13 / 14
13
しおりを挟む
*
「ジョセフ!」
「シーナ…心配かけてすまなかったね。」
シーナとジョセフは、きつく抱き合った。
「ジョセフ王子、良くぞ無事に戻ってくれた。」
「陛下…救援隊を派遣して下さり、本当にどうもありがとうございました。
お陰様でこうして無事に戻って来ることが出来ました。」
国王は、深く頷いた。
「陛下、今回の任務は成功だと言えるのでしょうか?
一応、貿易の荷は持って参りましたが、負傷者も多く出ましたし、救援隊に来てもらわなければ、ここへ戻ることも出来たかどうかわかりません。
ですから、今回の任務は失敗だと言われれば、僕はそれを受け入れます。
ですが、その場合はぜひまた別の任務をお与え下さい。
次こそは、必ず遂行してみせますから。」
「ジョセフ王子…君はそれほどまでにシーナのことを…」
「もちろんです!
僕はシーナのためなら、どんなことでもすると言ったではありませんか。
あの言葉に嘘はありません。」
国王は、ジョセフを見つめ、深く頷いた。
「ジョセフ王子、此度のこと、本当に申し訳なく思っている。
シーナは子供の頃、とても体が弱く…特に手をかけて育てたせいか、とても可愛いのだ。
だから、まだ嫁に出したくはなかった。
相手が君だからということではなく、まだ私の傍に置いておきたかったのだ。
だからこそ、あんな任務を授けたのだ。
誰だって命は惜しい。
あんな話は、君もきっと断ると思っていたのだ。
それに、こんな危険な任務を与えたら、君の御父上も私を咎め、シーナを妃に等絶対にされないと思ったのだが、そうはならなかった。
陛下は、それを快く許された。
本当に器の大きなお方だ。
そして、君は此度の任務をやり遂げた。
海賊たちと勇敢に戦い、貿易の荷を護り抜いてくれた。
君ならきっとシーナのことを大切にしてくれるだろう。
ジョセフ王子…シーナのことを、よろしく頼む。」
「陛下……!」
ジョセフは、国王の手を固く握りしめた。
シーナは感激のあまり、涙を流し、そっと俯いた。
「ジョセフ!」
「シーナ…心配かけてすまなかったね。」
シーナとジョセフは、きつく抱き合った。
「ジョセフ王子、良くぞ無事に戻ってくれた。」
「陛下…救援隊を派遣して下さり、本当にどうもありがとうございました。
お陰様でこうして無事に戻って来ることが出来ました。」
国王は、深く頷いた。
「陛下、今回の任務は成功だと言えるのでしょうか?
一応、貿易の荷は持って参りましたが、負傷者も多く出ましたし、救援隊に来てもらわなければ、ここへ戻ることも出来たかどうかわかりません。
ですから、今回の任務は失敗だと言われれば、僕はそれを受け入れます。
ですが、その場合はぜひまた別の任務をお与え下さい。
次こそは、必ず遂行してみせますから。」
「ジョセフ王子…君はそれほどまでにシーナのことを…」
「もちろんです!
僕はシーナのためなら、どんなことでもすると言ったではありませんか。
あの言葉に嘘はありません。」
国王は、ジョセフを見つめ、深く頷いた。
「ジョセフ王子、此度のこと、本当に申し訳なく思っている。
シーナは子供の頃、とても体が弱く…特に手をかけて育てたせいか、とても可愛いのだ。
だから、まだ嫁に出したくはなかった。
相手が君だからということではなく、まだ私の傍に置いておきたかったのだ。
だからこそ、あんな任務を授けたのだ。
誰だって命は惜しい。
あんな話は、君もきっと断ると思っていたのだ。
それに、こんな危険な任務を与えたら、君の御父上も私を咎め、シーナを妃に等絶対にされないと思ったのだが、そうはならなかった。
陛下は、それを快く許された。
本当に器の大きなお方だ。
そして、君は此度の任務をやり遂げた。
海賊たちと勇敢に戦い、貿易の荷を護り抜いてくれた。
君ならきっとシーナのことを大切にしてくれるだろう。
ジョセフ王子…シーナのことを、よろしく頼む。」
「陛下……!」
ジョセフは、国王の手を固く握りしめた。
シーナは感激のあまり、涙を流し、そっと俯いた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
賢者様の仲人事情
冴條玲
ファンタジー
もし、自分の家の庭に見知らぬ他人が死体を持ち込んでいたとしたらどうだろう?
その日、ティリスはまさにそういう場面に遭遇した。
持ち込まれたのは死体よりもタチの悪いもの。
動く死体、ゾンビだった。
**ーー*ーー**
かたや、男の子のように振る舞うのが大好きな可愛らしい姫君。
かたや、愛すべき死霊術師な皇太子。
大賢者ロズ様の「そんな二人にふつうの恋を」計画は成功なるのか――?
「おまえを愛することはない!」と言ってやったのに、なぜ無視するんだ!
七辻ゆゆ
ファンタジー
俺を見ない、俺の言葉を聞かない、そして触れられない。すり抜ける……なぜだ?
俺はいったい、どうなっているんだ。
真実の愛を取り戻したいだけなのに。
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
悲恋を気取った侯爵夫人の末路
三木谷夜宵
ファンタジー
侯爵夫人のプリシアは、貴族令嬢と騎士の悲恋を描いた有名なロマンス小説のモデルとして持て囃されていた。
順風満帆だった彼女の人生は、ある日突然に終わりを告げる。
悲恋のヒロインを気取っていた彼女が犯した過ちとは──?
カクヨムにも公開してます。
【完結】魔獣に喰い殺されたくないので、婚約者ではなく幼馴染の立場を希望します!
Ria★発売中『簡単に聖女に魅了〜』
ファンタジー
魔獣に喰い殺される未来を変えていた筈が、ストーリー通り魔獣の森に捨てられて・・・どうなっちゃうの⁉︎
【0歳〜10歳】攻略対象と出会ったり
【11歳〜16歳】ヒロイン出てきたり
【16歳〜】プロローグ後のお話
異世界あるある、幼児の頃からの教育のお陰?で早熟
年齢+2歳くらいの感覚で読んで頂けると良い感じかもしれないです。
感想欄は、完結後に開きますね。
◇◇◇
【あらすじ】
フェリシアは、ヒロインを虐め抜き、婚約者に見切りをつけられて、魔獣の森に捨てられる。
そして、フェリシアは魔獣の森で魔獣に喰い殺される。
と言うのが、乙女ゲームでの私の役割。
フェリシアの決断で、ゲームのストーリーは徐々に変わっていく・・・筈が、強制力とは恐ろしい。
結局魔獣の森に捨てられてしまう。
※設定ふんわり
※ご都合主義
※独自設定あり
◇◇◇
【HOT女性向けランキングに載りました!ありがとうございます♪】
2022.8.31 100位 → 80位 → 75位
2022.9.01 61位 → 58位 → 41位 → 31位
2022.9.02 27位 → 25位
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる