だ」
「ひぅん……」

 太い指が僕のお尻の中に入ってきた。

「はぅ……ん、んぅ、んくぅ」
「……堪らんな」
「ひぅっ!?」

 ずっぷりと太い指が僕のお尻に入ったまま、その人は腹筋だけで起き上がった。

「飲んでいろ」
「はぅ……っ、はん、ん、んん」

 僕は何がなんだかわからないまま、その人に軽く頭を首筋に押さえつけられた。だから、首筋を吸い続ける。
 甘くてとろとろで美味しくて。

「……小さい尻だな」
「あうんっ、ん、んんっ」

 両手でお尻を揉まれた。
 お尻の穴が開くたびに、とろとろと奥から一杯の何かが流れてくる。
 大きな手は僕のお尻をこれでもかってくらい揉んで広げて、持ち上げた。
 それから降ろされたのは、熱くて太くて硬い杭の上――――。

「きゃうっ、あ、あっ、あんっっ、ん、んく、んっ」

 ゆっくり降ろされる。
 広がったお尻の穴に、その杭がズブズブと入ってくる。

「ひ………ぁ、ぁ、ぁ」

 足がピンと突っ張った。
 なんか怖くなって、その人の、背中に腕を回した。
 ちゅぅってまた血を吸えば、頭の中がくらくらしてくる。
 お尻の中が火傷しそう……ってちらりと上を見たら、僕を見下ろす深い海のような青色の瞳とぶつかった。
 この人の瞳、こんなに綺麗な色をしてたんだ。
 首筋に噛み付いたまま、その瞳を見てた。そしたらその人はふ…っと笑って。お尻を持ち上げていた手を離した。

「~~!!!!?」

 ズブン……って、僕はその熱杭に一気にお腹の奥まで貫かれた。
 僕は声を出すこともできなくて、のけぞり震えてた。首筋から頭は離れてたし、足先はピクピク痙攣してる。
 ただ、お腹の奥が熱くて熱くて、仕方ない。

「精の前に潮を噴いたのか。……まさか、精通もしてないのか?」
「ぁ………、ぁ…、な、に……?」

 なに。
 何が起きてるの。
 お腹の奥がドクドクしてる。
 知らない。
 僕、こんなの知らない。

「気持ちいいか?」
「……きもち、いい」

 お腹の奥の熱。
 首筋の牙の跡から流れる赤い血。
 勿体ないの。
 流れてくる血を舐め取って、甘い匂いのする首筋にまた鼻をくっつける。

「吸え」
「んぅっ」

 頭を抑えられて促される。
 もうたくさん飲んだのに、喉がカラカラになっててまだ足りない。
 深く考えることができなくなって、促されるままに牙を首筋に食い込ませる。
 ちゅぅ…って吸ったら、お尻の中の熱杭がぐぐ…って大きくなった。

「媚薬だな」

 深い青色の瞳の人は、僕の両足を抱える。

「しっかり捕まってるんだ」
「んく…っ」

 背中に回した腕に力を入れた。
 その人は、僕を持ち上げて軽く腰を浮かせて、腰を激しく前後させた。

「んくぅぅ…!!?」
「く……っ」

 僕のお尻の中で熱杭が暴れてる。
 ごりゅごりゅこすられるたびに、僕の男の象徴からは、ぴゅくぴゅくって何かがでてる。

「ん、んんっ、んく、んぅ、んぁ、あ、ああっ」

 吸い続けられなくてぷは…って首筋から顔を離したら、足から片手が離れて頭を押さえつけられた。
 は……は……って口で息をする。流れてる血をぺろぺろするだけで、頭の中に霞がかかる。
 ぐりぐり…、ってお尻の奥を熱杭が穿つ。

「あ……、あ…、あん、ん、んんっ、やぁっ、あ、あつ、あつい」
「奥を開け。種付けだ」
「あ、あ、あ」

 耳元の低い声に腰が震えた。
 ごちゅんごちゅんって僕のお尻とその人の逞しい太ももがぶつかってる。
 体がぶるる…って震えたとき、僕のお尻の奥に熱杭が入った。

「ひっ」
「息を止めるな」
「ひあ、あ、あっ、ああっ」
「そうだ……いい子だ……!」
「ああああーー……!!!」

 すごく奥まで熱杭に穿たれた。
 ちろ…って僕の男の象徴から流れ出たものは熱くて止まらない。
 ぴくんぴくんって、痙攣してるけど、その人の動きは止まらない。お尻の、お腹の奥のに、熱杭がズッポリとハマってて、ぬけ落ちない。

「真名を教えろ」
「……ふぇ?」

 意識が飛びかけていたとき、低い声が耳元で響いた。


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