garden～夢の続きを

side芳樹

８

僕達は、今まで以上に仲良くなっていった。
 彼女への愛情はますます深くなり、まさに、毎日がキラキラと明るく輝いているようだった。



ところが、しばらくしてから、彼女の様子が少しずつ変わっていった。
 用事が出来たと会うのを断られたり、どこか僕を避けているような…
でも、思い当たるようなことは何もなかった。
 強いて言うなら、僕に告白して来た女子がいたことくらいだけど、その子には、好きな人がいるから…と、はっきり断ったし、だいぶ前のことだから、きっと原因はそれではないだろうと思えた。



そして、陽に焼けた腕が元の色に戻りかけた頃…
僕は彼女から、打ちのめされるような話を聞かされた。



 「岡本君、ごめんね。
 私…結婚することになったんだ。」

 「えっ！？」



 僕は、その時、頭の中が真っ白になって…
確か、完全に取り乱して、彼女に食ってかかってしまったと思う。



そのせいなのか、彼女はどんどん僕に対して冷たくなって…



「これはもうだいぶ前から決まってたことなの。
でも、恋愛もせずに結婚するのがなんか悔しかったから…だから、岡本君と付き合っただけなの。」

 「じゃ、じゃあ、君はただ恋愛がしたかっただけなのか？」

 「……そう。
 相手は誰でも良かった。」

 「えっ……」

あの時のショックは、今思い出しても胸が苦しくなる程だ。



 『誰でも良かった。』



その言葉が、頭の中をぐるぐるとかけ巡って、僕は込み上げる吐き気を懸命に堪えた。