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天然こそ最強
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ツヴァイの指の腹が俺の後ろの恥部を撫でる。
逃げようかとも思ったが、手足が縛られ、押さえつけられている状態で抵抗したって結果は変わらない。
最初は痛くて最悪、裂けるらしいがどうしようもない。
諦めてスッと力を抜くと「いい子だ。」と、満足げに頭を撫で、指を………。
「ぎゃあぁああああッ!! 」
…差し込まれる前に悲鳴が俺の拉致された部屋の外から聞こえて、全員でバッと扉の方を振り向く。すると物凄い音を立てて扉が蹴破られた。
「うわあぁああっ!? 」
元兄王子の誰かが悲鳴をあげる中、紫煙がもくもくと部屋に上がり、蹴り破った足の持ち主が煙管をふかしながら部屋に入ってきた。
「『今は。』命令を聞いてやりましたけど、その後はどうするかは私次第ですよね。」
そう不敵に笑う一号に呆気に取られる。
……そもそも一号って愛煙家だったの? と、一番先にそっちに気を取られたが、多分、突っ込む所はそこじゃない。
「なんなんだお前!! 」
元第六王子が拳を振り上げ、果敢にも向かっていく。……が、そんな元第六王子にフゥッと紫煙を掛け、まるで虫を追い払うように呆気なく一号は撃退した。
元第六王子は咳き込んでその場にしゃがみ戦意喪失。そのまま一号に縛り上げられてた。
「言っときますけど、きちんと命は守って私はティモ様に付いてましたよ。なぁ、レナード? 」
そう声を部屋の外に掛けると、ニッコリと笑みを浮かべるレナードが現れた。しかし何だか笑顔が怖い。
「ええ。貴方はきちんとティモ様に付いてましたよ。ですが、私はティモ様のお目付役をかってでてるので、私の最優先する命はティモ様の命ですよね? ですから、ティモ様の為にツェーン殿下を尾行してもOKですよね? 」
「構わないだろ。」
「ですよね。」
顔を合わせてにぃっこりと怖い顔で笑い合う二人。
その二人の姿に味方な筈なのにゾクリッと悪寒が走る。
一体何処からレナードは俺を尾行していたのか?
全く気配を感じなかったんだけど……。
「邪魔すんじゃないッ。コイツがどうなってもいいのか!? 」
二人から滲み出る殺気に追い詰められてツヴァイは俺の首に手を回した。他の兄王子達はもう既にダメだと悟り、これ以上罪状を増やさないでくれとブンブンと首を横に振っているがツヴァイは止まらない。
空気に緊張が走り、侍従とは思えない殺意が二人の瞳に浮かんだ時、パタパタと場違いな人物が駆けてきた。
「やっぱり、一人さ、帰れませんッ。帰るならツェーンさ、一緒に帰ります!! 」
そう決意に満ち溢れた表情で、元気よく場の空気をぶっ壊しに掛かるティモ。勿論、本人はそんなつもりはカケラもない。
二人の瞳から殺意が引き、ブッと吹き出す。
しかしティモは何故笑われているのか分からずキョトンとしたが、はたと俺の姿を見て目を白黒させた。
「ツヴァイ王子…。ツヴァイ王子もツェーンさ、好きだったんですね!? 」
はわわっと、赤面してそう言い放ったティモを前に俺とツヴァイはちょっと何を言われたか理解出来ずに固まった。
「「違うッ。」」
「息もピッタリ!! 」
ハッと意識を取り戻して否定したが、ツヴァイとハモッて、それが余計ダメだったのか肯定に取られてしまった。
ツヴァイは怒りに肩を震わせて、俺を睨んだが、俺にどうしろって言うんだ。
天然の思考回路はどうにもできません、と、スッと目を逸らすと、ツヴァイは今度はティモに矛先を変えた。
「俺がコイツを好き? ふざけんなッ。」
「『つんでれ』って奴さ、ですか!? 二号さ、言ってました!! 好きじゃないって言うのは大概さ、好きな印だって。」
「違うッ。俺は俺の権利を行使してるだけだ。何たってコイツは俺の言いなりなんだからなッ。」
「『どくせんよく』って奴さ、ですか!? 三号さ、言ってました!! 好きな相手さ、自分の思い通りにならないと気が済まない愛さ、あるって。」
「何なんだ!? コイツは!! 」
ツヴァイは悪意満載で言い放った言葉達だった。
しかし、ティモには一切通じず、全て『好き』で片付けられてしまった。あまりにも悪意が伝わらず、ツヴァイはティモを指差して俺を最終的に問い詰めた。
何なんだと問われても純粋でド天然な婚約者(仮)ですと答えるしかない。
おそらく、ツヴァイが俺を言いなりにさせようと男としての尊厳を奪いにかかったのが、抱きついているようにティモには見えたんだろう。
そして抱きつくイコール好きと結びついて行ったんだと思われる。…ティモは純粋だから。
そしてその上で、余計な事を吹き込まれた…と。………何してんだ、二号、三号。
「くそっ、くそぅっ、くそっ!! 馬鹿にしやがってッ!!! 」
全く意に解さず、「これさ、『つんでれ』で、『どくせんよく』か。」と、習ったものを見れて感動しているティモの態度に馬鹿にされてると取ったツヴァイは激昂する。
俺から退き、真っ直ぐにティモに向かって怒りのままに突っ込んでいく。
「ティモッ!! 」
止めようとしたが手足が縛られている状態では止められず、縄を引きちぎろうと噛み付いた時、一号がティモに木剣を投げた。
「さぁ、実践ですよ。剣術習ったって実際に使えてこその剣術です。」
「はいっ。師匠!! 」
護衛だからお前が守ってくれるんじゃないのか。師匠って何だ!?
そんな疑問が頭を一瞬、飛び交ったが、ツヴァイの手元でキラリと妖しく光る刃にサッと血の気が引いた。
「ティモッ。逃げて!! 」
ティモが失うかもしれない恐怖で、情けなくポロリと雫が流れる。……が、そんな恐怖も飛び去る程元気に、ティモは鍬を構えるように木剣を振り上げ、ツヴァイの頭上目掛けて振り下ろした。
ゴッ!!!
鈍い音が響き、白目を向いたツヴァイがその場に崩れ落ちる。
一号はすかさず、ツヴァイから武器を奪い、レナードは手慣れた手つきでツヴァイを縛り上げる。
「ティモ様。上出来ですよ。」
「……さて、あなた方には王太子誘拐の嫌疑が掛かってます。このままでは最近、殿下にゾッコンな国王陛下に打首にされかねないですがどうします? 」
ギリギリとこれでもかとツヴァイを締め上げながらレナードが黒い笑みを元兄王子達に向けた。
「あの女にしか興味がない父上が!? 」、「息子なんて副産物としか思ってなかったのに!? 」と、口々に驚きの声をあげつつも、自身達の置かれた状況にその顔は蒼白。
俺は俺で、そうなると王位を押し付けられなくなるので、ブンブンと首を横に振り、レナードにやめてくれと目で訴えた。…が、無理に決まってるでしょうとすげなく却下された。
何でだ…。
本人がいいって言ってんだろ!!
まさかの最後の綱である元兄王子達を復権させて、王位を押し付ける計画も頓挫。
ちょっと立ち直れないでいると、ティモが駆け寄り、俺の手足を縛っている縄を解くとギュッと抱きしめられた。
ティモから伝わる体温が水で冷えた身体には心地よくてボンヤリしていると、どうしようか固まる元兄王子達に思い掛けない言葉を掛けた。
「何でツェーンさ。貴方達さ、言う事大人しく聞いてたか分かりますか? ツェーンさ、お兄さん達を大事さ、思ってたからだと思います。」
え? 違う…。
そう呟いたが、元第七王子の嗚咽で言葉は掻き消された。元第七王子の涙を皮切りに気絶しているツヴァイ以外の元兄王子達が鼻を啜りながら泣き出した。
「お前…。俺達をそんな風に思ってくれてたのか。」
「え?…や、だから、違っ…。」
「それなのに僕達は…、僕達はッ…。」
全く俺の話を聞かず、勝手にティモの話を間に受けて改心し、罪悪感に苛まれる元第八王子と元第五王子。
いや、違うって…。
俺は無能で居たかったから利用しただけで。俺がてらっと消えてもバレないように俺の存在が影よりも薄くなる程、貴方達が優秀である必要があった訳で……。
なんとか誤解を解こうと口を開いた瞬間、元第一王子が挙手した。くそぅっ、また挙手制!! まだ続いてたッ。
元第一王子ツゥーッと頰に一筋の光るものが流れた。
「ツェーン。私達は罪を償うよ。そして遅いかもしれないが兄としてお前を支えさせて欲しい。」
鶴の一声だった。
後で聞いた話だが、元第一王子は最近、健気な弟が出てくる物語にハマっていたらしい。
逃げようかとも思ったが、手足が縛られ、押さえつけられている状態で抵抗したって結果は変わらない。
最初は痛くて最悪、裂けるらしいがどうしようもない。
諦めてスッと力を抜くと「いい子だ。」と、満足げに頭を撫で、指を………。
「ぎゃあぁああああッ!! 」
…差し込まれる前に悲鳴が俺の拉致された部屋の外から聞こえて、全員でバッと扉の方を振り向く。すると物凄い音を立てて扉が蹴破られた。
「うわあぁああっ!? 」
元兄王子の誰かが悲鳴をあげる中、紫煙がもくもくと部屋に上がり、蹴り破った足の持ち主が煙管をふかしながら部屋に入ってきた。
「『今は。』命令を聞いてやりましたけど、その後はどうするかは私次第ですよね。」
そう不敵に笑う一号に呆気に取られる。
……そもそも一号って愛煙家だったの? と、一番先にそっちに気を取られたが、多分、突っ込む所はそこじゃない。
「なんなんだお前!! 」
元第六王子が拳を振り上げ、果敢にも向かっていく。……が、そんな元第六王子にフゥッと紫煙を掛け、まるで虫を追い払うように呆気なく一号は撃退した。
元第六王子は咳き込んでその場にしゃがみ戦意喪失。そのまま一号に縛り上げられてた。
「言っときますけど、きちんと命は守って私はティモ様に付いてましたよ。なぁ、レナード? 」
そう声を部屋の外に掛けると、ニッコリと笑みを浮かべるレナードが現れた。しかし何だか笑顔が怖い。
「ええ。貴方はきちんとティモ様に付いてましたよ。ですが、私はティモ様のお目付役をかってでてるので、私の最優先する命はティモ様の命ですよね? ですから、ティモ様の為にツェーン殿下を尾行してもOKですよね? 」
「構わないだろ。」
「ですよね。」
顔を合わせてにぃっこりと怖い顔で笑い合う二人。
その二人の姿に味方な筈なのにゾクリッと悪寒が走る。
一体何処からレナードは俺を尾行していたのか?
全く気配を感じなかったんだけど……。
「邪魔すんじゃないッ。コイツがどうなってもいいのか!? 」
二人から滲み出る殺気に追い詰められてツヴァイは俺の首に手を回した。他の兄王子達はもう既にダメだと悟り、これ以上罪状を増やさないでくれとブンブンと首を横に振っているがツヴァイは止まらない。
空気に緊張が走り、侍従とは思えない殺意が二人の瞳に浮かんだ時、パタパタと場違いな人物が駆けてきた。
「やっぱり、一人さ、帰れませんッ。帰るならツェーンさ、一緒に帰ります!! 」
そう決意に満ち溢れた表情で、元気よく場の空気をぶっ壊しに掛かるティモ。勿論、本人はそんなつもりはカケラもない。
二人の瞳から殺意が引き、ブッと吹き出す。
しかしティモは何故笑われているのか分からずキョトンとしたが、はたと俺の姿を見て目を白黒させた。
「ツヴァイ王子…。ツヴァイ王子もツェーンさ、好きだったんですね!? 」
はわわっと、赤面してそう言い放ったティモを前に俺とツヴァイはちょっと何を言われたか理解出来ずに固まった。
「「違うッ。」」
「息もピッタリ!! 」
ハッと意識を取り戻して否定したが、ツヴァイとハモッて、それが余計ダメだったのか肯定に取られてしまった。
ツヴァイは怒りに肩を震わせて、俺を睨んだが、俺にどうしろって言うんだ。
天然の思考回路はどうにもできません、と、スッと目を逸らすと、ツヴァイは今度はティモに矛先を変えた。
「俺がコイツを好き? ふざけんなッ。」
「『つんでれ』って奴さ、ですか!? 二号さ、言ってました!! 好きじゃないって言うのは大概さ、好きな印だって。」
「違うッ。俺は俺の権利を行使してるだけだ。何たってコイツは俺の言いなりなんだからなッ。」
「『どくせんよく』って奴さ、ですか!? 三号さ、言ってました!! 好きな相手さ、自分の思い通りにならないと気が済まない愛さ、あるって。」
「何なんだ!? コイツは!! 」
ツヴァイは悪意満載で言い放った言葉達だった。
しかし、ティモには一切通じず、全て『好き』で片付けられてしまった。あまりにも悪意が伝わらず、ツヴァイはティモを指差して俺を最終的に問い詰めた。
何なんだと問われても純粋でド天然な婚約者(仮)ですと答えるしかない。
おそらく、ツヴァイが俺を言いなりにさせようと男としての尊厳を奪いにかかったのが、抱きついているようにティモには見えたんだろう。
そして抱きつくイコール好きと結びついて行ったんだと思われる。…ティモは純粋だから。
そしてその上で、余計な事を吹き込まれた…と。………何してんだ、二号、三号。
「くそっ、くそぅっ、くそっ!! 馬鹿にしやがってッ!!! 」
全く意に解さず、「これさ、『つんでれ』で、『どくせんよく』か。」と、習ったものを見れて感動しているティモの態度に馬鹿にされてると取ったツヴァイは激昂する。
俺から退き、真っ直ぐにティモに向かって怒りのままに突っ込んでいく。
「ティモッ!! 」
止めようとしたが手足が縛られている状態では止められず、縄を引きちぎろうと噛み付いた時、一号がティモに木剣を投げた。
「さぁ、実践ですよ。剣術習ったって実際に使えてこその剣術です。」
「はいっ。師匠!! 」
護衛だからお前が守ってくれるんじゃないのか。師匠って何だ!?
そんな疑問が頭を一瞬、飛び交ったが、ツヴァイの手元でキラリと妖しく光る刃にサッと血の気が引いた。
「ティモッ。逃げて!! 」
ティモが失うかもしれない恐怖で、情けなくポロリと雫が流れる。……が、そんな恐怖も飛び去る程元気に、ティモは鍬を構えるように木剣を振り上げ、ツヴァイの頭上目掛けて振り下ろした。
ゴッ!!!
鈍い音が響き、白目を向いたツヴァイがその場に崩れ落ちる。
一号はすかさず、ツヴァイから武器を奪い、レナードは手慣れた手つきでツヴァイを縛り上げる。
「ティモ様。上出来ですよ。」
「……さて、あなた方には王太子誘拐の嫌疑が掛かってます。このままでは最近、殿下にゾッコンな国王陛下に打首にされかねないですがどうします? 」
ギリギリとこれでもかとツヴァイを締め上げながらレナードが黒い笑みを元兄王子達に向けた。
「あの女にしか興味がない父上が!? 」、「息子なんて副産物としか思ってなかったのに!? 」と、口々に驚きの声をあげつつも、自身達の置かれた状況にその顔は蒼白。
俺は俺で、そうなると王位を押し付けられなくなるので、ブンブンと首を横に振り、レナードにやめてくれと目で訴えた。…が、無理に決まってるでしょうとすげなく却下された。
何でだ…。
本人がいいって言ってんだろ!!
まさかの最後の綱である元兄王子達を復権させて、王位を押し付ける計画も頓挫。
ちょっと立ち直れないでいると、ティモが駆け寄り、俺の手足を縛っている縄を解くとギュッと抱きしめられた。
ティモから伝わる体温が水で冷えた身体には心地よくてボンヤリしていると、どうしようか固まる元兄王子達に思い掛けない言葉を掛けた。
「何でツェーンさ。貴方達さ、言う事大人しく聞いてたか分かりますか? ツェーンさ、お兄さん達を大事さ、思ってたからだと思います。」
え? 違う…。
そう呟いたが、元第七王子の嗚咽で言葉は掻き消された。元第七王子の涙を皮切りに気絶しているツヴァイ以外の元兄王子達が鼻を啜りながら泣き出した。
「お前…。俺達をそんな風に思ってくれてたのか。」
「え?…や、だから、違っ…。」
「それなのに僕達は…、僕達はッ…。」
全く俺の話を聞かず、勝手にティモの話を間に受けて改心し、罪悪感に苛まれる元第八王子と元第五王子。
いや、違うって…。
俺は無能で居たかったから利用しただけで。俺がてらっと消えてもバレないように俺の存在が影よりも薄くなる程、貴方達が優秀である必要があった訳で……。
なんとか誤解を解こうと口を開いた瞬間、元第一王子が挙手した。くそぅっ、また挙手制!! まだ続いてたッ。
元第一王子ツゥーッと頰に一筋の光るものが流れた。
「ツェーン。私達は罪を償うよ。そして遅いかもしれないが兄としてお前を支えさせて欲しい。」
鶴の一声だった。
後で聞いた話だが、元第一王子は最近、健気な弟が出てくる物語にハマっていたらしい。
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