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俺達の王子さんは(狼野郎視点)①
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「はー、ムカつくッ。何で王族ってまともな奴いないの!?」
そう小さな俺達のリーダーがイラつきながら戻ってきた。
その姿にリオン前王を追って王子さんとともに一緒に人族の城に潜入した半獣人の少女ルルと二人で顔を見合わせた。
コタに会えるッ!!と俺達を振り切って何処かに消えて帰って来たかと思ったらまさかの王族否定。
ここでお前も元王族だろと突っ込んではいけない。
突っ込んだ所で、全力で言葉の刃で投げつけてくるこの王子さんには口で勝てない事は分かってる。
「何があったんだ?」
「別に?ただ敵が増えただけだけど?」
「マジで何があったんだよ。ただでさえ敵が多いのに敵を増やしてどうするよ!?」
「僕にとってはコタに好意を向ける奴は全員敵だから今更一人増えようが百人増えようが変わらない。…勿論、アンタもその一人だけど?」
「やめろ!!俺はそういう意味でコタの兄貴を慕ってんじゃねぇって言ってんだろッ。俺もあんな男になりたいって思ってるだけで…。」
「はぁ?アンタがコタみたいになれる訳ないでしょ?アンタみたいなマザコンが。…ああ、ごめんね。マザコンの自覚なかったんだよね。ごめんね。」
「ホント、勘弁してくれ…。全ての返答に言葉の刃で返すのヤメテッ。」
「お二人は本当に仲がいいですね。」
「「何処をどう見てそう取った!?」」
この一方的な言葉の暴力を前にルルは微笑ましそうに見ている。
このルルという半獣人の少女はその可憐な見た目に似合わず、豪胆な子である。
未だに俺に対して他の半獣人が怯えているのにルルだけは普通に話しかけて来るし、リオン前王の恥ずかしい絵姿を撮る役もノリノリで買って出てた。
この王子さんの言葉の刃の前で平然としているのもルルだけ。
檻の中で怯えていたあの少女とは思えない変貌っぷりだが、罪悪感がある分、ここまでの豪胆っぷりを見せられると少しホッとする。
まぁ、それは一旦置いといて…。
「その敵もリオン前王と同じ手で処理すんのか?」
王子さんの敵は王子さんが敵だというなら俺達の敵でもある。俺たちは皆、何があっても王子さんについて行くと決めている。
「……いや。」
覚悟を決めて行ってみたが、帰ってきた返答が王子さんにしては消極的で面を喰らう。
らしくないぞと声を掛けようとしたら、いきなり魔法で弓を形成し、何処かに向けて雷撃を放った。
「お、おい!?潜入中になんて事っ。」
「チッ。…やっぱり、避けられた。」
そうラヨネが忌々しげに吐き捨てた瞬間、まとわりつくようなドロッとした殺気を感じた。
悪寒が走り、殺気の方向を見やると俺達が居る東棟の屋根を西棟の渡り廊下から見上げる灰色の瞳と目があった気がした。
距離としては俺も相手も互いに人の形を認識出来るくらいな筈なのに肌で確実に相手がこちらをみている事を感じて身震いした。
アレは本当にヤバイ奴だ。
あの赫い獣に身体に入られた時のあの男の目は今にも夢に出る程覚えているが、アイツ程ヤバイ奴に俺は会った事はない。
ー アレに関わったらいけない。
アレは人族の形をした獣だ。
人として大切な何かが欠落してしまってる。
だからアレはきっと非人道的な事でも一切の躊躇なく、簡単にやって退けてしまう。人の道を最も簡単に踏み外してしまう。
ー アイツは…、アイツはヤバイ!!
王子さんをすぐさま連れて逃げようと担ごうとしたが、するっと交わされて溜息をつく。
「はぁ…。心配して損した。本当に馬鹿じゃないの?」
しかし、そのため息も絶対零度の視線も言葉も俺に向けられたものではなかった。
ハッとその匂いに気づいた時にはもうソイツは王子さんに噛み付こうと飛び掛かっていた。
そう小さな俺達のリーダーがイラつきながら戻ってきた。
その姿にリオン前王を追って王子さんとともに一緒に人族の城に潜入した半獣人の少女ルルと二人で顔を見合わせた。
コタに会えるッ!!と俺達を振り切って何処かに消えて帰って来たかと思ったらまさかの王族否定。
ここでお前も元王族だろと突っ込んではいけない。
突っ込んだ所で、全力で言葉の刃で投げつけてくるこの王子さんには口で勝てない事は分かってる。
「何があったんだ?」
「別に?ただ敵が増えただけだけど?」
「マジで何があったんだよ。ただでさえ敵が多いのに敵を増やしてどうするよ!?」
「僕にとってはコタに好意を向ける奴は全員敵だから今更一人増えようが百人増えようが変わらない。…勿論、アンタもその一人だけど?」
「やめろ!!俺はそういう意味でコタの兄貴を慕ってんじゃねぇって言ってんだろッ。俺もあんな男になりたいって思ってるだけで…。」
「はぁ?アンタがコタみたいになれる訳ないでしょ?アンタみたいなマザコンが。…ああ、ごめんね。マザコンの自覚なかったんだよね。ごめんね。」
「ホント、勘弁してくれ…。全ての返答に言葉の刃で返すのヤメテッ。」
「お二人は本当に仲がいいですね。」
「「何処をどう見てそう取った!?」」
この一方的な言葉の暴力を前にルルは微笑ましそうに見ている。
このルルという半獣人の少女はその可憐な見た目に似合わず、豪胆な子である。
未だに俺に対して他の半獣人が怯えているのにルルだけは普通に話しかけて来るし、リオン前王の恥ずかしい絵姿を撮る役もノリノリで買って出てた。
この王子さんの言葉の刃の前で平然としているのもルルだけ。
檻の中で怯えていたあの少女とは思えない変貌っぷりだが、罪悪感がある分、ここまでの豪胆っぷりを見せられると少しホッとする。
まぁ、それは一旦置いといて…。
「その敵もリオン前王と同じ手で処理すんのか?」
王子さんの敵は王子さんが敵だというなら俺達の敵でもある。俺たちは皆、何があっても王子さんについて行くと決めている。
「……いや。」
覚悟を決めて行ってみたが、帰ってきた返答が王子さんにしては消極的で面を喰らう。
らしくないぞと声を掛けようとしたら、いきなり魔法で弓を形成し、何処かに向けて雷撃を放った。
「お、おい!?潜入中になんて事っ。」
「チッ。…やっぱり、避けられた。」
そうラヨネが忌々しげに吐き捨てた瞬間、まとわりつくようなドロッとした殺気を感じた。
悪寒が走り、殺気の方向を見やると俺達が居る東棟の屋根を西棟の渡り廊下から見上げる灰色の瞳と目があった気がした。
距離としては俺も相手も互いに人の形を認識出来るくらいな筈なのに肌で確実に相手がこちらをみている事を感じて身震いした。
アレは本当にヤバイ奴だ。
あの赫い獣に身体に入られた時のあの男の目は今にも夢に出る程覚えているが、アイツ程ヤバイ奴に俺は会った事はない。
ー アレに関わったらいけない。
アレは人族の形をした獣だ。
人として大切な何かが欠落してしまってる。
だからアレはきっと非人道的な事でも一切の躊躇なく、簡単にやって退けてしまう。人の道を最も簡単に踏み外してしまう。
ー アイツは…、アイツはヤバイ!!
王子さんをすぐさま連れて逃げようと担ごうとしたが、するっと交わされて溜息をつく。
「はぁ…。心配して損した。本当に馬鹿じゃないの?」
しかし、そのため息も絶対零度の視線も言葉も俺に向けられたものではなかった。
ハッとその匂いに気づいた時にはもうソイツは王子さんに噛み付こうと飛び掛かっていた。
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