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 「あぁぁ…わしが精魂込めて作ったからくりが一撃で……」

 物陰から、勇者の様子を見ていた男が、か細い声でそう言って唇を噛んだ。



 「仕方のないことじゃ。
あれは最初からそうなる運命だったのじゃから。」

 「それはそうだが……」

 男は酷く名残惜しそうに、白くたなびく煙を目で追った。



 「さ、わしらの役目はこれで終わった。
 後は他の者に任せて帰ろう……」

 年嵩の男が、沈んだ顔をする男の背中を優しく叩いた。



 「そうだよな…
こうなることは、最初からわかっていたこと…」

 「そうじゃ、そうじゃ。
こんなことは、気に病むことなぞ、ありゃあせん。
 明日は、勇者誕生の宴じゃ。
ぱーっとやって、また新たな勇者のために、もっとすごいからくりを作るんじゃ!」

 「そうだな!
よし、今度はもっとどでかい奴を作ってやるぞ!!」

 男達は、こっそりとその場を後にした。

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