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タイムトリップ

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ファミレスで夕飯を食べながら、いろいろなことを話した。 
あいつとは、今まで本当に短い会話しかしたことはない。 
なのに、まるで、幼馴染みか何かみたいにとても打ち解けて話すことが出来た。 
特に盛り上がるってわけではないけれど、何て言うんだろう…安心…そんな感じか。 
何のてらいもなく素を出せる…
それに、あいつの笑顔には、不思議と気持ちが和んだ。 



「俺、今、けっこう大変なんだぜ。
アパートが取り壊しになるから、出ていかなきゃなんないんだ。」

「じゃあ、うちに来れば?」

「え?」



あいつとは顔馴染みではあるけれど、でも、それだけだ。
あいつが知ってる俺は、ステージ上と出待ちの時だけのほんの一部分。
それに、あいつは、酒も飲んでいなけりゃ、冗談を言うタイプでもない。



「おい、俺、本当に困ってるんだ。
そんなこと言ったら、本気にするぜ。」 

あいつは微笑むと、本の袋からしおりを出して、そこに何かを書き始めた。 



「はい、これ住所ね。」

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