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(まさか……)
「もしかして……私の姿が見えているのか?」
私の発した希望にも似た質問に、小僧はゆっくりと頷いた。
「本当か!本当に見えているのか!」
私は思わず透明な壁に手を付いていた。
「はっきりと見えてるよ。
でも……君、どうしてそんな男みたいな話し方をするの?」
「え……」
小僧には鏡の中の私が見えているのかと思ったが、今の言葉ではそうではないということがわかった。
なぜだかはわからないが、少なくとも、奴には私が女のように見えているのだろう。
「あ、ご、ごめん……」
「すまない。
あまりにも長い間話してなかったから……
話し方を忘れてるみたいだ…わ…」
私は咄嗟に女性のふりをすることにした。
「いや、僕の方こそ失礼なことを言ってごめんね。」
「……気にしてないわ。」
「そ、そう、ありがとう。
あ、僕はアラステア……君は?」
おそらく私はとても美しい女性に見えているのだろう。
奴の瞳には明らかな好意の色が浮かんでいたのだから。
「もしかして……私の姿が見えているのか?」
私の発した希望にも似た質問に、小僧はゆっくりと頷いた。
「本当か!本当に見えているのか!」
私は思わず透明な壁に手を付いていた。
「はっきりと見えてるよ。
でも……君、どうしてそんな男みたいな話し方をするの?」
「え……」
小僧には鏡の中の私が見えているのかと思ったが、今の言葉ではそうではないということがわかった。
なぜだかはわからないが、少なくとも、奴には私が女のように見えているのだろう。
「あ、ご、ごめん……」
「すまない。
あまりにも長い間話してなかったから……
話し方を忘れてるみたいだ…わ…」
私は咄嗟に女性のふりをすることにした。
「いや、僕の方こそ失礼なことを言ってごめんね。」
「……気にしてないわ。」
「そ、そう、ありがとう。
あ、僕はアラステア……君は?」
おそらく私はとても美しい女性に見えているのだろう。
奴の瞳には明らかな好意の色が浮かんでいたのだから。
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