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十一幕 イヴ*4
しおりを挟むアデラール様はとにかく可愛らしくて綺麗で美しい人だ。
「あ、あん、あんんっ、いゔ、いゔ、もっと……もっとっ」
「アデラール様……アデラール様……!!」
「あうんんん」
途中で体に飛んだ白濁も潮も、じわりじわりと滲む汗も、全身を綺麗にすることはできたけれど、なんだか勿体ないと思って、そのままアデラール様の開花した花弁のようなその場所に僕のペニスを挿入した。
……もちろん、正常位だ。
涙やよだれでぐちゃぐちゃになったアデラール様の顔を見ながらしたかったし、ぎゅっと抱きしめられながら、抱きしめながら、したかったから。
潮を噴いたアデラール様は、蕾どころか全身から力が抜けていた。
とろりとした目元で僕を見て、半開きの口からは舌を覗かせる。
卑猥で、淫靡で、美しい人。
ふと、何も確認しなかったけれど、僕が抱く方で良かったんだろうか、と思った。……アデラール様が僕を抱きたいとおっしゃったなら、僕はそれでもよかったのだけど。
……でも、挿れたい衝動は抑えられなかったから、お伺いは次回以降にしよう。
ペニスの先がアデラール様の奥の窄まりにあたる。
僕は一旦体を起こして、両手があいて不満そうに僕を見るアデラール様を見下ろした。
上気した頬と体。
赤く尖って熟れた果実のような乳首。
白い肌に散らばるキスマークにこらえきれずつけてしまった噛み跡。
体液に濡れそぼった薄い下生えは、髪色と同じ黒色。
何度も達してゆるく頭をもたげてるだけのペニスはピンク色で花茎という言葉がよく似合う。
そして、僕のペニスを思い切り咥え込んで離さない、目一杯広げられたアナル。
……ああ、すごい。
本当にアデラール様を抱いてる。
アデラール様の中に僕が埋まってる。
「いゔ………いゔぅ……」
手を伸ばして切なそうに僕を呼ぶ声に、心臓が鷲掴みされたような痛みを訴えた。
可愛い…!!
可愛い、可愛い、可愛い……!!!!
「アデラール様……!!!」
僕だけのアデラール様。
「ひん……!!!」
「大好きです……愛してます、愛してます……!!」
「ひ、ひっ、あ、あ…っ、お、っきぃ、いゔ、おっきく、しないで…ぇ…っ」
「無理です。奥に……入ります…っ」
緩みかけていた奥の窄まりに、腰を揺らめかせながら、下腹部をわずかに圧迫させながら、僕のペニスの先端が入り込んだ。
「ーーーーっっ!!!」
声も出せないままのけぞるアデラール様。
白濁ではなくさらさらの液体が、アデラール様の花茎からプシっと飛び散った。
「あ、ああ、ああっ、あん、あんっ」
「アデラール様……、アデラール様……、……っ」
「いゔ……っ、あ……ぁんんっ、い、いい、いく、また、いくぅぅっ」
「僕もです……アデラール様…………アデル様……!!」
ガツガツと腰を打ち付けて、最奥を何度も突き上げる。
アデラール様の尻と僕の下腹部が、これでもかと打ち合い、パンパンと弾けるような音が部屋に響いた。
「い………あ、ああー…………!!!」
「っ」
どろどろの体を抱きしめ合いながら、僕たちの身体の間でアデラール様が放った熱い体液を感じ、アデラール様の最奥で僕は我慢し続けた熱を弾けさせた。
「あ………あついぃ……」
射精が中々止まらない。
その間もアデラール様はイき続けているようで、ビクンビクンと体を震わせながら僕のペニスを熱い内腔で締め付けてきた。
愛しい人の中で果てることがこれほどまでに甘美だなんて。僕はそんなこと何も知らなかった。
「アデル様……もっと……っ」
「ひぁぁ」
種が尽きるまで注ぎたい。
アデラール様をもっとトロトロにドロドロにしたい。
僕はそんな欲求のまま、アデラール様を抱き続けた。
時々、アデラール様に口移しで果実水を飲ませた。
不快かと思い、ベッドや体にも浄化魔法をかけて綺麗にした。
けど、ペニスは抜かなかった。僕が注いだ子種も消すことはしなかった。
ほんの少し腰を引いていくと、僕が放った白濁が隙間からこぼれ落ち、それを見ながら突き上げるたび、白濁が泡立つ。それをみるとなおさら興奮した。
引いていたカーテンの隙間から柔らかな日差しが入ってきても、僕はアデラール様を解放することができなかった。
アデラール様は時々意識を飛ばしてしまうから、その間だけは僕も軽くだけ仮眠を取ったけど。
……種が尽きるまで抱くと決めたけど、何故か尽きる様子がない。僕、そんなに精力化け物だったかしら?
でも、アデラール様を愛するためなのだから、きっとこれでいいんだ。
明るくなって、薄暗くなって、夜の帳が落ちてまた明るくなる。
水分だけじゃなくて食事も摂らないとアデラール様が痩せてしまうから、日に何度かは台所に向かって温かいスープを用意したり、インベントリに入れておいた食事を摂ったりした。
もちろん、アデラール様とは繋がったままだ。
落ちないように魔法で拘束もした。
台所と寝室の移動は全部転移魔法を使ったけど、台所では少しは歩くから、その間下から突き上げると子猫のような鳴き声を出して漏らしたりしてた。
………そんな蜜月を過ごしていた僕がペニスをアデラール様の中から抜いたのは、初夜から三日目の朝のことだった。
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