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愛彩

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「……愛彩?どうかした?」

 「あ、ごめんね。
うん、良いよ。行く行く。
いつ?」

 「良かった~!
 今度の土曜日なんだ。」

 「あ……ごめん。
 土曜日は仕事なんだ。」

 「えー…そうなの。
 残念…でも、仕事なら仕方ないよね。」

 「本当にごめんね。
また誘って。
 早めに言っといてくれたら、その日に休み取るから。」

 「うん、じゃあ、そのうち…
ごめんね、急に電話して。」



なんだかほっとしたような…
それでいて、残念なような、複雑な想いを感じた。



 3年って、難しい時間だなって思う。
 確かに、今でも彼のことを思い出して悲しい気持ちになることもある。
だけど、その反面、意外と吹っ切れている一面もある。
 彼はもうこの世にはいない。
 泣いてたってどうにもならないっていう割り切ったような気持ちが…
私って、冷たいのかな?
きっと、私には、頼れる両親がいてくれたから、こんなに早く立ち直れたんじゃないかって思うんだけど…



自由に恋愛出来る瑞穂のことが、なんだかとても羨ましく思えた。
 私と瑞穂ではやっぱり事情が違う。



そんな時、なぜだかあの人の顔が頭に浮かんだ。
 今日のあのお客様の顔が…
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