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「あれ?大樹君…ひとり?」

 「あぁ…すぐに来ると思うよ。」

そっか、ご両親と大樹君は住んでる場所が別だから、ここで待ち合わせにしたんだね。
 大樹君は私の向かいに座り、コーヒーを注文した。



 「美玖ちゃん、早くから来てたの?」

 「ううん、ついさっき来たとこ。」

つい嘘を吐いちゃったけど、飲み干したコーヒーを見れば、バレてるかな?



ドアベルの音に顔をあげたら、入って来たのは若い女性だった。 
 待ち合わせの時間まではあと5分… 
おじさん達、早く来ないかな…? 

そんなことを考えていたら、女性が私達の席に来て… 



「あ、ここ、座って。」

 大樹君は微笑み、その女性を隣に座らせた。 



 (……どういうこと??)



 「美玖ちゃん、こちら、山倉美樹さん。」

 「初めまして。山倉美樹です。」

 良く見ると、その人はとても整った顔をしていた。
 私なんかとは比べものにならない程の別嬪さんだ。



 「は、初めまして。高藤美玖です。」 

そう言いながらも心の中は『この人、誰?』って疑問でいっぱいになっていた。



 「実はね……」

 大樹君ははにかみ、言葉が途切れる。
なんだかものすごくいやな予感がしてきて、私は今すぐその場から逃げ出したい衝動にかられていた。
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