58 / 89
雪の降る夜に
1
しおりを挟む
クリスマスが近付いた寒い冬の頃、ある町では次々と馬が盗まれるという事件が発生していた。
この数日間に盗まれたのは、従順で賢く、足の速い名馬ばかりだ。
領主のスミスは悩んでいた。
この平和な町ではこんな事件は初めてのことだった。
馬を盗んだ犯人は見当もつかない。
目撃者のひとりもいない。
でも、事件をこのままにしておくことは出来ない。
スミスは、娘のメイに今回の事件のことを相談した。
メイは、まだ若いが子供の頃から非常に利発な娘だったからだ。
「メイ、一体、誰がこんなことをしていると思う?」
「それはまだわかりませんが、犯人を捕まえるチャンスはすぐに来ますわ。」
「どういうことだね?」
「犯人は、おとなしくて足の速い元気な馬ばかりを盗んでいます。
もし、次に狙われるとしたら、うちにいる白馬だと思うのです。」
「なんと!
確かにそうだ。
あの馬は、とても賢くておとなしく、健康で足も速い。」
「その通りです。つまり、うちの厩舎で待ち伏せすれば、犯人を捕らえられる可能性が強いということです。」
メイは、ゆっくりと頷き微笑んだ。
「なるほど!おまえの言う通りだ。
早速、今夜から厩舎の見張りを始めよう!」
この数日間に盗まれたのは、従順で賢く、足の速い名馬ばかりだ。
領主のスミスは悩んでいた。
この平和な町ではこんな事件は初めてのことだった。
馬を盗んだ犯人は見当もつかない。
目撃者のひとりもいない。
でも、事件をこのままにしておくことは出来ない。
スミスは、娘のメイに今回の事件のことを相談した。
メイは、まだ若いが子供の頃から非常に利発な娘だったからだ。
「メイ、一体、誰がこんなことをしていると思う?」
「それはまだわかりませんが、犯人を捕まえるチャンスはすぐに来ますわ。」
「どういうことだね?」
「犯人は、おとなしくて足の速い元気な馬ばかりを盗んでいます。
もし、次に狙われるとしたら、うちにいる白馬だと思うのです。」
「なんと!
確かにそうだ。
あの馬は、とても賢くておとなしく、健康で足も速い。」
「その通りです。つまり、うちの厩舎で待ち伏せすれば、犯人を捕らえられる可能性が強いということです。」
メイは、ゆっくりと頷き微笑んだ。
「なるほど!おまえの言う通りだ。
早速、今夜から厩舎の見張りを始めよう!」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
夜の動物園の異変 ~見えない来園者~
メイナ
ミステリー
夜の動物園で起こる不可解な事件。
飼育員・えまは「動物の声を聞く力」を持っていた。
ある夜、動物たちが一斉に怯え、こう囁いた——
「そこに、"何か"がいる……。」
科学者・水原透子と共に、"見えざる来園者"の正体を探る。
これは幽霊なのか、それとも——?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
強制憑依アプリを使ってみた。
本田 壱好
ミステリー
十八年間モテた試しが無かった俺こと童定春はある日、幼馴染の藍良舞に告白される。
校内一の人気を誇る藍良が俺に告白⁈
これは何かのドッキリか?突然のことに俺は返事が出来なかった。
不幸は続くと言うが、その日は不幸の始まりとなるキッカケが多くあったのだと今となっては思う。
その日の夜、小学生の頃の友人、鴨居常叶から当然連絡が掛かってきたのも、そのキッカケの一つだ。
話の内容は、強制憑依アプリという怪しげなアプリの話であり、それをインストールして欲しいと言われる。
頼まれたら断れない性格の俺は、送られてきたサイトに飛んで、その強制憑依アプリをインストールした。
まさかそれが、運命を大きく変える出来事に発展するなんて‥。当時の俺は、まだ知る由もなかった。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる