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再会は死んでから
其ノ十二
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蘇芳は加奈の病室の手前まで、姑獲鳥の手を引いた。扉の前まで来ると、姑獲鳥は若干中に入ることを躊躇った。何が彼女にそうさせているのか、正直理解しかねた。多分、蘇芳には分からないような心の葛藤があるのだろう。蘇芳が目で促すと、姑獲鳥はようやく決心がついたのか、一度だけ頷いて扉を潜った。
「また来たの?」
加奈は毎日のように来訪する蘇芳に、さすがに呆れ気味だった。
「悪いかよ」
「別に」
姑獲鳥は蘇芳から半歩後ろ手に、加奈から隠れるようにしてした。それでも、気になって仕方がないのだろう、腕の隙間から加奈の方をちらちらと覗いている。
蘇芳は彼女の背中に手を回し、そっと押してやる。
加奈の前に放り出された姑獲鳥。
何か言いたそうに振り返る彼女に、蘇芳は顎で行けを煽る。
姑獲鳥は一度だけその場で大きく深呼吸をすると、踵を返し加奈の横たわるベッドの横に歩み寄った。
口も開かずぼおっと天井を眺めるだけの加奈に、すぐ隣の姑獲鳥の存在が伝わっているだろうか、いや伝わってはいないだろう。でも、それでいい。それがおそらく、姑獲鳥が振り返らないためにはちょうどいい。
布団からはみ出した加奈の右手を、姑獲鳥がそっと一方的に包み取る。掠れたように咳き込む加奈。姑獲鳥は一瞬怯んだけれど、蘇芳の心配は杞憂だったようだ。
すぐに平常を取り戻してから、むしろ少し笑みを浮かべるようにして語りかけた。
「今まで楽しかったよ。元気でね」
それ以上長々と、彼女が言葉を続けることはなかった。加奈の表情は変わらない。
それでも満足したように、触れていた手をそっと離して、蘇芳の元へと戻ってくる。
「それだけで、いいのか?」
「うん。わたしの言いたいことは、究極これだけだから。それに、言葉が長ければ良いっていうものでもないよね」
ニッと歯を見せて、うれしそうに笑いやがる。きっとこれで良かったんだよな。自分に問いかける。何もなく別れるよりも、こっちの方がまだましなはずだ。さっきよりも晴れやかな姑獲鳥の顔を見れば、そう思える。
「――蘇芳。あんた、誰と話してるの?」
急に投げかけられて、言葉に詰まった。加奈がむくむくと起き上がる。布団を剥いで、体を回して、ベッドの上に腰かけた。
不審に思っている、というわけではなさそうだ。至って真剣な顔つきをしている。
「わたし、ずっと考えてた。だって、いろいろとおかしかったから。わたしが神社で倒れた時も、蘇芳、誰かと話してたでしょ。周りに誰もいなかったのに」
「そうだったか? あんまり覚えてねぇけど」
「それに、入院してから毎日、部屋の前に茶色い鳥の羽が落ちてて。でも、病院の中で肝心の鳥はどこにも見当たらなかった」
姑獲鳥の肩がぴくっと揺れる。
加奈は語り始める。
「こっからはすごく信じられないような話になるから、頭がおかしくなったって思ってくれてもいいけど。わたし、幼いころ、ちょっとだけ霊感があったの。たまに、明らかに不自然な人影とか、誰もいない夜中に御経を読む声だとか、聞いたことあるから」
加奈は続ける。
「最近でも、昔ほどじゃないけど、まだ少しだけそういう力は残ってる。それでわたし、この病院に来てから、特に昼間、気配とか視線とかを毎日のように感じるの。気のせいだったら別にいいんだけど、でも、もしかしたらって思うと、昔みたいに何も言えずに後悔はしたくないから、今ここで伝えたい」
茶褐色の羽が枕の横に落ちているのが見えた。
「ねぇ、いるんでしょ。この部屋のどこかにいるんでしょ。姑獲鳥」
唖然とした。彼女が姑獲鳥に向けて言葉を発したことに驚いた。姑獲鳥も蘇芳と同じ気持ちだったらしい。呆気にとられたように、前を見つめるその瞳は、全く焦点が定まっていない。
そんな姑獲鳥をよそに、加奈は立て続けに言葉を紡ぐ。
「わたし、当時は姑獲鳥のこと、同じ歳くらいの普通の女の子だと思ってた。けど今になって思えば、姑獲鳥、いつも森の中にいたし、夕方になって帰るのもわたし一人だけだったし、服とかいつも一緒だったし、歩くたびに羽みたいなの落としてたし、おかしなところたくさんあった。姑獲鳥、人間じゃないんでしょ。だから、今のわたしには見えないのかもしれない。でも今、すぐ近くにいるんでしょ。わたしの近くにいるんでしょ。わたしの声は聞こえてるんでしょ。なら、そのままでいいから聞いて」
「…………」
「わたし、ずっと謝りたかった。何も言わずに、出て行ったこと」
「…………」
「本当に、ごめんなさい」
「…………」
「本当はちゃんとをお別れを言いたかった。でも、あまりにも急な引っ越しだったから、伝え損ねた」
「…………」
「姑獲鳥はどう思った? 怒った?」
「――そんなはずない」
ようやくの思いで絞りだされた声は、当然加奈には伝わっていない。それでも姑獲鳥は。
「呆れた?」
「ううん、違う」
「それとも、特に何も感じなかった?」
「それも違う。わたしは、寂しかったの。ターカナが来てくれなくなって、すごく寂しかった。毎晩、会いたいって思ってたの」
問いかける加奈に、逐一返す姑獲鳥。その様は、まるで本当に会話でもしているようだ。本当に意思が通じ合っているように見える。
「正直、姑獲鳥がわたしのことをどう思ったかは、今はもう知りようがない。でも、もし、こんなわたしのことを見放さないでいてくれるなら」
「見放さない。わたしはターカナの親友だから」
「――これからも、わたしと一緒にいてくれる?」
「」
会話はそこでちょうど途切れた。姑獲鳥を見やると、柔く奥歯を噛みしめていた。拳を握っていた。
本当は、ここで肯定したいんだ。加奈の願いに素直に応じて、今すぐにでも手を取りたいはずだ。けれど、それができない。加奈の望みには応じられないから。一緒にいられないことを分かっているから。どうしても、うんとは頷けない。
それを本人の口から言わせるのは酷ってもんだろう。
「一緒にはいられねぇ」
「えっ?」
虚を突かれたような彼女の表情に蘇芳はハッとさせられる。思わず口走ってしまったけれど、姑獲鳥の感情を加奈に伝えることを少なくとも姑獲鳥は望んでいない。
期待した目を向けてくる加奈に、蘇芳は咄嗟に取り繕う。
「一緒にはいられないだろ。だって、そんなやついねぇんだから。お前が考えてるようなやつには、この先一生会えねぇよ」
加奈に点ったハイライトが、僅かに淡くなっていく。
そんな姿を見せられて、気負ってしまったのは蘇芳の性だろう。
おそらくこれが、二人が意思を通わすことのできる最後の機会になる。姑獲鳥は拒否したけれど、蘇芳はどうしても口出ししたくなってしまう。一言くらいなら。
「それでも、何かいるって思うのなら、別れぐらい言っておいたらいいんじゃないか。もう会えねぇわけだし」
加奈が眉をひそめた。
「何それ。何もいないんだったら、言う必要ないじゃん」
「うっせぇよ」
茶化すように突っ込む加奈に、蘇芳は思わず悪態をついてしまった。
直接的に表現せず、相手を動かすのは難しい。思うようにいかないことに、頭をかいた。けれど、それは早とちりだったらしい。
「でも、今回は蘇芳の提案に乗っておいてあげる」
加奈が後ろ髪をかきあげた。それが最後の幕引きの合図のように思えてしまった。
だから、腕に縋りつく姑獲鳥がちゃんと言葉を聞けるように。目の前で全てを受け取れるように、もう一度背中を押してやる。
姑獲鳥は蘇芳に急かされるようにして、ようやく加奈の眼前に立った。そこから先は、もう蘇芳の踏み込む場所ではない。彼女たちだけの時間だ。
「姑獲鳥。いる?」
「うん」
「正直、こんな所まで来てくれるなんて思ってもなかった。遠かったでしょ」
「そんなことない。ターカナのことを思えば、全然大したことなかったよ」
「もしかしたら、もう会えないのかもしれない。だから、これだけは言わせて」
「なんでも聞くよ」
「ありがとう姑獲鳥。これからも、ずっと親友だからね」
「わたしこそ……だよ」
再び繋がれた彼女たちの両手。ごく自然に、互いに握り合っているそれに、今度こそ、二人は思いを伝えられたに違いない。蘇芳は勝手にそう解釈した。
照明のせいだろうか。部屋の中がいつになく明るい。視界が眩しくて、蘇芳は静かに目を閉じた。
一段落して、蘇芳たちが病室を後にしようとしたとき、加奈が蘇芳を呼び止めた。
「これ」
そう言って渡されたのは、加奈がいつもじゃらじゃらと腕につけている無数のブレスレッドの内の一つだった。
「あんたにじゃないから」
そんなこと、言われなくても分かっている。透き通る茶褐色のそれはまるで、一見地味に見えなくもないけれど、姑獲鳥の羽にそっくりでお似合いだろう。
渡しておく。とは言わなかった。
蘇芳は加奈から受け取ると、代わりに感謝だけ伝えておいて、そのまま病室を後にした。
「また来たの?」
加奈は毎日のように来訪する蘇芳に、さすがに呆れ気味だった。
「悪いかよ」
「別に」
姑獲鳥は蘇芳から半歩後ろ手に、加奈から隠れるようにしてした。それでも、気になって仕方がないのだろう、腕の隙間から加奈の方をちらちらと覗いている。
蘇芳は彼女の背中に手を回し、そっと押してやる。
加奈の前に放り出された姑獲鳥。
何か言いたそうに振り返る彼女に、蘇芳は顎で行けを煽る。
姑獲鳥は一度だけその場で大きく深呼吸をすると、踵を返し加奈の横たわるベッドの横に歩み寄った。
口も開かずぼおっと天井を眺めるだけの加奈に、すぐ隣の姑獲鳥の存在が伝わっているだろうか、いや伝わってはいないだろう。でも、それでいい。それがおそらく、姑獲鳥が振り返らないためにはちょうどいい。
布団からはみ出した加奈の右手を、姑獲鳥がそっと一方的に包み取る。掠れたように咳き込む加奈。姑獲鳥は一瞬怯んだけれど、蘇芳の心配は杞憂だったようだ。
すぐに平常を取り戻してから、むしろ少し笑みを浮かべるようにして語りかけた。
「今まで楽しかったよ。元気でね」
それ以上長々と、彼女が言葉を続けることはなかった。加奈の表情は変わらない。
それでも満足したように、触れていた手をそっと離して、蘇芳の元へと戻ってくる。
「それだけで、いいのか?」
「うん。わたしの言いたいことは、究極これだけだから。それに、言葉が長ければ良いっていうものでもないよね」
ニッと歯を見せて、うれしそうに笑いやがる。きっとこれで良かったんだよな。自分に問いかける。何もなく別れるよりも、こっちの方がまだましなはずだ。さっきよりも晴れやかな姑獲鳥の顔を見れば、そう思える。
「――蘇芳。あんた、誰と話してるの?」
急に投げかけられて、言葉に詰まった。加奈がむくむくと起き上がる。布団を剥いで、体を回して、ベッドの上に腰かけた。
不審に思っている、というわけではなさそうだ。至って真剣な顔つきをしている。
「わたし、ずっと考えてた。だって、いろいろとおかしかったから。わたしが神社で倒れた時も、蘇芳、誰かと話してたでしょ。周りに誰もいなかったのに」
「そうだったか? あんまり覚えてねぇけど」
「それに、入院してから毎日、部屋の前に茶色い鳥の羽が落ちてて。でも、病院の中で肝心の鳥はどこにも見当たらなかった」
姑獲鳥の肩がぴくっと揺れる。
加奈は語り始める。
「こっからはすごく信じられないような話になるから、頭がおかしくなったって思ってくれてもいいけど。わたし、幼いころ、ちょっとだけ霊感があったの。たまに、明らかに不自然な人影とか、誰もいない夜中に御経を読む声だとか、聞いたことあるから」
加奈は続ける。
「最近でも、昔ほどじゃないけど、まだ少しだけそういう力は残ってる。それでわたし、この病院に来てから、特に昼間、気配とか視線とかを毎日のように感じるの。気のせいだったら別にいいんだけど、でも、もしかしたらって思うと、昔みたいに何も言えずに後悔はしたくないから、今ここで伝えたい」
茶褐色の羽が枕の横に落ちているのが見えた。
「ねぇ、いるんでしょ。この部屋のどこかにいるんでしょ。姑獲鳥」
唖然とした。彼女が姑獲鳥に向けて言葉を発したことに驚いた。姑獲鳥も蘇芳と同じ気持ちだったらしい。呆気にとられたように、前を見つめるその瞳は、全く焦点が定まっていない。
そんな姑獲鳥をよそに、加奈は立て続けに言葉を紡ぐ。
「わたし、当時は姑獲鳥のこと、同じ歳くらいの普通の女の子だと思ってた。けど今になって思えば、姑獲鳥、いつも森の中にいたし、夕方になって帰るのもわたし一人だけだったし、服とかいつも一緒だったし、歩くたびに羽みたいなの落としてたし、おかしなところたくさんあった。姑獲鳥、人間じゃないんでしょ。だから、今のわたしには見えないのかもしれない。でも今、すぐ近くにいるんでしょ。わたしの近くにいるんでしょ。わたしの声は聞こえてるんでしょ。なら、そのままでいいから聞いて」
「…………」
「わたし、ずっと謝りたかった。何も言わずに、出て行ったこと」
「…………」
「本当に、ごめんなさい」
「…………」
「本当はちゃんとをお別れを言いたかった。でも、あまりにも急な引っ越しだったから、伝え損ねた」
「…………」
「姑獲鳥はどう思った? 怒った?」
「――そんなはずない」
ようやくの思いで絞りだされた声は、当然加奈には伝わっていない。それでも姑獲鳥は。
「呆れた?」
「ううん、違う」
「それとも、特に何も感じなかった?」
「それも違う。わたしは、寂しかったの。ターカナが来てくれなくなって、すごく寂しかった。毎晩、会いたいって思ってたの」
問いかける加奈に、逐一返す姑獲鳥。その様は、まるで本当に会話でもしているようだ。本当に意思が通じ合っているように見える。
「正直、姑獲鳥がわたしのことをどう思ったかは、今はもう知りようがない。でも、もし、こんなわたしのことを見放さないでいてくれるなら」
「見放さない。わたしはターカナの親友だから」
「――これからも、わたしと一緒にいてくれる?」
「」
会話はそこでちょうど途切れた。姑獲鳥を見やると、柔く奥歯を噛みしめていた。拳を握っていた。
本当は、ここで肯定したいんだ。加奈の願いに素直に応じて、今すぐにでも手を取りたいはずだ。けれど、それができない。加奈の望みには応じられないから。一緒にいられないことを分かっているから。どうしても、うんとは頷けない。
それを本人の口から言わせるのは酷ってもんだろう。
「一緒にはいられねぇ」
「えっ?」
虚を突かれたような彼女の表情に蘇芳はハッとさせられる。思わず口走ってしまったけれど、姑獲鳥の感情を加奈に伝えることを少なくとも姑獲鳥は望んでいない。
期待した目を向けてくる加奈に、蘇芳は咄嗟に取り繕う。
「一緒にはいられないだろ。だって、そんなやついねぇんだから。お前が考えてるようなやつには、この先一生会えねぇよ」
加奈に点ったハイライトが、僅かに淡くなっていく。
そんな姿を見せられて、気負ってしまったのは蘇芳の性だろう。
おそらくこれが、二人が意思を通わすことのできる最後の機会になる。姑獲鳥は拒否したけれど、蘇芳はどうしても口出ししたくなってしまう。一言くらいなら。
「それでも、何かいるって思うのなら、別れぐらい言っておいたらいいんじゃないか。もう会えねぇわけだし」
加奈が眉をひそめた。
「何それ。何もいないんだったら、言う必要ないじゃん」
「うっせぇよ」
茶化すように突っ込む加奈に、蘇芳は思わず悪態をついてしまった。
直接的に表現せず、相手を動かすのは難しい。思うようにいかないことに、頭をかいた。けれど、それは早とちりだったらしい。
「でも、今回は蘇芳の提案に乗っておいてあげる」
加奈が後ろ髪をかきあげた。それが最後の幕引きの合図のように思えてしまった。
だから、腕に縋りつく姑獲鳥がちゃんと言葉を聞けるように。目の前で全てを受け取れるように、もう一度背中を押してやる。
姑獲鳥は蘇芳に急かされるようにして、ようやく加奈の眼前に立った。そこから先は、もう蘇芳の踏み込む場所ではない。彼女たちだけの時間だ。
「姑獲鳥。いる?」
「うん」
「正直、こんな所まで来てくれるなんて思ってもなかった。遠かったでしょ」
「そんなことない。ターカナのことを思えば、全然大したことなかったよ」
「もしかしたら、もう会えないのかもしれない。だから、これだけは言わせて」
「なんでも聞くよ」
「ありがとう姑獲鳥。これからも、ずっと親友だからね」
「わたしこそ……だよ」
再び繋がれた彼女たちの両手。ごく自然に、互いに握り合っているそれに、今度こそ、二人は思いを伝えられたに違いない。蘇芳は勝手にそう解釈した。
照明のせいだろうか。部屋の中がいつになく明るい。視界が眩しくて、蘇芳は静かに目を閉じた。
一段落して、蘇芳たちが病室を後にしようとしたとき、加奈が蘇芳を呼び止めた。
「これ」
そう言って渡されたのは、加奈がいつもじゃらじゃらと腕につけている無数のブレスレッドの内の一つだった。
「あんたにじゃないから」
そんなこと、言われなくても分かっている。透き通る茶褐色のそれはまるで、一見地味に見えなくもないけれど、姑獲鳥の羽にそっくりでお似合いだろう。
渡しておく。とは言わなかった。
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