【完結】僕は夏の空色の青い瞳を見つめ続ける

ゆずは

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 物心ついたときから、ハルと一緒に寝てた。夜も朝も、ご飯も、『家』の手伝いも、お風呂も、全部全部ハルと一緒だった。
 同じ布団できゅって抱きしめられながら眠ると、嫌な夢なんか見なかった。
 ずっと、一緒。
 僕が小学校に通い始めてから、流石に自分の布団で寝たら、って、先生方に言われたけど、一人で眠ると夜中に怖くなって、結局ハルの布団に忍び込んでた。
 ハルはわかってるみたいで、追い出すことなく、いつもと同じように抱きしめてくれた。
 あの頃、何人いたっけ?
 部屋は基本四人部屋。
 女の子とは別の部屋で……、五部屋くらい使ってた?
 だいたい、歳の近い子同士で同じ部屋になるから、僕とハルは別々の部屋だった。
 ハルと同じ部屋だったお兄ちゃんは二人…いたかな?僕がハルのとこに行くと、「また来たか」って顔で出迎えてくれたし、自分の部屋にもどれとは言われなかった。
 ハルは僕の憧れだった。
 下の子たちが怖がる青色の瞳も、僕は何より好きだった。
 先生方も、お兄ちゃんやお姉ちゃんも、優しくて好きだったけど、ハルは特別だったから。
 だから、憧れが特別な好きに変わるのは、当然だったかもしれない。
 十歳の時に自覚した恋心。
 ハルも僕のことが好きだってわかって、すごく嬉しかった。
 それから、見つからないようにこっそり唇を合わせた。
 子供の戯れのような触れるだけのそれ。
 でも、僕はすごくドキドキして……、いつも顔を真っ赤にしてた。
 ハルと秘密の関係はずっと続いてて、ハルが大学進学と同時に一人暮らしを始めたときにキスだけじゃなくて、抱かれた。そしたらもっと好きになった。
 それからは週末になるとハルの家に泊まった。
 とことん甘やかされて、とろとろにされた。
 日曜に『家』に帰っても、ハルがそばにいない事が寂しくて切なくて、毎回日曜の夜は眠れなくなる。
 月曜日になれば少しマシになって、眠れるけど。
 ハルの体温が恋しい。
 今すぐ『家』を出てハルと一緒に暮らしたい。
 僕の世界はハルで完結してるから。
 ハルがいない世界なんて考えられない。
 ハルは…、僕の全てだから。


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