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 「あなたの妹さんって、なんかすごい人ね。」

クラスメイトの橘さんがきつい視線で私を睨む。
でも、言われたその言葉の意味が、私には皆目わからなかった。



 「え……凛子が何か?」

 「何か、ですって?
まさか、知らないとでも言うの?」

 「え?知らないって…何を?」

 「こんなことも知らないなんて、信じられない人ね。
 良い?あなたの妹さん、瀬名君と付き合っていながら、二股かけてたのよ!」

 「えっ!?」



 (フタマタ?)



 凛子が、遼ちゃんを裏切って、他の誰かと付き合ってたってこと?
そんなこと、あるはずない。



 「え、えっと…凛子に限ってそんなことはないと思います。」

 「本当におめでたい人ね。
 証拠だってあるし、もうみんな知ってるんだから!」



 (証拠??)



そんな馬鹿なこと、絶対にあるはずがない。
 凛子は遼ちゃんのことが大好きだし、ふたりの仲は順調なはず。
 喧嘩でもしたなら凛子はきっと私に相談するはずだし、たとえ、遼ちゃんとの間に何かトラブルがあったとしても、いきなり他の誰かと付き合ったりなんてしない。
そのくらい、私にはわかるし、信じてるよ。
 私は凛子の姉なんだから。

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