51 / 89
ファミリー・トリップ
2
しおりを挟む
中に入っていたのは、意外にもまた鍵とメモだった。
『さあ、次は韓国の銀行だよ、場所は……』
近くならともかく、韓国って…
父は一体、何を考えていたのだろう?
しかも、それだけではなかった。
銀行に行く前に立ち寄る場所も指示されていたのだ。
泊まるホテルや食事をする店、この店で毛皮のコートと帽子を買えというわけのわからない指示まであった。
そんなことをすることに何か意味があるんだろうか?
もしかして、メモに書いてある店に何か意味が?
そうでなければ、わざわざこんなに事細かに書くはずがない。
(そうよね…わざわざ韓国まで行かせるわけだし、きっと何か意味があるのよね?)
私は、早速、韓国の空港に飛んだ。
指定された通りに行動し、私は貸金庫の鍵を開けた。
今度もやはり中にはメモ用紙と鍵が入っていた。
『韓国の旅は楽しめたかな?次はアラスカの銀行だよ。』
「アラスカ?まさかあの寒いアラスカ??」
あまりにも無茶な指示に、私はだんだん腹が立ってきた。
今回ももちろんアラスカに着いてからの予定が書いてあった。
(オーロラを見るですって?私は観光に行くんじゃないのに…
あ…毛皮のコートは、アラスカに行かせるからだったのね。)
メモ用紙の下の方には小さな文字が書いてあった。
『イケメンとの旅はきっと楽しいぞ!』
イケメン?私の周りにはイケメンなんていないのに…
意味の分からないことばかり書いてあるメモに、さらに私は苛々してきた。
「ユミさん!」
銀行を出て名前を呼ばれ、私は反射的に振り向いた。
韓国に知り合いなんていないはずなのに…
『さあ、次は韓国の銀行だよ、場所は……』
近くならともかく、韓国って…
父は一体、何を考えていたのだろう?
しかも、それだけではなかった。
銀行に行く前に立ち寄る場所も指示されていたのだ。
泊まるホテルや食事をする店、この店で毛皮のコートと帽子を買えというわけのわからない指示まであった。
そんなことをすることに何か意味があるんだろうか?
もしかして、メモに書いてある店に何か意味が?
そうでなければ、わざわざこんなに事細かに書くはずがない。
(そうよね…わざわざ韓国まで行かせるわけだし、きっと何か意味があるのよね?)
私は、早速、韓国の空港に飛んだ。
指定された通りに行動し、私は貸金庫の鍵を開けた。
今度もやはり中にはメモ用紙と鍵が入っていた。
『韓国の旅は楽しめたかな?次はアラスカの銀行だよ。』
「アラスカ?まさかあの寒いアラスカ??」
あまりにも無茶な指示に、私はだんだん腹が立ってきた。
今回ももちろんアラスカに着いてからの予定が書いてあった。
(オーロラを見るですって?私は観光に行くんじゃないのに…
あ…毛皮のコートは、アラスカに行かせるからだったのね。)
メモ用紙の下の方には小さな文字が書いてあった。
『イケメンとの旅はきっと楽しいぞ!』
イケメン?私の周りにはイケメンなんていないのに…
意味の分からないことばかり書いてあるメモに、さらに私は苛々してきた。
「ユミさん!」
銀行を出て名前を呼ばれ、私は反射的に振り向いた。
韓国に知り合いなんていないはずなのに…
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……
夜の動物園の異変 ~見えない来園者~
メイナ
ミステリー
夜の動物園で起こる不可解な事件。
飼育員・えまは「動物の声を聞く力」を持っていた。
ある夜、動物たちが一斉に怯え、こう囁いた——
「そこに、"何か"がいる……。」
科学者・水原透子と共に、"見えざる来園者"の正体を探る。
これは幽霊なのか、それとも——?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
強制憑依アプリを使ってみた。
本田 壱好
ミステリー
十八年間モテた試しが無かった俺こと童定春はある日、幼馴染の藍良舞に告白される。
校内一の人気を誇る藍良が俺に告白⁈
これは何かのドッキリか?突然のことに俺は返事が出来なかった。
不幸は続くと言うが、その日は不幸の始まりとなるキッカケが多くあったのだと今となっては思う。
その日の夜、小学生の頃の友人、鴨居常叶から当然連絡が掛かってきたのも、そのキッカケの一つだ。
話の内容は、強制憑依アプリという怪しげなアプリの話であり、それをインストールして欲しいと言われる。
頼まれたら断れない性格の俺は、送られてきたサイトに飛んで、その強制憑依アプリをインストールした。
まさかそれが、運命を大きく変える出来事に発展するなんて‥。当時の俺は、まだ知る由もなかった。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる