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side芳樹

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それからまたしばらくして、彼女は高校をやめた。
あと少しで卒業という寒い日だった。



 僕は彼女のことを忘れようとして、彼女からもらったものや写真をすべて捨てた。



 僕に告白して来た女子に交際を申し込み、彼女を忘れようとした。
だけど、忘れるどころか、少しも楽しくなかった。
 何かある度に、紗羽と比べてしまい、却って、紗羽のことを思い出すことが多くなった。



どうしても僕は彼女のことが忘れられず…
彼女の家をこっそり見に行ったりもした。
だけど、しばらくすると、彼女の家は売り物件になっていた。



 彼女の結婚を機に、両親も引っ越すことにでもなったのか…
理由は何もわからなかった。



そして、僕は高校を卒業した。
 卒業アルバムの集合写真に、彼女の姿はない。



だけど、修学旅行や文化祭の時のスナップに彼女は映り込んでいた。
 屈託のない明るい笑顔を浮かべた彼女が…



僕は、その写真を見て、何度涙を流したことか…
愚かで惨めで滑稽な自分自身を呪いながら…
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