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しおりを挟む結局、凛子に会えたのはお昼休みだった。
お弁当を持って、凛子のクラスまで走り、凛子を捕まえた。
「お姉ちゃん…どうしたの?」
「凛子、今日は一緒にお昼ごはん食べよう。」
「え?そ、そう?」
私は、凛子を体育館の裏に連れ出した。
すでに、カップルが一組いたけど、離れてるから、声は聞こえないと思う。
私と凛子は、階段に並んで腰かけ、お弁当を広げた。
「……お姉ちゃん、もしかして、あの噂聞いたの?」
「えっ!?」
焦る私とは裏腹に、凛子は落ち着いた様子でお弁当を食べていた。
「う、うん。
あ、凛子のことはもちろん信じてるよ。
ただ、どうしてそんな誤解が生じたのかなって……」
凛子は、ごはんを食べるのを止めて、黙り込んだ。
「……凛子?」
「私…やましいことはしてないよ。」
「う、うん、わかってる。
凛子はそんなことしないよね。」
「本当にそう思ってくれる?」
「うん、当然だよ。」
私がそう言うと、みるみるうちに凛子の目が潤んで…
「良かった。
私、お姉ちゃんと一緒なら、それで良いんだ。
お姉ちゃんさえいてくれたら、それで…」
そう言うと、凛子はお弁当をどんどん口に運び始めた。
(どういう…意味?)
私は、凛子の言葉の意味がわからず、ただ戸惑うばかりだった。
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