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タイムトリップ
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「良いじゃん!」
「良い、良い、最高!」
「……だろ?良い曲だろ?」
ケイジはそう言ってにやりと笑うと、テクニックを見せつけるみたいにギターソロをひとしきり弾きまくった。
ケイジの弾いた曲は速くてハードで、それでいて、ファンの皆と一緒に歌えそうなキャッチーな部分もあって…
俺達は一度聴いただけで、すっかり気に入ってしまった。
「早速だけど、次のライブでやらないか?」
「おいおい、無茶言うなよ。ライブは三日後だぜ。
それまでに歌詞書けって言うのか?」
「歌詞だけじゃないぞ。
アレンジも考えないと。」
「三日もあれば、どっちも出来るだろ。
なんたって、天下のヴォルケイノのメンバーさんなんだからさ。」
いつもこれだ。
ケイジのおだてに俺達はつい乗せられて、無駄に頑張ってしまうんだ。
でも、そんな無理を押し付けられるのも実はけっこう楽しくて…
「本番でコケても知らないからな!」
「おうっ!じゃあ、これ。」
ケイジは、俺達にMDをくれた。
相変わらず手回しの良いことだ。
思わず、苦笑いが浮かんだ。
「良いじゃん!」
「良い、良い、最高!」
「……だろ?良い曲だろ?」
ケイジはそう言ってにやりと笑うと、テクニックを見せつけるみたいにギターソロをひとしきり弾きまくった。
ケイジの弾いた曲は速くてハードで、それでいて、ファンの皆と一緒に歌えそうなキャッチーな部分もあって…
俺達は一度聴いただけで、すっかり気に入ってしまった。
「早速だけど、次のライブでやらないか?」
「おいおい、無茶言うなよ。ライブは三日後だぜ。
それまでに歌詞書けって言うのか?」
「歌詞だけじゃないぞ。
アレンジも考えないと。」
「三日もあれば、どっちも出来るだろ。
なんたって、天下のヴォルケイノのメンバーさんなんだからさ。」
いつもこれだ。
ケイジのおだてに俺達はつい乗せられて、無駄に頑張ってしまうんだ。
でも、そんな無理を押し付けられるのも実はけっこう楽しくて…
「本番でコケても知らないからな!」
「おうっ!じゃあ、これ。」
ケイジは、俺達にMDをくれた。
相変わらず手回しの良いことだ。
思わず、苦笑いが浮かんだ。
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