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大泥棒ネズミ

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「寄ってらっしゃい見てらっしゃい。オイラの華麗なクナイのさばき。魔獣さんも立ち待ち卒倒必須のお家芸!! 」

ネズミと名乗ったおかしいな男はクナイなるものを狼系魔獣の眉間に寸分違わぬ緻密な投擲で狼系魔獣を屠っていく。

くるりと無駄に格好付けて回ってもその手元が狂う事はなく、狼系魔獣達は数匹やられた所で逃げた。

「恐れをなして逃げたか卑怯者ども。この天下の大泥棒ネズミ様になッ!! 」

ハッハッハと逃げ行く魔獣達を見て、愉快そうに笑っていたが、途中で気管に唾が入ったようでゴホゴホとむせていた。

「何がなんだか……。」

いきなり現れた訳の分からない男。
ここにいるという事はこの男も罪人だ。だが実にひょうきんで、どうしてもこのネズミという男を警戒出来ない。


「あんれまぁ、もしやディーガ恒例の『味見』かい? だが、それにしてはそちらさん酷い有様だねぇ。」

シュネーを後ろに庇っていたのに何時の間にかにネズミはシュネーの横にヒョイッと腰を落とす。

「こりゃあ酷い状態だ。何があったんでぃ? 」

「シュ…シュネーが庇って僕の分の通過儀礼まで飲んで……。」

「うへぇー!? あの一杯でも強力なアレをかい!? あんなもん二杯も飲んだら強力過ぎて腹上死しちまうよ。」

あちゃーと少し戯けつつもネズミはシュネーの汗を長いハンカチみたいなもので少し拭いた。そしてゴソゴソと懐から小さな袋を取り出し、その中から黒い丸薬を出した。

「あんちゃん。このにぃちゃんにコレ飲ましてやんな。少しゃー、容態が安定する筈でぃ。」

コロリと手に乗せられた丸薬。
いきなり現れた罪人の男に渡された丸薬。怪しい。

「早く飲ませにゃ気が触れんぞー。ホラ、男なら覚悟決めてブチュッとやんな!! 」

「何言っ…ムグッ…ガッ!! 」

いきなりネズミに丸薬を口に放り込まれ、頭を掴まれ強制口移し。あたふたしてると尻を蹴られ、思わず丸薬をシュネーの口の中に落とす。

「ほうら、にぃちゃん今、苦しくて飲み込めないんだから舌使って奥に詰めてやんな。そうしたら流石に飲むだろうよ。」

どうやら指示通りやらなければ頭を離してくれないらしい。…丸薬もこの男も怪しいがシュネーの容態は刻々と酷くなる。

飲ませるしかない。


舌で喉の奥に押し込んでやるとシュネーが苦しさに動かない身体で抵抗しようと身じろいだが、やがてゴクリと喉を鳴らして飲み込んだ。

「よっしゃー。これで後はヌいてやらぁ大丈夫だろう。ホレ、オイラの背中ににぃちゃん乗せろ。誰かの足音が聞こえたから移動すんぞー。」

「えっ、いや、僕が…。」

「あんちゃん、運べなかっただろう。割と早い段階から見てたんよ、オイラ。」

あんちゃんには無理。
あんちゃんは筋力あんまないでしょ。

と、軽く僕の心を抉って、シュネーをすんなり担ぐ。本当は得体の知れないこの男にシュネーを任せたくなかったが、本当に追っ手の男どもの声が聞こえてきた。

「ほんらー。行くよー、あんちゃん。お姫さん攫ってちゃうよぉ。ホラホラぁ~。」

シュネーを抱えてネズミが行ってしまう。結局、ネズミの勢いに押されて彼の寝ぐらまで連れていかれた。



「はーん。ガッツあるねぇ、このにぃちゃん。」

ネズミの寝ぐらで緑色の変なお茶を出されて、つい、ここまでに至る話を話してしまった。

ネズミはスルッと人の懐に入り込み、心の距離をつめてくる。

ネズミの寝ぐらはまさに巣穴に住む鼠のように穴の中。元々あった地面に掘った地下の収納を更に広くしたもの。

「二杯も飲んだ上で、ディーガに一杯食わせてあそこまで逃げるってぇ、どんだけ精神力の強ぇにぃちゃんなんだぁ? じゃあ、ありゃー余計よけー可哀想だなぁ。」

チラリとネズミが奥の部屋を見やる。
先程より呼吸が安定したが、まだ苦しそうに身をよじらせて小さな悲鳴を上げるシュネーの姿を。


「ヌいてやった方が良いと思うんよ。ありゃあ、自分じゃヌけないっしょ。手ェ震えてるしぃ。」

「でも…シュネーはそういう行為を極度に恐れてると思うんだ。」

「でもなぁー。ありゃあ…。」

うーんとネズミが心配そうな素振りでシュネーのいる奥の部屋を覗く。

出来れば僕もどうにかしてあげたい。しかし学園での恋愛や好意への拒絶反応とシュネーの兄だったフェルゼンの事や牢でのエリアスとの一件を考えると後々またシュネーに傷を与えそうで怖い。

「さっきの丸薬、もう一つ飲ませられない? 」

「アレは抑制するだけの物だからんねぇ。根本の除去は無理でぃ。やっぱ、ヌいてあげた方が良いってぇー。オイラ、外に出てるからよぉ~。」

「でも…。」

「ちょっとムスコをシュシュっとしごいてやりゃあいいだろぉ? 助けてもらったんだろぉ。覚悟決めんしゃいッ!! 」

むんずと掴みあげられて、シュネーのいる部屋に放り投げられる。そしてグッドラックと親指を立てると、扉を閉め、鍵を掛けられた。

「じゃあ、後は若ぇ二人で…。」

「ちょっ!! ちょっと、ネズミ!? 」

ガチャガチャとドアノブを何度も回したが、鍵が掛かってるから開かない。

いや、そうだよね。
鍵掛かってたら開かないよね!?

半ば混乱しながらチラリとシュネーを見る。はぁはぁと息も絶え絶えに時折、身じろぎするとタオルケットがズレ落ちる。汗かいてるからと服を脱がして露わになったほんのり上気した肌が……。

ハタッと正気に戻り、必死に扉を叩く。

「ちょっ、ちょっとネズミ!? 出して開けて、僕の理性が持たないってッ! 居るんでしょ? ほんとは居るんでしょ!? 面白がってるんでしょ!? 全然面白くないから開けて!! ねぇ、…本気でこの状態で出てったの!? 」

軽く状況に絶望して現実を見る。
確かに苦しそうだ。

通過儀礼で飲まされた媚薬は性犯罪者の男が作ったもの。何人もの幼気な少年に飲まして腹上死させたという劇薬を薄めたもの。

薄めたといっても強力で中々薬は抜けず、ほっとくと長時間身悶えするような疼きに苦しまされるらしい。

ー これを長時間…。地獄だ。


覚悟を決めて、シュネーに近付く。

ちょっと、ちょっとヌくだけ。
ちょっとだけなら理性も持つよ。
大体、僕には死んだゲルダが……。

するりとタオルケットを剥ぐとゲルダと違いまだ幼子のように成長しきっていない綺麗なままのソレが露わになる。それをしごくとヒクヒクと脈打ち、甘い悲鳴とともに白濁の液体を吐き出す。

「ひゃあ…ん。ああぁッ。 」

ー 何だろう。幼子に無体するような背徳感が…。

とても初々しく穢れを何も知らないような無垢な反応の仕方。もしかしたら自慰もした事ないのかもしれない。

落ち着け…。
僕にはゲルダが。

それでもまだ薬は抜けないようで、甘い吐息が口から零れだす。白い腹にまた溢れ出しそうに先端から先走る液体がポタポタと。

落ち着け…。僕にはゲルダがッ。

「ぅんッ…あ、あぁん…ひぁッ!! 」

「……………。」

ぱたぱたと何度か先端から液体を吐き出すと、はたとシュネーと目が合った。

身体の疼きに、熱に浮かされ、とろんとしたアメシストの瞳がふと焦点が合い、驚愕の表情で僕を見つめる。

「リヒ…ひゃあっ!? や、ぁッ。」

嫌なタイミングでトんでた意識が少し戻った。でも全然萎えない所をみるとやはり抜けてない。腰も揺れてる。

だけどこの子、後で死のうとしないだろうか。
意識が戻らなかった方が良かったんじゃ…。

「やっ、あっ…ひゃぁあッ!? 」

まだ震える手でとろけた顔を隠す。
顔を逸らし、現実逃避しようとするが、甘い声が手の隙間から漏れる。
もじもじと足が動き、意識がなかった時より感度が良くなる。

顔も真っ赤。首筋まで真っ赤。
首筋にはエリアスに噛まれた痛々しい跡がまだ残っている。そしてその歯型の間にはハナミズキの花のような薄紅色の紋様が。

吸い込まれるように紋様の上に口付けを落とす。すると頭がぼうっとして舐めたいという衝動が頭を支配する。

「ひっぁあッ!! あぁあひっんア!!! 」

紋様を舐める度、シュネーの感度が上がっていく。

ポロポロとアメシストの瞳から大粒の雫が溢れる。それでもその表情はとろりととろけて身体は拒否せず、揺れて僕を求めて。

「シュネー。そろそろ限界。」

「りひ…ト? 」

脚を開き、太腿を少し持ち上げる。
太腿と太腿の間からキョトンとしたシュネーの顔が見える。

その表情がとても可愛くて、こういう行為が怖い癖に素直な身体が愛おしくて、艶やかに艶かしい程々に筋肉のついた白い肢体が美しい。

僕の騎士。
これは僕の…。

そんな感情と多幸感が心を満たす。
理性も忍耐もその感情が、押し流していく。

「後で僕を幾ら恨んでもいいからシュネーを僕にくれない? 」

首筋を愛撫でするとふわふわと、とろけた表情で手に頰が擦り寄ってくる。

「も…好きに……し、て。」

何時ものシュネーだったら絶対言わないだろう。うるうるとアメシストの瞳が上目遣いで揺れる。相当シュネーもトんでいるらしい。

余裕もなく、トロリと秘孔にまで垂れたそれを塗り込み、指を差し込む。

「ッツ、あっイッ。」

狭く硬いそこをほぐすようにかき混ぜる。異物感と痛みと消えない疼きで身体をよじる。しかし中はかき混ぜればかき混ぜる程、甘えるように吸い付いてくるようになる。

我慢出来なくなり、僕のをシュネーの秘孔に当てる。

「??? …リ……ッ!!? ヤダッ!! イッ、ゔ…やあああぁあああ!!! 」

突くとまだ硬くキツいシュネーの中が僕のをミシミシと締め上げる。

目をかっ開き、ボロボロと涙が流れ落ちる。痛みと苦しさで絶叫をあげ、ヒクヒクと痙攣する身体を抱き締め、首筋に口付けを落とす。すると絶叫上げる声に次第に甘さを帯びていく。

ヒュッとまた液体が飛び散り、カクンッと糸の切れた人形のようにシュネーは動かなくなった。

物足りないと僕の身体が訴えるが、戻ってきた理性で抑え付けて、唇を重ねるだけに何とか止めた。
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