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(何やってるんだろう…俺は…)
スマホの画面を見ながら、俺は軽い自己嫌悪に陥っていた。
馬鹿だ…
あんなメールを真に受けるなんて…
(え?)
俺はさっき見たばかりのメールがなくなっていることに気がついた。
(なぜだ?)
削除した覚えはないのに、あのメールは忽然と消えていた。
さらに、送信メールも見てみたがそこにもメールはなかった。
(……どういうことだ!?)
俺が今のネット事情に疎いだけなのか?
都合の悪いメールは、削除するような機能がすでに出来てるということなんだろうか??
訳が分からないまま、俺は、スマホをテーブルに投げ出した。
なんらかの詐欺にでも巻き込まれたのなら、きっとそのうち反応があるだろう。
金を払えだのなんだのって…
ソファに深く腰掛け、俺はついさっきのことに想いを馳せた。
『過去のあなたに伝えたいことはありませんか?
過去のあなたに10文字の言葉を送ります。』
テレビを見ていた時に届いたメール。
なにげなくそれを見た時、俺の頭の中に何十年も昔のことがリンクした。
そう、それはまるで昨日のことのように鮮明で、鼓動が急に速くなるのを感じた。
俺は、メールを読み進める一方で、早くも送る10文字のことを考えていた。
そして、その言葉はすぐに決まった。
『受験はやめろ後悔する』
メールには「返信」で10文字の言葉を送るように書かれていた。
頭に浮かんだ文字はちょうど10文字。
俺は、どこかぼんやりとしながら返信の画面に移行し、文字を打ち込む。
『受験はやめろ後悔する』
すっかり囚われていた…
あの時の記憶が鮮明によみがえり、俺はそのことで頭がいっぱいになっていた。
送信ボタンをタップする。
そして、ようやく我に返った…
俺は何をやってるんだろう?
過去の俺にメールを送るだって?
いくら現代のネット環境が進んだからって、そんなことが出来るはずがない。
俺は何をやってるんだ?
差出人についての記述はなかった。
ただ、簡潔に送信の仕方が書いてあっただけだった。
メアドもまるで覚えていない…
いや、そんなことを覚えていたところで、今更、何になるというのか…
(何やってるんだろう…俺は…)
スマホの画面を見ながら、俺は軽い自己嫌悪に陥っていた。
馬鹿だ…
あんなメールを真に受けるなんて…
(え?)
俺はさっき見たばかりのメールがなくなっていることに気がついた。
(なぜだ?)
削除した覚えはないのに、あのメールは忽然と消えていた。
さらに、送信メールも見てみたがそこにもメールはなかった。
(……どういうことだ!?)
俺が今のネット事情に疎いだけなのか?
都合の悪いメールは、削除するような機能がすでに出来てるということなんだろうか??
訳が分からないまま、俺は、スマホをテーブルに投げ出した。
なんらかの詐欺にでも巻き込まれたのなら、きっとそのうち反応があるだろう。
金を払えだのなんだのって…
ソファに深く腰掛け、俺はついさっきのことに想いを馳せた。
『過去のあなたに伝えたいことはありませんか?
過去のあなたに10文字の言葉を送ります。』
テレビを見ていた時に届いたメール。
なにげなくそれを見た時、俺の頭の中に何十年も昔のことがリンクした。
そう、それはまるで昨日のことのように鮮明で、鼓動が急に速くなるのを感じた。
俺は、メールを読み進める一方で、早くも送る10文字のことを考えていた。
そして、その言葉はすぐに決まった。
『受験はやめろ後悔する』
メールには「返信」で10文字の言葉を送るように書かれていた。
頭に浮かんだ文字はちょうど10文字。
俺は、どこかぼんやりとしながら返信の画面に移行し、文字を打ち込む。
『受験はやめろ後悔する』
すっかり囚われていた…
あの時の記憶が鮮明によみがえり、俺はそのことで頭がいっぱいになっていた。
送信ボタンをタップする。
そして、ようやく我に返った…
俺は何をやってるんだろう?
過去の俺にメールを送るだって?
いくら現代のネット環境が進んだからって、そんなことが出来るはずがない。
俺は何をやってるんだ?
差出人についての記述はなかった。
ただ、簡潔に送信の仕方が書いてあっただけだった。
メアドもまるで覚えていない…
いや、そんなことを覚えていたところで、今更、何になるというのか…
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