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奇妙な依頼
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(一体、どういうことなんだ?)
私は、探偵を始めてもう十年あまりになる。
今まで様々な依頼を引き受けて来たが、今回のようにおかしな気分になるケースは初めてだ。
依頼者は、飯田啓子。
40代の専業主婦だ。
見た目には、品の良い穏やかそうな女性だ。
子供はおらず、夫と二人暮らしだという。
話し方も理路整然としたものだったが、その内容がどうにもおかしいのだ。
彼女の言い分はこうだ。
朝、出勤した夫が、いろいろな理由を付けてすぐに帰宅する。
彼女の夫は研究者で、普段はとても忙しく、家に戻って来ないこともしょっちゅうだったという。
その夫が、家に戻って来ては、何もせず、ただ一緒にテレビを見たり、他愛ないおしゃべりをし、夕方には夕飯の買い物にも出掛ける。
もしかして、研究所をやめたのではないかとも思ったが、夫の性格からして、万一やめたとしてもこんな風に無駄な時間を過ごすとは思えないと言うのだ。
そんな日々がもう三週間程続き、最近では旅行に行かないかと誘ったりもするらしく、そもそも態度も別人のように優しいし、それがどうにも腑に落ちないから、調べてほしいということだった。
普通、夫婦間での依頼となれば、その大半は浮気問題だ。
女が出来たら後ろめたさから優しくなるというケースもけっこうあるが、だが、今回のケースはとてもそうだとは思えない。
とりあえず、私は、早速明日から調査を始めることにした。
私は、探偵を始めてもう十年あまりになる。
今まで様々な依頼を引き受けて来たが、今回のようにおかしな気分になるケースは初めてだ。
依頼者は、飯田啓子。
40代の専業主婦だ。
見た目には、品の良い穏やかそうな女性だ。
子供はおらず、夫と二人暮らしだという。
話し方も理路整然としたものだったが、その内容がどうにもおかしいのだ。
彼女の言い分はこうだ。
朝、出勤した夫が、いろいろな理由を付けてすぐに帰宅する。
彼女の夫は研究者で、普段はとても忙しく、家に戻って来ないこともしょっちゅうだったという。
その夫が、家に戻って来ては、何もせず、ただ一緒にテレビを見たり、他愛ないおしゃべりをし、夕方には夕飯の買い物にも出掛ける。
もしかして、研究所をやめたのではないかとも思ったが、夫の性格からして、万一やめたとしてもこんな風に無駄な時間を過ごすとは思えないと言うのだ。
そんな日々がもう三週間程続き、最近では旅行に行かないかと誘ったりもするらしく、そもそも態度も別人のように優しいし、それがどうにも腑に落ちないから、調べてほしいということだった。
普通、夫婦間での依頼となれば、その大半は浮気問題だ。
女が出来たら後ろめたさから優しくなるというケースもけっこうあるが、だが、今回のケースはとてもそうだとは思えない。
とりあえず、私は、早速明日から調査を始めることにした。
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