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★番外編:腐男子令息は己を知る
しおりを挟む僕の婚約者になったワルド君は、男前でご立派な一物の持ち主。
数年かけて蓄えた性知識を僕の体で実践・再現していく。
それに、イケメン男前一物持ち付随の抜かず朝まで絶倫属性もお持ちだ。なんて羨ましい体力。
絶倫ぶりってのは、流石に隠れ庭園では拝めない。流石にお昼休憩の時間だけじゃ足りないからね。
でもまさか僕が自分の体で体験するとは思ってなかったけど。
「わ………るど、く、ん、も……、むり、むり……」
「はぁ……。もうだめ?まだ時間そんなに経ってないけど」
僕を後ろから揺さぶってたワルド君。
……時間経ってない、って、そんなことない。
始めたのは消灯後すぐ。
今は……カーテンの向こうが少し明るくなってきてるんだけど。何がどうなって時間が経ってないとか言うのかな。ワルド君の時間認知機能がおかしくなったのかな?
「もう少し。だめか?」
「だめぇ……おなか、いっぱぃ……っ」
「仕方ないな」
笑うワルド君。
僕はちょっとほっとする。
ワルド君が少しずつ腰を引いていく。
恐ろしいことに、僕のお腹を少しだけ膨らませるほど射精したというのに、ワルド君の男前一物はまだその存在感を示してる。
僕の婚約者、一体どれだけ絶倫だというの。僕、怖すぎるんだけど。
でもとりあえず今日は、……今回は?これで終われる……って気を抜いた瞬間、抜かれていたはずの男前一物が、僕の奥目指して一気に出戻りしてきた。
「~~~~!?」
声も出ないとはこのことだ。
再びぴったり重なる僕のお尻とワルド君の下腹部。
「お前ん中気持ち良すぎ」
「んううう」
終わらないの!?
仕方ない、って言ったのに!
あれって、仕方ないから終わってやる、の意味じゃなかったの!?
「わるどくん…っ」
「暴れんなよ」
深く深く僕の中に男前一物を突き刺したまま、ワルド君は僕の両膝をすくい上げ、腕力で僕を持ち上げた。
「ひゃ……!?」
「あー……結構腕に来るな。体、俺に預けて。……うん、そう。力抜いてな」
「あ、やめ、やめっ」
「やめない。風呂行こう」
「あるく、あるくから……っ、やぁぁんん!!」
ワルド君、そのままベッドを降りた。
綺麗な筋肉の付いたイケメンだとは思っていたけど、こんな状態で持ち運べるほどの腕力あるってことで。すごいよワルド君!
いや、待って。
称賛してる場合じゃないよ、僕…!!
「だめっ、あっ、や、おろ、してっ、おく、おく、あたる、あた、ってる…!!」
「ああ。気持ちいいな」
「あ、や、やっ」
歩く度に、ずん、ずん、って、奥に衝撃が。
何回も何回も大量に注がれてる精液で、ずんずんするたびに、ぐちゅ、ぐちゅ、って水音もしてる。
「わ、るどく、ん、でる、でちゃぅ…っ」
正直、絶倫属性なんて持ち合わせてない僕は、もうとっくに種が尽きてる。この場合の出る感覚は、射精がとかそんなやさしいものじゃないことを、経験上知ってる。
「手で抑えろ」
「うう~~っ」
何が何でもおろしてくれない。
恥ずかしいやらなんやらで泣きそうになりながら、僕は自分のやわく勃起したものを両手で握り込んだ。
「ふぅ……っ、ぅっ、ん、んううっ」
「我慢してるお前も可愛いな」
……なんて!
そんなこと言われても嬉しくない!
……嬉しくなんてない……!
……嬉しくなんてない……ことも、ないような、気がしなくも……ない。
うう。
僕の頭の中もなんか駄目になった気がする……。
込み上げてくるものをなんとか両手でせき止めてる間に、浴室についた。……短い距離なのにものすごく長い時間歩かれてた気がするのはなんで。
浴室について器用にドアを開けたワルド君。
やっとおろしてもらえる…って思ったら、鏡の前で立ち止まった。
「わるど、くん?」
「手、離して」
「手…?」
「風呂場だから何が漏れてもいいだろ?」
「んう」
「ペニスから手を離して。そのまま俺の腕にしがみつきな?」
後ろから耳に吹き込まれる声。
耳も性感帯だと知ってから、いつまいつも耳元で話される。
僕はワルド君の声に従ってしまう。
僕のやわ勃起ペニスから手を離す。それから僕の膝を抱えるワルド君の腕に手を絡めた。
それを見たワルド君は、思い切り腰を突き上げ始める。
「ひんん……!!!」
僕はその揺さぶりに振り子のようになった。振り子は完全にワルド君に動きを支配されてる。
「前見ろよ」
イケメン絶倫の耐力は本当に半端ないな……って心中喘いでいたらそんなことを言われて、自然と閉じてた目を開けたら、目の前の鏡に僕たちが映ってた。
……てか!
こんな、立ったままの姿がもろ見れるくらい大きな鏡が浴室に必要なのかな!?かなり今更だけど!!
「や……っ」
「他人の見るのはよくて自分のは恥ずかしいわけ?」
「あ、れは、しゅみ、だから…っ」
「趣味ねぇ……。まあ、とにかく、自分のイキ顔と恥ずかしい姿、ちゃんと目に焼き付けておけよ?」
「ひ……っ」
……すごく、よく、見える。
シャワーも出してないから、湯けむりで曇ることもない鏡。
僕の赤くなったアナルに、僕の手首くらいありそうな太くてゴツゴツした赤黒い男前一物が無遠慮に出入りしてる。
そこで泡立ってるのは、中に出されたワルド君の精液。……ああ、こんな表記見たことある。
僕の顔。
口を開けて、よだれ垂らして……目が、はーと、だ。ああ……だらしない顔になってる。でも、戻れない。
振り子のように体が動く。そのたびに僕のやわ勃起ペニスも揺れる。
奥を突かれるたびに、お腹の奥から込み上げてくる。
射精じゃないこれは。
「あ、だめ、でる、でるぅ…っ」
「出せよ」
「ひんんー……!!!」
僕のやわ勃起ペニスから飛沫が上がった。一度、二度。プシャって音がしそうなものが。
でもワルド君の腰つきが止まらない。
だから、また、来る。
…今度は、しっかり、放物線を描く、それが。
「ひん……っ、あ、や、ぁ、んんー……っ」
漏らしちゃった。
シャワー出してないから、床を流れていくこともない。しながら揺らされてるから、鏡にも壁にも体にもかかる。
ぶるり…と体が震えたとき、一層強く奥をえぐられて、そこに熱いものがかけられた。
「……っ、ふ」
ワルド君もわずかに震える。
けどそれは僕のとは違う。最後の一滴まで僕に注ぐ震えだ。
はぁ…はぁ…って、二人の息が混ざる。
……独特の匂いが嫌。漏らしちゃった事実を僕に突きつけてくる。
ワルド君は僕をゆっくり床におろした。
まだ一物が入ったままだけど、片手で体を支えて、片手でシャワーの操作をする。
すぐに流れてくる丁度いいお湯。
湯けむりが立ち込めて鏡は曇っていく。
「……可愛い」
「…………そればっか」
「だって、可愛い」
「ん…っ」
「噛んで抓ってってねだってる乳首が可愛い。俺の子種で腹を膨らませてるのも可愛い。尻びくびくさせてんのも可愛い。でていくなって舐めるように締め付けてくる襞も可愛い。ぷっくり腫れたアナルも可愛い。潮吹きできるピンクのペニスも可愛い。イきながら漏らすのも可愛い。よだれ垂らしながらよがる顔も可愛い。……もうお前の全部が可愛い。可愛すぎる」
……可愛いの情報過多すぎる!
「もう……はなれて……っ」
「いやだ」
「も、できなぃっ」
「俺はできる」
「ワルド君のことは聞いてない!」
「……照れて真っ赤になって俺のこと好きっていうお前が一番可愛い」
「もう~~~っ、何言ってんのさ……!!」
そんなん言われたら、ますます赤くなるんだけど……!!
赦してしまいたくなるんだけど……!!
案の定?
ワルド君の可愛い口撃に打ちのめされた僕は、風呂場でも散々泣かされる羽目になった。
……そして、ふと思う。
時々意識を飛ばしつつも、結局はワルド君に付き合ってられる僕も、ある意味十分絶倫の体力おばけなんじゃないだろうか………て。
*****
そうだね……(;・∀・)
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