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体調、悪いんで
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「キサマ!! 王族主催の茶会で誑かすとは何事だ。」
サファイアの瞳が私を射抜くように容赦なく睨む。
ローレン王子は相当御立腹の様子で、真っ白できめ細かい肌を耳まで真っ赤に染め上げている。かく言う私はいきなりの事実無根の暴言に衝撃を受け、口をパクパクさせて混乱していた。
「たッ…たぶらッ…、誑かす!? 」
「この淫乱め。剣を取れッ。俺がその腐った性根を叩き直してやる!! 」
「い…淫乱!? 」
ドヨッと会場が更に混乱の渦に落ちていく。
見なかった事にする人。見捨てる人。ただ困惑する人。必死に収めようとする人。三者三様だ。
「待ってください。シュネーはそんな奴じゃありません。」
「お前は黙って見ていろジョゼフッ。」
「落ち着こうぜ、ローレン殿下。相棒はそんなやt…。」
「うるさい。私は落ち着いている。」
「兄上、シュネーは何も悪く…。」
「触るなッ。お前はただ黙ってろ!! 」
「俺のシュネーは淫乱じゃないよ。純真無垢で可愛い自慢の弟だよ。」
「黙れッブラコン!! 一人で世界に浸ってろッ!! 」
ジョゼフとシュヴェルトとリヒト王子と兄。四人でローレン王子を止める。
私は只々言われた事が衝撃が大きく、頭の中で先程言われた暴言がクルクルと回る。
あまりに衝撃過ぎてちゃっかりエリアスに庇うという名目で抱き締められてるなんて気付かなかった。
カールが頰を染めて、こちらを「キャッ!! 」っと悲鳴をあげて喜んでいる姿も見えない程だ。
「てっ…手合わせ!! そうだローレン殿下。相棒と手合わせするって事で取り敢えず落ち着こうぜ。それなら王族相手でも手を出しても大丈夫だった筈。なぁ、そうしよう相棒!! 」
「そうだ。よく思い付いた。それが良い。」
シュヴェルトが柄になく必死に取り繕う。四人に抑えられても止まらないローレン王子はシュヴェルトの意見にジョゼフも首がもげる程頷いたのを見て、「お前がそこまで言うなら。」とやっと止まった。
テーブルが片付けられて、練習用の木の剣が渡される。
ー 何でこんな事になったのだろう。
ボヤきたい気持ちを抑えて、殺気ダダ漏れで剣を構えるローレン王子を一瞥する。
私は何も悪くない。
そもそも最初から空気は悪かったので、私と兄のやり取りが空気を悪くした訳でもない。
もう訳が分からない。
しかし、一つだけ分かっている事がある。私は今、心の底からコイツを叩きのめし、ボコボコにしたい。その想いだけがハッキリしている。
「…はぁぁぁー、落ち着け私。流石にそれは駄目だ。幾ら手合わせでも消えない傷を残したら一家諸共首が飛ぶ。」
「何をボサッとしている。来いッ、お前はジョゼフと同じ騎士団の見習い騎士だろ。コネでも使ったか。」
聞こえないように小声で文句を言っているとフンッとローレン王子が鼻で嗤う。
この人は私をけしかける天才なのだろうか。そもそも見習い騎士も成り行きでなってしまっただけだ。
必死に抑えている怒気が身体から溢れそうになる。
ー これ、こっちから行ったら容赦なく溝うちに一発入れるな、私。
「……そちらからどうぞ、ローレン殿下。」
「フンッ、随分と余裕だな。俺の剣術は師範から及第点もらえる程の実力だ。後で泣いても知らんぞ。」
ローレン王子は整った顔をニタリと歪ませて嗤い、助走をつけ、私めがけて剣を振り下ろす。その剣を私は自身の剣で軽く当て、起動調整をして、ローレン王子の剣に掛かった力を左に受け流した。勢いを殺せなかったローレン王子は止まれず、地に土を付けた。
確かに及第点を取るだけあって、重い一撃。だが、どんなに良い一撃でもまともに当たらなくては意味がない。
「クソッ、キサマ!! 」
怒りに任せたローレン王子の剣はとても単調で、何時も相手にしてる騎士団の面々と比べると手がとても読み易い。読み易くてもシュヴェルトのように馬鹿力なら受け流す事なんて出来ないが、彼の剣より数倍軽いので楽勝だ。
ー そろそろカタをつけるか。じゃないと思わず重い一撃入れそうだしな。
ローレン王子の剣をするりと流し、トンッと体勢を崩したローレン王子の背中に軽く剣を当てる。
「では、私の勝利という事で。お手合わせありがとう御座いました、殿下。」
ニコリと笑い掛けるとシュヴェルトの熱い拍手が飛んできた。ジョゼフは少しホッとしていた。周りは唖然としており、ブルーノのだけがこちらに気にも留めず、ジョゼフを睨んでいる。
あれもあれで面倒臭い。
「おのれ、そこまでしてジョゼフに近付くか。」
痛め付けないで事を終わらせたのにローレン王子はまだ私を睨んでくる。
何か思ったよりも面倒臭い事に巻き込まれているよう。
「ジョゼフさんは先輩であり、同僚であり、友人です。出会ったのも成り行きですし。騎士団に入ったのは私の意志は介在していません。」
ー だから貴方の世界に巻き込まないで。
「うるさいッ。ジョゼフに近付くな。お前のような奴がッ、お前のような奴がッ。」
ローレン王子が私の胸倉を掴む。
ジョゼフがどうしようも出来なくてただ戸惑っている。コイツの『友人』だというのにその隣でブルーノは止める事もせず、ジョゼフを牽制するように睨んでる。
ー 何だこれ?
首が少し締まって苦しい。
怒りに燃えるサファイアの瞳を見て、何処か馬鹿馬鹿しくなった。
「……アンタ何様だ。」
「はぁ? 俺は第一王…。」
「成る程、第一王子なら人の交友関係に口出して滅茶苦茶にしていい…と。確かに王族は私達より地位が上で人の人生を左右する権限はあるでしょうね。」
「何言って…。」
キッと怒気を込めて睨むとローレン王子の身体がビクッと震える。その動揺をつき、胸倉を掴んだ手を払う。
「ですが、その人の全てを決する事は出来ない筈だ。確かに王族の言葉は重いが人にはそれぞれに与えられた人生がある。『従騎士』でもあるまいにジョゼフさんの全てを決定する権限はない。ジョゼフさんが誰と居ようが本人の勝手だ。」
ローレン王子が押し黙る。
今度はキッと怒気をブルーノにぶつけると跳ね上がり、やっとこちらに目を向けた。
「ブルーノ様も何時までジョゼフさんを睨んでいるのですか? 貴方が物申したい本当の元凶はコッチでしょう。『友人』なんだからそちらで管理をお願いします。」
「えっ、…いや、うっ。」
ブルーノが言葉に詰まり、視線を落とす。何故兄と同い年相手に説教かましているのか自身でもわからない。
だか、相当私も頭が怒りで沸騰している。
「私は元々身体が弱く、体調が悪いので今日は申し訳御座いませんが帰らせて頂きます。ジョゼフさんも体調が悪そうにみえるので帰りましょう。」
「あっ、ああ。」
ジョゼフが目の前の光景に衝撃を受けつつも、返事をし、私に続いた。そしてシュヴェルトも「二人の体調が心配だから。」と付いてきた。
「では、私は失礼致します。この度は、とんだご迷惑を掛けました。沙汰は追って受けるので書面にてお願いします。」
綺麗に礼を取るとポカンッと阿保面でこちらを見るローレン王子とブルーノの姿があった。
この後、茶会がどうなったのかは私は知らない。
「お前、…カッケェな。」
帰り道、ずっと衝撃で固まっていたジョゼフが開口一番にそう言った。なんだかむず痒くて、「どうも。」と返したが、先程の事を思い返すと頭が痛い。
密かに不敬罪で処される前にジョゼフと国外逃亡しようかなと思ったのは内緒だ。
後にこの件で国王から沙汰がきたが、意外にも感謝状だった。どうやら国王にも第一王子の今回の振る舞いが目に余った様子。
感謝状と同封に第一王子の側近候補の話が出たが、謹んでお断り申し上げた。
サファイアの瞳が私を射抜くように容赦なく睨む。
ローレン王子は相当御立腹の様子で、真っ白できめ細かい肌を耳まで真っ赤に染め上げている。かく言う私はいきなりの事実無根の暴言に衝撃を受け、口をパクパクさせて混乱していた。
「たッ…たぶらッ…、誑かす!? 」
「この淫乱め。剣を取れッ。俺がその腐った性根を叩き直してやる!! 」
「い…淫乱!? 」
ドヨッと会場が更に混乱の渦に落ちていく。
見なかった事にする人。見捨てる人。ただ困惑する人。必死に収めようとする人。三者三様だ。
「待ってください。シュネーはそんな奴じゃありません。」
「お前は黙って見ていろジョゼフッ。」
「落ち着こうぜ、ローレン殿下。相棒はそんなやt…。」
「うるさい。私は落ち着いている。」
「兄上、シュネーは何も悪く…。」
「触るなッ。お前はただ黙ってろ!! 」
「俺のシュネーは淫乱じゃないよ。純真無垢で可愛い自慢の弟だよ。」
「黙れッブラコン!! 一人で世界に浸ってろッ!! 」
ジョゼフとシュヴェルトとリヒト王子と兄。四人でローレン王子を止める。
私は只々言われた事が衝撃が大きく、頭の中で先程言われた暴言がクルクルと回る。
あまりに衝撃過ぎてちゃっかりエリアスに庇うという名目で抱き締められてるなんて気付かなかった。
カールが頰を染めて、こちらを「キャッ!! 」っと悲鳴をあげて喜んでいる姿も見えない程だ。
「てっ…手合わせ!! そうだローレン殿下。相棒と手合わせするって事で取り敢えず落ち着こうぜ。それなら王族相手でも手を出しても大丈夫だった筈。なぁ、そうしよう相棒!! 」
「そうだ。よく思い付いた。それが良い。」
シュヴェルトが柄になく必死に取り繕う。四人に抑えられても止まらないローレン王子はシュヴェルトの意見にジョゼフも首がもげる程頷いたのを見て、「お前がそこまで言うなら。」とやっと止まった。
テーブルが片付けられて、練習用の木の剣が渡される。
ー 何でこんな事になったのだろう。
ボヤきたい気持ちを抑えて、殺気ダダ漏れで剣を構えるローレン王子を一瞥する。
私は何も悪くない。
そもそも最初から空気は悪かったので、私と兄のやり取りが空気を悪くした訳でもない。
もう訳が分からない。
しかし、一つだけ分かっている事がある。私は今、心の底からコイツを叩きのめし、ボコボコにしたい。その想いだけがハッキリしている。
「…はぁぁぁー、落ち着け私。流石にそれは駄目だ。幾ら手合わせでも消えない傷を残したら一家諸共首が飛ぶ。」
「何をボサッとしている。来いッ、お前はジョゼフと同じ騎士団の見習い騎士だろ。コネでも使ったか。」
聞こえないように小声で文句を言っているとフンッとローレン王子が鼻で嗤う。
この人は私をけしかける天才なのだろうか。そもそも見習い騎士も成り行きでなってしまっただけだ。
必死に抑えている怒気が身体から溢れそうになる。
ー これ、こっちから行ったら容赦なく溝うちに一発入れるな、私。
「……そちらからどうぞ、ローレン殿下。」
「フンッ、随分と余裕だな。俺の剣術は師範から及第点もらえる程の実力だ。後で泣いても知らんぞ。」
ローレン王子は整った顔をニタリと歪ませて嗤い、助走をつけ、私めがけて剣を振り下ろす。その剣を私は自身の剣で軽く当て、起動調整をして、ローレン王子の剣に掛かった力を左に受け流した。勢いを殺せなかったローレン王子は止まれず、地に土を付けた。
確かに及第点を取るだけあって、重い一撃。だが、どんなに良い一撃でもまともに当たらなくては意味がない。
「クソッ、キサマ!! 」
怒りに任せたローレン王子の剣はとても単調で、何時も相手にしてる騎士団の面々と比べると手がとても読み易い。読み易くてもシュヴェルトのように馬鹿力なら受け流す事なんて出来ないが、彼の剣より数倍軽いので楽勝だ。
ー そろそろカタをつけるか。じゃないと思わず重い一撃入れそうだしな。
ローレン王子の剣をするりと流し、トンッと体勢を崩したローレン王子の背中に軽く剣を当てる。
「では、私の勝利という事で。お手合わせありがとう御座いました、殿下。」
ニコリと笑い掛けるとシュヴェルトの熱い拍手が飛んできた。ジョゼフは少しホッとしていた。周りは唖然としており、ブルーノのだけがこちらに気にも留めず、ジョゼフを睨んでいる。
あれもあれで面倒臭い。
「おのれ、そこまでしてジョゼフに近付くか。」
痛め付けないで事を終わらせたのにローレン王子はまだ私を睨んでくる。
何か思ったよりも面倒臭い事に巻き込まれているよう。
「ジョゼフさんは先輩であり、同僚であり、友人です。出会ったのも成り行きですし。騎士団に入ったのは私の意志は介在していません。」
ー だから貴方の世界に巻き込まないで。
「うるさいッ。ジョゼフに近付くな。お前のような奴がッ、お前のような奴がッ。」
ローレン王子が私の胸倉を掴む。
ジョゼフがどうしようも出来なくてただ戸惑っている。コイツの『友人』だというのにその隣でブルーノは止める事もせず、ジョゼフを牽制するように睨んでる。
ー 何だこれ?
首が少し締まって苦しい。
怒りに燃えるサファイアの瞳を見て、何処か馬鹿馬鹿しくなった。
「……アンタ何様だ。」
「はぁ? 俺は第一王…。」
「成る程、第一王子なら人の交友関係に口出して滅茶苦茶にしていい…と。確かに王族は私達より地位が上で人の人生を左右する権限はあるでしょうね。」
「何言って…。」
キッと怒気を込めて睨むとローレン王子の身体がビクッと震える。その動揺をつき、胸倉を掴んだ手を払う。
「ですが、その人の全てを決する事は出来ない筈だ。確かに王族の言葉は重いが人にはそれぞれに与えられた人生がある。『従騎士』でもあるまいにジョゼフさんの全てを決定する権限はない。ジョゼフさんが誰と居ようが本人の勝手だ。」
ローレン王子が押し黙る。
今度はキッと怒気をブルーノにぶつけると跳ね上がり、やっとこちらに目を向けた。
「ブルーノ様も何時までジョゼフさんを睨んでいるのですか? 貴方が物申したい本当の元凶はコッチでしょう。『友人』なんだからそちらで管理をお願いします。」
「えっ、…いや、うっ。」
ブルーノが言葉に詰まり、視線を落とす。何故兄と同い年相手に説教かましているのか自身でもわからない。
だか、相当私も頭が怒りで沸騰している。
「私は元々身体が弱く、体調が悪いので今日は申し訳御座いませんが帰らせて頂きます。ジョゼフさんも体調が悪そうにみえるので帰りましょう。」
「あっ、ああ。」
ジョゼフが目の前の光景に衝撃を受けつつも、返事をし、私に続いた。そしてシュヴェルトも「二人の体調が心配だから。」と付いてきた。
「では、私は失礼致します。この度は、とんだご迷惑を掛けました。沙汰は追って受けるので書面にてお願いします。」
綺麗に礼を取るとポカンッと阿保面でこちらを見るローレン王子とブルーノの姿があった。
この後、茶会がどうなったのかは私は知らない。
「お前、…カッケェな。」
帰り道、ずっと衝撃で固まっていたジョゼフが開口一番にそう言った。なんだかむず痒くて、「どうも。」と返したが、先程の事を思い返すと頭が痛い。
密かに不敬罪で処される前にジョゼフと国外逃亡しようかなと思ったのは内緒だ。
後にこの件で国王から沙汰がきたが、意外にも感謝状だった。どうやら国王にも第一王子の今回の振る舞いが目に余った様子。
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