上 下
13 / 50

しおりを挟む


「でも…僕に似合いますか?」

「ええ、お客様は身長もお高いですし、細身でいらっしゃるから、絶対にお似合いだと思いますよ。
 良かったら、ご試着だけでもいかがですか?」

「え……じゃあ、一応、着てみます。」




 気恥ずかしい想いはあったけど、ちょっとわくわくする気持ちもあり、僕は素直に試着室に入った。



 (……どうなんだろう?)



 鏡に映った僕は、確かにいつもの僕とどこか違う。
そのことがなんだか恥ずかしい。
やっぱりやめといた方が良いかな?
あ、そういえば、さっきの店員さん…
見てくれるかな?
いや、忙しいからもういないよな、きっと…



僕は、試着室の扉を小さく開いた。



 (いた!)



 「いかがですか?」

 「あ…そ、それが…」

 僕は、恐る恐る試着室から出て行った。



 「あぁ、すごくお似合いです!」

 「……本当ですか?」



 馬鹿なことを言った。
 彼女はこの店の店員なんだから、お世辞を言ってるだけだろうに…



「やっぱり、思った通りでした。
お客様は、こういう明るい色の方が絶対お似合いですよ。
あと、パンツももう少し細めのシルエットのものにされたら、もっと良いかと思います。」

 「……そうなんですか?」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

【完結】夫もメイドも嘘ばかり

横居花琉
恋愛
真夜中に使用人の部屋から男女の睦み合うような声が聞こえていた。 サブリナはそのことを気に留めないようにしたが、ふと夫が浮気していたのではないかという疑念に駆られる。 そしてメイドから衝撃的なことを打ち明けられた。 夫のアランが無理矢理関係を迫ったというものだった。

皇太子夫妻の歪んだ結婚 

夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。 その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。 本編完結してます。 番外編を更新中です。

貴方の事なんて大嫌い!

柊 月
恋愛
ティリアーナには想い人がいる。 しかし彼が彼女に向けた言葉は残酷だった。 これは不器用で素直じゃない2人の物語。

年下の彼氏には同い年の女性の方がお似合いなので、別れ話をしようと思います!

ほったげな
恋愛
私には年下の彼氏がいる。その彼氏が同い年くらいの女性と街を歩いていた。同じくらいの年の女性の方が彼には似合う。だから、私は彼に別れ話をしようと思う。

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

君を愛することはないと言う夫とお別れするためのいくつかのこと

あかね
恋愛
フレアとは結婚式当日夜に君を愛することはないと言われ、愛人の存在を告げられたことにより、ショックを受けることもなく婚姻を無効にするため、実家連絡をするような女である。そして、昔好きだった相手が襲来し、再婚の予約をしたので、さっさと別れたいと夫を元夫にすべく丸め込むのであった。

処理中です...