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ゼートランド王国の騎士、レイル登場1
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レイルと名乗った青年は谷間の黄金竜夫妻の知り合いとのことだった。
揃って住まいである洞窟に移動をすると、人の姿をした夫妻が笑顔でレイルを出迎えた。
「本当に知り合いだったんですね」
わたしは感心しきりで呟いた。
「たまにやってくる客人なんだよ、彼は」
ミゼルはそう言うけれど、ここって人間の国ではない、竜の領域であるドランブルーグ山岳地域・不可侵山脈、通称竜の領域だよね。端っことはいえおいそれと普通の人間が遊びに来れるところでもないはずなんだけど。
「俺の連れが移動魔法を使えるから。一応俺も。いつも一緒に使ってる」
移動魔法は高等魔法の一つだ。上級魔法使いでないと使うことができない。もちろん魔法学校を卒業しただけのわたしにはまだ無理で。
魔法学校で習う魔法ではそこまで習わない。卒業した生徒たちはその後、自分たちの身分に合わせて身の振り方を決める。魔法学校を卒業して魔法研究機関へ進んで初めて移動魔法を習うのだが、使うに足りる魔力が無いと発動しない。
「あなたもあなたの連れすごいのね。移動魔法は難しいのに」
「魔法、詳しんだな」
わたしは口をぴたりと噤んだ。
ううう、しまった。ついうっかり。これからは魔法とは無縁の生活を送ろうと思っていたのに。
「えええと、まあなんていうか。物の本に書いてあったのよ」
わたしは明後日の方向を見ながらお茶を飲む。
今日は天気が良いので洞窟の前にある開けたスペースにテーブルを設え、優雅に屋外でティータイム。
「それよりも、あなたはどうして黄金竜の夫婦と親しいの?」
わたしはもっともな疑問を口にした。
「それはねー」
「レイルが実は」
「うわっ。おまえたち、そういう人の個人情報はおいそれと口にしたら駄目だろう」
双子竜が嬉々として口を開いたのをレイルが慌てて制する。
二人ともまだ人間の姿のままだが、そろそろ限界なのかファーナのスカートの裾からしっぽが見えているし、フェイルも同じく、ズボンが破れてしっぽが飛び出している。人間の男の子からしっぽが生えてるってなかなかにシュールな光景だ。
「どうしてぇ?」
「どうしても、だ」
レイルの慌てようを見てわたしはなんとなく察した。
きっと高貴なる身の上の、お忍びなのだろう。きっと貴族階級で、おそらくは王宮に仕えている騎士。それが竜の住まいを訪れているということは、要するに自分の仕える王室に、もしかしたら主への加護を求めているのかもしれない。
竜は時折気まぐれを起こして個人に加護を与えることがあるから。
たとえば国のピンチの時。侵略されて絶体絶命な王子様が人好きの黄金竜に助けてもらって国を奪い返したとか。こういうとき人はその王子のことを「竜の知己」と呼ぶ。ちなみに女性だと「竜の乙女」。
この「竜の乙女」に選ばれることがゲームのヒロイン、フローレンスの隠れスキルだったなあとわたしは設定を思い出す。
「子供たち。駄目よ、勝手に人の個人的な話をしては」
レイアのやんわりとした声に双子たちは不承不承口を閉ざした。
ぴたりとやんだ声にレイアが微苦笑をして、こちらに顔を向ける。
「レイルはゼートランド王国出身の騎士よ。なかなかに冒険心にあふれる若者で、わたくしたちも退屈をしていたから友達になったの」
「そうですか」
説明になっているような、なっていないような。
要するに暇だったんですね。でもまあ今の説明でレイルがゼートランド出身だということが分かった。
わたしは頭の中にこの世界の地図を描く。今いるドランブルーグ山岳地域・不可侵山脈から見て南東に位置する王国でわたしの生まれ育ったシュタインハルツとは国境を有していない。レイルが別の国の出身でわたしは安堵した。
「俺としてもここに来るのはいい息抜きになっているんだ」
レイルはにっと笑った。
人好きのする笑顔。わたしの元婚約者ヴァイオレンツのような怜悧な美貌ではなく、彼は人懐こい、わんこのような雰囲気を持っている。って、一応年上っぽい男性にこの評価は失礼か。ごめんと心の中で謝っておく。
「ふうん。魔法の使える騎士さんってわけね」
「……まあね」
彼は笑顔のまま肯定したが、それ以上のことは言うつもりが無いらしい。
笑顔を張り付かせたままの顔でこちらを見つめてくる。
「で、きみはどうしてミゼル夫妻のところへ?」
と、今度はレイルからの質問。そりゃそうだろう。竜の住まいを訪れたら人間の客人が板のだから。人がおいそれとやって来れる場所ではないことは彼も十分に知っているらしい。
「一応、彼らの住まいだからな。人払いの結界が張られているんだ」
「そうなの」
わたしはレイアに視線を移した。
「そうねえ。わたくしたちも子育て中だし」
レイアは首を少しだけ傾けて微笑んだ。
「実はレイルを最初に見つけたのは子供たちだったの。最近、本当にやんちゃになってきて」
「竜の住まいを訪れようと試行錯誤をしていたらある日ちびっこ竜が目の前に現れたんだ」
レイルが補足する。
「人間がめずらしかったんだもんー」
「ねー」
フェイルとファーナがそれぞれ言い添える。好奇心旺盛な双子竜たちに導かれてこの住まいに招かれたのはわたしと一緒ということらしい。まあわたしよりもレイルの方が穏便だったのだろうけど。
「わたしも似たようなものよ。旅をしていたらフェイルとファーナに拾われたの」
「なるほど」
あ、このざっくり説明でいいんだ。
まあ詳しく説明するのも面倒だったし楽だけど。
「リジーは行き先も未定だったからしばらくここに留まって、子供たちの面倒を見てもらおうと思っているの。子供たちもリジーによく懐いているから」
「物は言いようですよね」
懐くっていうか、完全に新しいおもちゃ扱いされていますけどね。
わたしの乾いた突っ込みを華麗にスルーするレイア。これ完全にわざとだよね。わたしの強い視線を彼女はなおもそらっととぼける。
「だってね! レイルが教えてくれたんだよぅ」
「何を?」
フェイルがわたしのスカートのすそを引っ張る。
「竜とお友達になった人間は、竜の背中に乗って空を飛ぶって!」
「だからわたしたちリジーを背中に乗せてお空をびゅーんって飛びたかったの!」
「僕とリジーはお友達でしょう?」
「わたしとリジーはなかよしさんでしょう! 一緒に元気よく遊ぶのがお友達って、レイル言ってたよ!」
子供たちは一生懸命話し始める。
どうやら先ほどのフォローのようだ。二人なりに理由があったらしい。
って、あんたの入れ知恵か!
わたしはレイルの方をキッと睨みつけた。
揃って住まいである洞窟に移動をすると、人の姿をした夫妻が笑顔でレイルを出迎えた。
「本当に知り合いだったんですね」
わたしは感心しきりで呟いた。
「たまにやってくる客人なんだよ、彼は」
ミゼルはそう言うけれど、ここって人間の国ではない、竜の領域であるドランブルーグ山岳地域・不可侵山脈、通称竜の領域だよね。端っことはいえおいそれと普通の人間が遊びに来れるところでもないはずなんだけど。
「俺の連れが移動魔法を使えるから。一応俺も。いつも一緒に使ってる」
移動魔法は高等魔法の一つだ。上級魔法使いでないと使うことができない。もちろん魔法学校を卒業しただけのわたしにはまだ無理で。
魔法学校で習う魔法ではそこまで習わない。卒業した生徒たちはその後、自分たちの身分に合わせて身の振り方を決める。魔法学校を卒業して魔法研究機関へ進んで初めて移動魔法を習うのだが、使うに足りる魔力が無いと発動しない。
「あなたもあなたの連れすごいのね。移動魔法は難しいのに」
「魔法、詳しんだな」
わたしは口をぴたりと噤んだ。
ううう、しまった。ついうっかり。これからは魔法とは無縁の生活を送ろうと思っていたのに。
「えええと、まあなんていうか。物の本に書いてあったのよ」
わたしは明後日の方向を見ながらお茶を飲む。
今日は天気が良いので洞窟の前にある開けたスペースにテーブルを設え、優雅に屋外でティータイム。
「それよりも、あなたはどうして黄金竜の夫婦と親しいの?」
わたしはもっともな疑問を口にした。
「それはねー」
「レイルが実は」
「うわっ。おまえたち、そういう人の個人情報はおいそれと口にしたら駄目だろう」
双子竜が嬉々として口を開いたのをレイルが慌てて制する。
二人ともまだ人間の姿のままだが、そろそろ限界なのかファーナのスカートの裾からしっぽが見えているし、フェイルも同じく、ズボンが破れてしっぽが飛び出している。人間の男の子からしっぽが生えてるってなかなかにシュールな光景だ。
「どうしてぇ?」
「どうしても、だ」
レイルの慌てようを見てわたしはなんとなく察した。
きっと高貴なる身の上の、お忍びなのだろう。きっと貴族階級で、おそらくは王宮に仕えている騎士。それが竜の住まいを訪れているということは、要するに自分の仕える王室に、もしかしたら主への加護を求めているのかもしれない。
竜は時折気まぐれを起こして個人に加護を与えることがあるから。
たとえば国のピンチの時。侵略されて絶体絶命な王子様が人好きの黄金竜に助けてもらって国を奪い返したとか。こういうとき人はその王子のことを「竜の知己」と呼ぶ。ちなみに女性だと「竜の乙女」。
この「竜の乙女」に選ばれることがゲームのヒロイン、フローレンスの隠れスキルだったなあとわたしは設定を思い出す。
「子供たち。駄目よ、勝手に人の個人的な話をしては」
レイアのやんわりとした声に双子たちは不承不承口を閉ざした。
ぴたりとやんだ声にレイアが微苦笑をして、こちらに顔を向ける。
「レイルはゼートランド王国出身の騎士よ。なかなかに冒険心にあふれる若者で、わたくしたちも退屈をしていたから友達になったの」
「そうですか」
説明になっているような、なっていないような。
要するに暇だったんですね。でもまあ今の説明でレイルがゼートランド出身だということが分かった。
わたしは頭の中にこの世界の地図を描く。今いるドランブルーグ山岳地域・不可侵山脈から見て南東に位置する王国でわたしの生まれ育ったシュタインハルツとは国境を有していない。レイルが別の国の出身でわたしは安堵した。
「俺としてもここに来るのはいい息抜きになっているんだ」
レイルはにっと笑った。
人好きのする笑顔。わたしの元婚約者ヴァイオレンツのような怜悧な美貌ではなく、彼は人懐こい、わんこのような雰囲気を持っている。って、一応年上っぽい男性にこの評価は失礼か。ごめんと心の中で謝っておく。
「ふうん。魔法の使える騎士さんってわけね」
「……まあね」
彼は笑顔のまま肯定したが、それ以上のことは言うつもりが無いらしい。
笑顔を張り付かせたままの顔でこちらを見つめてくる。
「で、きみはどうしてミゼル夫妻のところへ?」
と、今度はレイルからの質問。そりゃそうだろう。竜の住まいを訪れたら人間の客人が板のだから。人がおいそれとやって来れる場所ではないことは彼も十分に知っているらしい。
「一応、彼らの住まいだからな。人払いの結界が張られているんだ」
「そうなの」
わたしはレイアに視線を移した。
「そうねえ。わたくしたちも子育て中だし」
レイアは首を少しだけ傾けて微笑んだ。
「実はレイルを最初に見つけたのは子供たちだったの。最近、本当にやんちゃになってきて」
「竜の住まいを訪れようと試行錯誤をしていたらある日ちびっこ竜が目の前に現れたんだ」
レイルが補足する。
「人間がめずらしかったんだもんー」
「ねー」
フェイルとファーナがそれぞれ言い添える。好奇心旺盛な双子竜たちに導かれてこの住まいに招かれたのはわたしと一緒ということらしい。まあわたしよりもレイルの方が穏便だったのだろうけど。
「わたしも似たようなものよ。旅をしていたらフェイルとファーナに拾われたの」
「なるほど」
あ、このざっくり説明でいいんだ。
まあ詳しく説明するのも面倒だったし楽だけど。
「リジーは行き先も未定だったからしばらくここに留まって、子供たちの面倒を見てもらおうと思っているの。子供たちもリジーによく懐いているから」
「物は言いようですよね」
懐くっていうか、完全に新しいおもちゃ扱いされていますけどね。
わたしの乾いた突っ込みを華麗にスルーするレイア。これ完全にわざとだよね。わたしの強い視線を彼女はなおもそらっととぼける。
「だってね! レイルが教えてくれたんだよぅ」
「何を?」
フェイルがわたしのスカートのすそを引っ張る。
「竜とお友達になった人間は、竜の背中に乗って空を飛ぶって!」
「だからわたしたちリジーを背中に乗せてお空をびゅーんって飛びたかったの!」
「僕とリジーはお友達でしょう?」
「わたしとリジーはなかよしさんでしょう! 一緒に元気よく遊ぶのがお友達って、レイル言ってたよ!」
子供たちは一生懸命話し始める。
どうやら先ほどのフォローのようだ。二人なりに理由があったらしい。
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