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★case05:好き勝手やったあとの気不味い朝?
しおりを挟む翌朝。
目が覚めたらイケメン君のベッドでイケメン君に囲われるように抱きしめられてた。
すげぇ。
これ、朝チュンとかいうやつではないか。
いつ寝たか覚えてない。
最後にお風呂に入った記憶もない。
けど、自分の体がどろどろしてない。
……スパダリによる意識無くした受け君の体を隅々まで清める定番のあれを、僕がされたということかな。ん。普通に恥ずかしいな、これ。
「…ぃ、っ」
動こうとしたら体のあちこちがズキズキした。ついでにお尻の奥も外側も、ぴりぴりずきずき痛い。
……そりゃそうか。いくら解してたと言っても、あんな巨根をずっとぱこぱこされてたら、アナルだって悲鳴を上げるはずだ。それに体。がっぱり足を開かされるし、胸につくくらい押されるし、僕あんなに体柔らかかったっけ?ってくらい、いろんなかたちにされたんだから、痛くて当然だ……。
でも、動かなきゃ。今日は休みだから学校に行く支度は必要ないけど、いつまでも裸はいたたまれないし、なんとなく気不味い。
イケメン君は……ぐっすり眠ってる。こういう場合、狸寝入りが多いはず。抜け出そう、悪戯しようとした瞬間、その腕に捕らわれるんだ。そして早朝から昨夜の続きに……。
あんなの朝もされたら、僕が死ぬんじゃないかな?
……ん。よし。起こさない。触らない。いじらない。僕の本能がやめておけと警告を出してるから。
腕の中でじっとしてることを選んだ。
人間、ずっと同じ姿勢で寝ることは無理。睡眠中に何度化寝返りをするものだ。それがチャンス。
「………」
息を潜めてただじっとイケメン君を観察する。
イケメン君は睫毛も長い。
唇は少し薄め。
……そういえば、あれだけ僕の中を好き勝手したのに、キス、しなかったなぁ。
…………てかさ、気持ちよかったけど、あれ、アナニーじゃないね?完全な交遊だったね!?イケメン君、アナニー手伝ってやるって言ったけど、手伝ってもらってる段階でそれはもうアナニーじゃなかったね!?
なんてこと……。
あまりの気持ちよさにうっかりしてた。
しかも途中、思考がかなりピンクに染まっていたような……?
……大変だ。
僕は腐男子だけど、別に抱かれたいとか思ってるわけではないのだ。趣味はアナニーだけど、別に抱か…(以下略) ううう。
学院を出て1、2年も経てば、親が適度な婚姻を決めてくれると思ってた。多分女性で、僕の趣味に共感してくれる人だとなおいいと思ってた。
学院卒業までに……いや、結婚までに童貞卒業できる気はしなかったけど、まさか処女喪失のほうが早かったなんて……。
しかも、あんなにすごい快感を覚えちゃったら、僕、女性を抱く…なんて、できないかも……?
思考の海に浸っているときもずっとイケメン君を見てた。ひたすらずっと。だから、イケメン君が目を覚ましたとき、ばっちり真正面から視線が合った。
「あ」
何を言えばいい。
お互いに酔ってたわけじゃないから(学院生なんだから当たり前なんだけど!)、何があったのかはきっぱり全部鮮明に覚えてる。
……や、僕の記憶は、ちょっと曖昧なところもあるのだけど……。
「あの」
「おはよう」
「あ、おは、よ」
「……」
じ…っと見てくるイケメン君。
なに。どうしたらいいの、僕。
ドキドキしてたら、イケメン君は眠そうな据わった目のまま、僕をさくっとうつ伏せにした。
「えっ」
「見せて」
何を!
って問う前に、お尻を両手で割り開き、ぴりぴりしてるアナルを露出させた。
「ひん…っ」
べろり
温かくて濡れた舌が、僕のアナルを舐めた。
尖らせた舌先でつんつんと突かれてると、じわっとアナルが開いてく。なぜっ。
「わ、わるど、くん…っ!!」
「……赤くなってる」
そ、そりゃ、そりゃっ、あんなにされたら、赤くもなってる……と、思うっ。自分じゃ見えないけど!
「ちょっと待ってて」
「え?」
イケメン君が突然ベッドを出た。
素っ裸。
わぁ。
朝の半勃ちペニスは大きくて長くてご立派。さすが巨根……って、念願のペニスの全貌拝めちゃったよ……!次は是非完勃ちペニスを見せてほしい…!!
やばい。
心臓くるしい。
そっか…。
僕、あのご立派ペニスに泣かされたんだ。
すごいぞ、僕のアナル。あんなのよく咥え込んだな。
イケメン君、お尻も完璧だ。きゅって引き締まった綺麗なお尻。柔らかさはなさそうな『抱く側』のお尻。眼福。
「……何見てんだよ」
「えと……、お尻と、ペニス?」
「……っ、お前なぁ……っ」
なんかもう遠慮とかしなくていい気がする。これが一線を超えてしまった余裕というやつか。はたまた開き直りか。
「そのまま腰上げろ」
「え、無理」
「は?なんで」
「……だって」
「今更恥ずかしいとか言う?」
「…………腰と股関節痛くて、動けない」
「っ」
うつ伏せにされてから身動き取れないんだよ。ふふ。僕、今きっと貴重な体験中だ。
「……悪かったよ。薬塗るから動くなよ」
「……動けないし」
「っ、手足は動かせるだろっ。嫌がって俺のこと蹴るなよ殴るなよ」
「僕、そんな力ないよ」
「知ってる!」
なら言うな。
「塗るからな」
「ん」
薬、冷たいのかな。
というか、なんの薬だろう。
アナルに塗る専用の薬なら、用意が良すぎるんじゃないかな。……あ、そっか。僕以外にもそういう相手がいるから用意してあるんだ。
……なるほど。
この事実と思わしき事柄に対して僕の胸がズキっと痛むのは、気の所為じゃない。これはあれだ。何度だって読んだ。恋の予兆だ。……僕は一度(ではないが)の交遊で、このイケメン君に心奪われたということなんだろうか。そうじゃなかったらこの『ズキ』にたいする名前がつけられない。
困った……。
って内心ため息をついていたら、また、アナルが舐められた。
「くすり…!?」
「ん」
舌が、舌がっ。さっきより確実にアナルに入ってくる。べろべろと内側の襞を舐められてる。
「やん…っ」
うつ伏せなんだよ。僕のペニスは僕の体に押しつぶされてるんだよ。少しでも勃起したら折れて痛いんだよ…!
はふはふ悶えてたら、舌が抜かれて、今度はぬるりとした太い指だった。
今度こそ薬を塗ってるようだけど、片手でアナルを押し広げた上で、襞に満遍なく塗り込めるようにぐりゅぐりゅ中で回されてる。
「あん、あんっ」
……やっばい。気持ちいい!
「っ、我慢しろって、言っただろ…っ」
「そん、なのっ、あっ、あっっ」
「ああ、もう……っ」
怒られたって気持ちいいのはいいんだから仕方ないじゃん!
文句を言い返そうとしたけど、言えなかった。
指が荒々しく抜けて、少しして硬くて太いのがぬりゅりと入ってきたから。
「ひあ!?」
「奥まで塗り込んでやるっ」
「え、ちょ、ちょっと、ま、まって……ぇ!!」
このイケメン君、なんかネジ飛んでない!?
体あちこち痛くて満足に動けなくて、ヤりすぎでアナルが腫れて痛いって言ってるのに、そこにまたガチガチのペニスいれるって、どゆこと!?
「あ、あ、あふ、あっ」
しかもこれ寝バックとかいうやつ!
だから、僕のペニスが痛いやつ!
「っく」
「あ………あ………あ………」
痛い。
気持ちいい。
ごちゃごちゃ。
ふぅふぅって、背中側から聞こえてくる。イケメン君がすごく興奮してる。
「っ」
思ったほど激しくはなくて、とてもゆっくり長めのストロークだった。奥まで届いてるのは確かだけど。
「っ、っ」
僕の中でペニスが震える。
その瞬間、勢いつけて抜かれた。
「ひぁっ、あ!!」
「…っ」
ぼたぼたと、背中に熱い飛沫がかかる。シーツと僕の体の間も、じわっと熱く濡れた。
「……獣かよ……っ」
「……僕?」
「俺!」
あ、イケメン君の自嘲の呟きだったのか。ごめんね。変な返事しちゃって。
「……あのね、わるどくん」
「なに?」
「……ぼく、ねる」
一応宣言しておこう。
寝るというか、あれだ。
色々体力使って限界で、意識をなくすやつ。
わざわざ宣言した僕は偉い。
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