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今後の話をしましょうか
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一体何が始まるのか。
何時になく、真剣な表情でヴィルマがこちらを見たので思わず、ゴクリと唾を飲んだ。
「シュネー様のルートにはエンドが五通りありますの。その内、ハッピーエンドは一つ。バッドエンドが四つ。」
「……バッドエンド多くない? 」
「ええ、そしてハッピーエンドにいける確率は約20% 。メインヒーローのリヒト王子よりもプレイヤーを惹きつけておいて、チョロインと言われているメインヒーローよりも遥かに難易度高めの無理ゲー。プレイヤーの中には『シュネー様ドS』と泣くものも多かった……。」
「…色々言いたい事はあるけど、取り敢えず最後のは言い掛かりも甚だしい。ドSは私ではない。製作者だ。」
リヒト王子がメインヒーローでチョロインなんだとちょっと苦笑いを浮かべたが、自身の事を思うと苦笑いも吹っ飛んだ。
バッドエンドが四つでハッピーエンドの確率が20% となるとバッドエンドの確率は80% ?
バットエンドになる為に生きているようなもんじゃないか!?
不遇過ぎないか、シュネー!!
困惑を隠しきれない私を更に追い討ちを掛けるようにヴィルマは話し続ける。
「バッドエンドのエピソードは以下の通り。
・『君は俺のモノ。薔薇の鳥籠でシュネー監禁エンド』
エリアスがずっと自身のモノにしたくて長年囲おうとしていたシュネーを監禁して調教するエンド。シュネーに近付いた主人公を殺してシュネーの心を折ってしまう。
・『来世は何時か貴方と…。主人公とシュネー死亡エンド』
悪役令息の罠に掛かり、刺され、主人公が絶命してしまう。シュネーは主人公を追う為に主人公を刺した短剣を自身の胸元に刺す。
・『君の為なら。シュネー死亡エンド。』
悪役令息の罠に掛かり、刺され掛けた主人公を庇ってシュネーが刺され、絶命してしまう。人生で初めて愛す事の出来た主人公の腕の中で、息を引き取る。
・『君は僕の花嫁。シュネー監禁・近親相姦エンド』
主人公との関係が兄、フェルゼンにバレる。それがキッカケでずっと兄の仮面を被り、シュネーへの気持ちを隠していたフェルゼンの仮面を剥がしてしまう。シュネーを自身の妻として強引に娶り、生まれ育った家を乗っ取り、もう二度と家から出れないように囲ってしまう。主人公は国民権を剥奪され他国に飛ばされてしまう。二人がもう一度出会う事はなかった。
エリアスとフェルゼンがシュネールートの悪役令息役ですの。二人には注意してくださいまし。
以上。 」
「………。」
開いた口が塞がらない。
「バッドエンドも中々美麗で、プレイヤーの中には新たな扉開いた奴、いっぱいいたなぁ。」とヴィルマが話し終えた後、懐かしそうに言ってたけど、そんな場合じゃない。
酷い。酷過ぎる。
死ぬか。監禁に調教に近親相姦?
しかも主人公よりシュネーの方が人生ハードモードじゃないか!? 何で主人公差し置いてバッドエンドで主役飾ってんだ!!
それに納得がいかない。
エリアスが敵は分かる。だが、あの温厚で天然な兄が何故、敵として出てくるのか。兄は普通に良いお兄ちゃんだ。
「兄上……ふぅ、兄上が敵とかふざけてるのか。私と兄上は普通の…いや、割りとブラコン入っているけど…、それでも兄上は普通に私を弟として見ている。あんな温厚な兄上をよくもそんなッ。」
ふつふつと湧き上がる怒りを抑えながらヴィルマを睨むとヴィルマは「まあ、そう思うよね。巧妙だもん。」と訂正しない。ゲームだかストーリーだか知らないが本当に失礼極まりない。
「とにかく、物語中はこの二人に関わらない。巧妙な呼び出しにも引っかからず、避け続ければ良かった筈。まぁ、それが難しいんだけどね。とにかく、それだけは肝に銘じておいてくださいな。」
「主人公回避したらそもそも何も起こらないだろ。」
「ゲームはそのルートの事以外描かれない。でもこれは同じ世界でも現実。現にエリアス様には目を付けられているでしょう。主人公回避してもエリアス様をどうにか回避しなければ、きっとバッドエンドに近い結末になるに決まってるですの。あのエリアス様が何もしないで諦めるなんてありえない。」
ヴィルマは反論しても言い切り、何度も念押しした。口論は授業が終わるチャイムが鳴るまで続いたが、どちらも譲らなかった。
「とにかく、エリアスとフェルゼンには気を付けて。これはルートが見たいからとかそういう欲望だけでなく、本当に危ないから言っていますの。」
そう言うだけ言ってヴィルマは教室に戻っていく。私は呑み込めない、呑み込みたくない情報に頭を抱えて、テーブルに伏せた。
するといきなりぐしゃぐしゃと頭を撫でられた。
「……ここに居たか。教室飛び出していく時、顔色悪かったから探した。」
アルヴィンが「行こう。」と手を差し出す。
アルヴィンは私が教室から逃げ出してからずっと探してくれていたらしい。今日、入学したばかりで右も左も分からないのに私を心配して。
「ごめん。約束破って。」
「……シュヴェルトに代わりに案内してもらったから大丈夫。」
アルヴィンの手を握って立ち上がるとアルヴィンのもう片方の腕には矢鱈分厚い冊子が握られていた。
「それは? 」
「……魔物討伐であった人型魔獣が落としていった。」
魔獣も本を読むんだなとヴィルマを完全に人外扱いしながらパラパラと何気なくアルヴィンが冊子をめくる。
冊子のあるページを見た瞬間カッと目をかっ開いて冊子の中身と私を何故か交互に比べる。
「………シュネーはこの冊子見た事ある? …人型魔獣と知り合いだろ。中身について何か知ってる? 」
「知らないし。知りたくない。」
「そうか。」っと微妙な表情でアルヴィンがまた冊子に目を落とす。何だかその冊子を思いっきりゴミ箱に捨ててやりたい衝動に駆られるが何とか抑える。絶対その冊子ロクなもんじゃない。
何時になく、真剣な表情でヴィルマがこちらを見たので思わず、ゴクリと唾を飲んだ。
「シュネー様のルートにはエンドが五通りありますの。その内、ハッピーエンドは一つ。バッドエンドが四つ。」
「……バッドエンド多くない? 」
「ええ、そしてハッピーエンドにいける確率は約20% 。メインヒーローのリヒト王子よりもプレイヤーを惹きつけておいて、チョロインと言われているメインヒーローよりも遥かに難易度高めの無理ゲー。プレイヤーの中には『シュネー様ドS』と泣くものも多かった……。」
「…色々言いたい事はあるけど、取り敢えず最後のは言い掛かりも甚だしい。ドSは私ではない。製作者だ。」
リヒト王子がメインヒーローでチョロインなんだとちょっと苦笑いを浮かべたが、自身の事を思うと苦笑いも吹っ飛んだ。
バッドエンドが四つでハッピーエンドの確率が20% となるとバッドエンドの確率は80% ?
バットエンドになる為に生きているようなもんじゃないか!?
不遇過ぎないか、シュネー!!
困惑を隠しきれない私を更に追い討ちを掛けるようにヴィルマは話し続ける。
「バッドエンドのエピソードは以下の通り。
・『君は俺のモノ。薔薇の鳥籠でシュネー監禁エンド』
エリアスがずっと自身のモノにしたくて長年囲おうとしていたシュネーを監禁して調教するエンド。シュネーに近付いた主人公を殺してシュネーの心を折ってしまう。
・『来世は何時か貴方と…。主人公とシュネー死亡エンド』
悪役令息の罠に掛かり、刺され、主人公が絶命してしまう。シュネーは主人公を追う為に主人公を刺した短剣を自身の胸元に刺す。
・『君の為なら。シュネー死亡エンド。』
悪役令息の罠に掛かり、刺され掛けた主人公を庇ってシュネーが刺され、絶命してしまう。人生で初めて愛す事の出来た主人公の腕の中で、息を引き取る。
・『君は僕の花嫁。シュネー監禁・近親相姦エンド』
主人公との関係が兄、フェルゼンにバレる。それがキッカケでずっと兄の仮面を被り、シュネーへの気持ちを隠していたフェルゼンの仮面を剥がしてしまう。シュネーを自身の妻として強引に娶り、生まれ育った家を乗っ取り、もう二度と家から出れないように囲ってしまう。主人公は国民権を剥奪され他国に飛ばされてしまう。二人がもう一度出会う事はなかった。
エリアスとフェルゼンがシュネールートの悪役令息役ですの。二人には注意してくださいまし。
以上。 」
「………。」
開いた口が塞がらない。
「バッドエンドも中々美麗で、プレイヤーの中には新たな扉開いた奴、いっぱいいたなぁ。」とヴィルマが話し終えた後、懐かしそうに言ってたけど、そんな場合じゃない。
酷い。酷過ぎる。
死ぬか。監禁に調教に近親相姦?
しかも主人公よりシュネーの方が人生ハードモードじゃないか!? 何で主人公差し置いてバッドエンドで主役飾ってんだ!!
それに納得がいかない。
エリアスが敵は分かる。だが、あの温厚で天然な兄が何故、敵として出てくるのか。兄は普通に良いお兄ちゃんだ。
「兄上……ふぅ、兄上が敵とかふざけてるのか。私と兄上は普通の…いや、割りとブラコン入っているけど…、それでも兄上は普通に私を弟として見ている。あんな温厚な兄上をよくもそんなッ。」
ふつふつと湧き上がる怒りを抑えながらヴィルマを睨むとヴィルマは「まあ、そう思うよね。巧妙だもん。」と訂正しない。ゲームだかストーリーだか知らないが本当に失礼極まりない。
「とにかく、物語中はこの二人に関わらない。巧妙な呼び出しにも引っかからず、避け続ければ良かった筈。まぁ、それが難しいんだけどね。とにかく、それだけは肝に銘じておいてくださいな。」
「主人公回避したらそもそも何も起こらないだろ。」
「ゲームはそのルートの事以外描かれない。でもこれは同じ世界でも現実。現にエリアス様には目を付けられているでしょう。主人公回避してもエリアス様をどうにか回避しなければ、きっとバッドエンドに近い結末になるに決まってるですの。あのエリアス様が何もしないで諦めるなんてありえない。」
ヴィルマは反論しても言い切り、何度も念押しした。口論は授業が終わるチャイムが鳴るまで続いたが、どちらも譲らなかった。
「とにかく、エリアスとフェルゼンには気を付けて。これはルートが見たいからとかそういう欲望だけでなく、本当に危ないから言っていますの。」
そう言うだけ言ってヴィルマは教室に戻っていく。私は呑み込めない、呑み込みたくない情報に頭を抱えて、テーブルに伏せた。
するといきなりぐしゃぐしゃと頭を撫でられた。
「……ここに居たか。教室飛び出していく時、顔色悪かったから探した。」
アルヴィンが「行こう。」と手を差し出す。
アルヴィンは私が教室から逃げ出してからずっと探してくれていたらしい。今日、入学したばかりで右も左も分からないのに私を心配して。
「ごめん。約束破って。」
「……シュヴェルトに代わりに案内してもらったから大丈夫。」
アルヴィンの手を握って立ち上がるとアルヴィンのもう片方の腕には矢鱈分厚い冊子が握られていた。
「それは? 」
「……魔物討伐であった人型魔獣が落としていった。」
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冊子のあるページを見た瞬間カッと目をかっ開いて冊子の中身と私を何故か交互に比べる。
「………シュネーはこの冊子見た事ある? …人型魔獣と知り合いだろ。中身について何か知ってる? 」
「知らないし。知りたくない。」
「そうか。」っと微妙な表情でアルヴィンがまた冊子に目を落とす。何だかその冊子を思いっきりゴミ箱に捨ててやりたい衝動に駆られるが何とか抑える。絶対その冊子ロクなもんじゃない。
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