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 「おはよう、マリアン!」

 「またいらっしゃったのですか。」

マリアンは、呆れた様子で答えました。



 「あぁ、良かったら、今日はギリアムのお墓に連れて行ってくれないか?」



アーロンは、少しでもマリアンの心をほぐそうと思い、そんなことを言ったのでした。
 町の花屋で白い花を買い、マリアンとアーロンは、ギリアムの墓を訪ねました。
ギリアムのお墓は、日当たりの良い丘の上にありました。



アーロンは、ギリアムの墓に花を手向け、祈りを捧げました。



 (私もまだ半信半疑だが…
魔女によれば、君は僕の前世らしい。
どうか、このマリアンの説得がうまくいくように、力を貸してくれ。)



 「あの……どうして、この花を選ばれたのですか?」

 「え?特に理由はないが…この花が何か?」

 「い、いえ……」

マリアンは、どこか慌てた様子で俯きました。



 「せっかくのお天気だし、散歩でもしようか。」

 「え…はい。」

アーロンは、その場から歩き始めました。
マリアンは、アーロンの少し後ろを歩きます。
しばらく歩くと、町が一望出来る拓けた場所に出ました。



 「ここの景色は……うっ。」

 話しかけたアーロンは、不意に頭を抱えて呻きました。



 「大丈夫ですか?」

 「あ…あぁ…」

アーロンは、その場に腰を下ろしました。



 (なんだ、今の痛みは…そして、今の映像は…
私は、この景色を見たことがある…
初めて来たはずなのに…なぜ…!?)



 「……ここは、ギリアムのお気に入りの場所でした。
ここから、町を眺めては彼は、う……」



その時、アーロンは歌を歌い始めました。
 小さな子供が歌うわらべ歌です。



 (私はなぜこんな歌を歌っているんだ?
それに、これは何の歌なんだ?)



 「なぜ、その歌を……!」

マリアンは、涙を流し、アーロンをじっとみつめます。



 「私にもわからない。
 自分でもわからないうちに、口ずさんでいたのだ。」

アーロンにもわけがわからず、戸惑っていました。
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