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「あんたも、やる気が出るんじゃない?
身近にこんな素晴らしいライバルがいたら…」
「ば、馬鹿なこと、言わないでくれよ!」
そうは言ったけど…確かに母さんには実力がある。
悔しいけど、僕よりもずっと優れてる。
それはあの作品を読んでとても良くわかった。
僕が小説を書いてることがバレた以上、小説で行き詰った時や迷った時に相談するには、母さんは、誰よりも頼もしい存在だ。
「なんなら、原作者ってことで、あんたの名前も載っけてもらえるように言おうか?」
「いいよ、そんなの…」
「そう…?あ、これ…」
母さんは封筒から十枚の一万円札を取り出し、僕の前に差し出した。
「はい、原作料!」
「あ、ありがとう…」
なんだか嬉しくてにやけてしまう。
いや、お金が嬉しいんじゃない。
僕の原作が世間に認められたような気がして嬉しいんだ。
まぁ、臨時収入も確かに嬉しいけど…
「あんたさぁ、これからも原作者やらない?
で、私がそれを書く…と。」
「や、やだよ!
僕は、自分で小説を書きたいんだ!」
「そうなの~?残念…
でも、それなら、相当勉強しないとだめね。
あんた、文章も構成もまだまだだものね。
しかも、月の石賞に応募したあの短編…あれは酷かったわねぇ…」
辛辣な母さんの言葉にいらっとしたが、本当のことだけに言い返す言葉がない…
(くそーーーー!
絶対に母さんになんか負けないからな!)
妙にやる気がわいてきた。
(あ…アイディアが……!)
やる気と同時ににわかにアイディアが浮かんだ!
うん、これは良い!
面白い作品になるぞ!きっと。
「母さん、次は絶対負けないからな!」
「ほぅ~…楽しみなこと。」
僕は、今浮かんだアイディアを早速書くべく、席を立った。
「今夜はすき焼きするからね~!」
背中から聞こえた母さんの声に、僕は小さく微笑んだ。
~fin.
身近にこんな素晴らしいライバルがいたら…」
「ば、馬鹿なこと、言わないでくれよ!」
そうは言ったけど…確かに母さんには実力がある。
悔しいけど、僕よりもずっと優れてる。
それはあの作品を読んでとても良くわかった。
僕が小説を書いてることがバレた以上、小説で行き詰った時や迷った時に相談するには、母さんは、誰よりも頼もしい存在だ。
「なんなら、原作者ってことで、あんたの名前も載っけてもらえるように言おうか?」
「いいよ、そんなの…」
「そう…?あ、これ…」
母さんは封筒から十枚の一万円札を取り出し、僕の前に差し出した。
「はい、原作料!」
「あ、ありがとう…」
なんだか嬉しくてにやけてしまう。
いや、お金が嬉しいんじゃない。
僕の原作が世間に認められたような気がして嬉しいんだ。
まぁ、臨時収入も確かに嬉しいけど…
「あんたさぁ、これからも原作者やらない?
で、私がそれを書く…と。」
「や、やだよ!
僕は、自分で小説を書きたいんだ!」
「そうなの~?残念…
でも、それなら、相当勉強しないとだめね。
あんた、文章も構成もまだまだだものね。
しかも、月の石賞に応募したあの短編…あれは酷かったわねぇ…」
辛辣な母さんの言葉にいらっとしたが、本当のことだけに言い返す言葉がない…
(くそーーーー!
絶対に母さんになんか負けないからな!)
妙にやる気がわいてきた。
(あ…アイディアが……!)
やる気と同時ににわかにアイディアが浮かんだ!
うん、これは良い!
面白い作品になるぞ!きっと。
「母さん、次は絶対負けないからな!」
「ほぅ~…楽しみなこと。」
僕は、今浮かんだアイディアを早速書くべく、席を立った。
「今夜はすき焼きするからね~!」
背中から聞こえた母さんの声に、僕は小さく微笑んだ。
~fin.
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