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エリアス視点①
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俺の世界は愛憎と欲望で出来ている。
世界は何時だって欲望に溢れていて、女も男は皆、醜く、哀れ。俺に転がされるだけしか価値のないモノだ。
「エリアス…。ああ、君は本当に美しい。」
男は俺を脱がせ、ほうっと頰を染める。欲望むき出しの目で俺の身体を舐める様に見る。
俺と同じ位の年の子供もいる癖に、幼い俺の身体を見て欲情するその姿はとても醜くそれでいてとても扱いやすい。
こうやって何人の男に股を開き、こうやって何人の男を虜にして、取り込んできた。
俺は侯爵の息子で、いずれ侯爵になるがそれだけでは物足りない。俺が侯爵になるまでに貴族どもを抱き込んで俺がこの国を俺の思い通りに回す。俺がこの欲望に溢れた国を好きなままに回すんだ。
それにはこの『クランクハイトの黒薔薇』と称される程美しいこの身体は使い勝手が良い。この艶のある黒髪は俺を艶やかに演出し、この白磁のように白い肌を紅潮させれば色香が漂う。どんなにお堅い貴族でも俺の笑み一つで魅了して見せた。
俺に堕せないものはない。
俺を美しいと思わないものはない。俺を求めないものはいない。
大の大人が揃いも揃って俺の身体に欲望のままに食らいつく。俺の裸を見れば普段世話をしているメイドでさえ、頰を染める。小さな子供でも性へ目覚める。
「君もおいでよ。」
何時ものようにお茶会で見繕った有力な貴族を抱き込む最中、小さな少年が現れた。
真っ白で雪ような少年。
肌は残念ながら病人の様に不健康な青白さだが、それがまた儚げに見えた。
ー 二人同時にも相手も良いかもしれない。
シュネー・ハースト。
ハースト伯爵家の次男。
抱き込む程の人物ではないが、折れそうなあの身体に性の喜びを教え込むのもまた一興かもしれない。
そう思い誘ったのだが、まさか俺をみて、吐いた上でぶっ倒れるとは思わなかった。
ー きっと体調が悪かったのだろう。
ハースト伯爵の次男は病弱で滅多な事じゃ家から出ないと有名なので、きっとあの時、彼は体調が悪かったのだ。俺を見て吐いた訳じゃない。決して。
案の定、寝込んでいるというのでわざわざ見舞いにに行ってやった。
「顔色が悪いね。」
ー やはり、あの日は体調が悪くなっただけか。
ベッドで青い顔して寝込むシュネーを見て自身の考えは正しかったと満足する。
改めて見ると本当に肌に赤みが全くなく、青白い。まあ、病人だしね。当たり前か。
身体は小さくて折れそうな程細くて貧相。だが何故かシュネーを見ている、とその青白い顔を赤く染めてみたいとか、折れそうなその腰を抱きたいとか柄になく思ってしまう。
俺は抱かれる側なのに。
何かムカつくな。
「良い人そうだね。僕はちょっと用があるから席を外すけど大丈夫そうだね。」
ぼんやりしたシュネーの兄のフェルゼンが俺に会釈して出て行く。
丁度いい。
何かムカつくし、少しイタズラしてやろう。
そう思い、シュネーに近付いた。
俺が近付く度、ピクッとシュネーの身体が揺れる。初々しくて可愛いなと最初は思ったが、段々、真っ青な顔には恐怖と嫌悪感が浮かぶ。
ー まさかマジでコイツは俺を見て吐いたのか。
そう苛立ちを覚えたが、この俺を見て嫌悪感を浮かべるコイツにふつふつと興味が湧いてきた。
今まで周りに居なかったタイプだ。
「君は本当に不思議だね。」
そう声を掛けると更に表情が強張っていく。それがまた俺の心を擽る。
「俺のあんな姿を見て、欲情を覚えないなんて。」
そう俺に欲情しないなんて許されない。なら教えてやればいい。
今まで純真無垢に生きてきただろうコイツが快楽を覚えたらどんな姿を見せてくれるだろう。
シュネーの紫がかった唇に俺は口付けを落とそうと頰に触れる。すると顔が更にこれ以上ない程、強張り、俺の中に嗜虐心を擽る。
今までにない感覚だ。
俺はこんな姿も持っていたのか。
「ねぇ、俺をみてよ。俺の虜になってよ、シュネー・ハースト。じゃないと俺の気が済まない。」
そうして唇を重ね……。
パンッ!!
頰がジンジンと痛む。
口の中も少し切れ、鉄の味が口の中に広がる。
ー 俺に…平手打ちしただと…。
小さく、細く、すぐに組み敷かれそうなその身体。その身体のどこにこれだけの力が眠っていると言うのか。シュネーはハー、ハーッと荒い息を上げ、睨んでいる。
今まで堕とした男とは違う。
ああ、コイツは簡単には手に入らないのか。……面白い。
「………手に入れる。」
ー 俺のものにする。俺がコイツの身体に俺を刻み付ける。お前は俺のものだ。
頰が痛い筈なのに顔がニンマリと緩む。怒りの代わりに欲望が心から溢れ出す。
ああ、今すぐにも欲しい。
こんなにも俺を拒絶するなんて。こんなにも手に入らないなんて。
あの身体に今すぐ俺を教え込みたい。
あの青白い肌を赤く染めたい。
あの怯えた表情を、あの俺を拒絶する表情を、快楽と恥辱で染め上げたい。
そしていずれは…。
初めての感情。
初めての独占欲。
初めて誰かを抱きたいと思った。
ドロドロとした感情が何故かとても心地いい。早く帰って手に入れる準備をしなくては。
シュネーの部屋をシュネーを手に入れる為に今は後にする。
ドスッ!!
この感情に浸りながらシュネーの部屋を後にするといきなり壁から剣が生えた。シュネーに平手打ちされた頰の表皮を剣がスッと斬る。
「…警告だ。」
そう低い声が剣の生えた壁の奥から聞こえた。気分を害されて殺気を飛ばすと壁から剣が抜け、剣が貫いた壁の穴奥から誰かの目が俺を睨んだ。
それはシュネーと同じ色の瞳をしているのに憎悪に濁った目をしていた。
世界は何時だって欲望に溢れていて、女も男は皆、醜く、哀れ。俺に転がされるだけしか価値のないモノだ。
「エリアス…。ああ、君は本当に美しい。」
男は俺を脱がせ、ほうっと頰を染める。欲望むき出しの目で俺の身体を舐める様に見る。
俺と同じ位の年の子供もいる癖に、幼い俺の身体を見て欲情するその姿はとても醜くそれでいてとても扱いやすい。
こうやって何人の男に股を開き、こうやって何人の男を虜にして、取り込んできた。
俺は侯爵の息子で、いずれ侯爵になるがそれだけでは物足りない。俺が侯爵になるまでに貴族どもを抱き込んで俺がこの国を俺の思い通りに回す。俺がこの欲望に溢れた国を好きなままに回すんだ。
それにはこの『クランクハイトの黒薔薇』と称される程美しいこの身体は使い勝手が良い。この艶のある黒髪は俺を艶やかに演出し、この白磁のように白い肌を紅潮させれば色香が漂う。どんなにお堅い貴族でも俺の笑み一つで魅了して見せた。
俺に堕せないものはない。
俺を美しいと思わないものはない。俺を求めないものはいない。
大の大人が揃いも揃って俺の身体に欲望のままに食らいつく。俺の裸を見れば普段世話をしているメイドでさえ、頰を染める。小さな子供でも性へ目覚める。
「君もおいでよ。」
何時ものようにお茶会で見繕った有力な貴族を抱き込む最中、小さな少年が現れた。
真っ白で雪ような少年。
肌は残念ながら病人の様に不健康な青白さだが、それがまた儚げに見えた。
ー 二人同時にも相手も良いかもしれない。
シュネー・ハースト。
ハースト伯爵家の次男。
抱き込む程の人物ではないが、折れそうなあの身体に性の喜びを教え込むのもまた一興かもしれない。
そう思い誘ったのだが、まさか俺をみて、吐いた上でぶっ倒れるとは思わなかった。
ー きっと体調が悪かったのだろう。
ハースト伯爵の次男は病弱で滅多な事じゃ家から出ないと有名なので、きっとあの時、彼は体調が悪かったのだ。俺を見て吐いた訳じゃない。決して。
案の定、寝込んでいるというのでわざわざ見舞いにに行ってやった。
「顔色が悪いね。」
ー やはり、あの日は体調が悪くなっただけか。
ベッドで青い顔して寝込むシュネーを見て自身の考えは正しかったと満足する。
改めて見ると本当に肌に赤みが全くなく、青白い。まあ、病人だしね。当たり前か。
身体は小さくて折れそうな程細くて貧相。だが何故かシュネーを見ている、とその青白い顔を赤く染めてみたいとか、折れそうなその腰を抱きたいとか柄になく思ってしまう。
俺は抱かれる側なのに。
何かムカつくな。
「良い人そうだね。僕はちょっと用があるから席を外すけど大丈夫そうだね。」
ぼんやりしたシュネーの兄のフェルゼンが俺に会釈して出て行く。
丁度いい。
何かムカつくし、少しイタズラしてやろう。
そう思い、シュネーに近付いた。
俺が近付く度、ピクッとシュネーの身体が揺れる。初々しくて可愛いなと最初は思ったが、段々、真っ青な顔には恐怖と嫌悪感が浮かぶ。
ー まさかマジでコイツは俺を見て吐いたのか。
そう苛立ちを覚えたが、この俺を見て嫌悪感を浮かべるコイツにふつふつと興味が湧いてきた。
今まで周りに居なかったタイプだ。
「君は本当に不思議だね。」
そう声を掛けると更に表情が強張っていく。それがまた俺の心を擽る。
「俺のあんな姿を見て、欲情を覚えないなんて。」
そう俺に欲情しないなんて許されない。なら教えてやればいい。
今まで純真無垢に生きてきただろうコイツが快楽を覚えたらどんな姿を見せてくれるだろう。
シュネーの紫がかった唇に俺は口付けを落とそうと頰に触れる。すると顔が更にこれ以上ない程、強張り、俺の中に嗜虐心を擽る。
今までにない感覚だ。
俺はこんな姿も持っていたのか。
「ねぇ、俺をみてよ。俺の虜になってよ、シュネー・ハースト。じゃないと俺の気が済まない。」
そうして唇を重ね……。
パンッ!!
頰がジンジンと痛む。
口の中も少し切れ、鉄の味が口の中に広がる。
ー 俺に…平手打ちしただと…。
小さく、細く、すぐに組み敷かれそうなその身体。その身体のどこにこれだけの力が眠っていると言うのか。シュネーはハー、ハーッと荒い息を上げ、睨んでいる。
今まで堕とした男とは違う。
ああ、コイツは簡単には手に入らないのか。……面白い。
「………手に入れる。」
ー 俺のものにする。俺がコイツの身体に俺を刻み付ける。お前は俺のものだ。
頰が痛い筈なのに顔がニンマリと緩む。怒りの代わりに欲望が心から溢れ出す。
ああ、今すぐにも欲しい。
こんなにも俺を拒絶するなんて。こんなにも手に入らないなんて。
あの身体に今すぐ俺を教え込みたい。
あの青白い肌を赤く染めたい。
あの怯えた表情を、あの俺を拒絶する表情を、快楽と恥辱で染め上げたい。
そしていずれは…。
初めての感情。
初めての独占欲。
初めて誰かを抱きたいと思った。
ドロドロとした感情が何故かとても心地いい。早く帰って手に入れる準備をしなくては。
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ドスッ!!
この感情に浸りながらシュネーの部屋を後にするといきなり壁から剣が生えた。シュネーに平手打ちされた頰の表皮を剣がスッと斬る。
「…警告だ。」
そう低い声が剣の生えた壁の奥から聞こえた。気分を害されて殺気を飛ばすと壁から剣が抜け、剣が貫いた壁の穴奥から誰かの目が俺を睨んだ。
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