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時は流れて
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*
それから、長い年月が過ぎました。
すでに、ずっと昔に両親やお兄様は亡くなりました。
クリストファーは、何代目のお供なのかも忘れてしまいました。
長い旅の間に、チクタクの森をいくつかみつけました。
新月の晩に見張っていると、やはり、大きな袋が歩いていて、それを担いでいるのは、私達が出会った白いうさぎでした。
けれど、全く同じに見えても、私達が会ったうさぎとはどのうさぎも別人らしいのです。
チクタクの森はみつかっても、肝心なチクタクの修理屋はまだみつかりません。
手掛かりひとつ、みつからないのです。
*
「明日は東の山の方に行ってみましょう!」
シュゼットは相変わらずとても楽天的です。
こんなに長い間みつからなくても、諦めることもくじけることもなく、感傷的な私を支えてくれています。
「今、山にはコケモモがたくさん実ってるそうよ!
楽しみだわ!」
「それは素敵ね。」
(私は、酸っぱいものはあんまり好きじゃないんだけれど……)
そんな想いを胸に秘め、瞳を宝石のように輝かせるシュゼットに向かって、私はにっこりと微笑みました。
***
「ほら、やっぱりここに来て正解だったでしょう?」
そう言って、シュゼットは、たわわに実ったコケモモを口の中に放り込みました。
予定通り、東の山の森に向かった私達は、そこでチクタクの音を耳にしました。
しかも、ちょうど新月です。
「大丈夫よ。きっと、今夜は修理屋がみつかるわ。」
それは、シュゼットの口癖でした。
一度もその言葉が現実になったことはありませんが、それでもシュゼットは毎回同じ言葉を口にします。
やがて夜になり、私達が息を潜めて隠れていると、思った通り、大きな袋がもこもこと歩いてきました。
見慣れた光景ではありますが、いつ見てもそれはおかしなものです。
袋は泉に向かうことを知っていますから、私達は泉の近くに隠れていました。
そして、うさぎが倉庫に戻るところを、いつものようにつけていったのです。
それから、長い年月が過ぎました。
すでに、ずっと昔に両親やお兄様は亡くなりました。
クリストファーは、何代目のお供なのかも忘れてしまいました。
長い旅の間に、チクタクの森をいくつかみつけました。
新月の晩に見張っていると、やはり、大きな袋が歩いていて、それを担いでいるのは、私達が出会った白いうさぎでした。
けれど、全く同じに見えても、私達が会ったうさぎとはどのうさぎも別人らしいのです。
チクタクの森はみつかっても、肝心なチクタクの修理屋はまだみつかりません。
手掛かりひとつ、みつからないのです。
*
「明日は東の山の方に行ってみましょう!」
シュゼットは相変わらずとても楽天的です。
こんなに長い間みつからなくても、諦めることもくじけることもなく、感傷的な私を支えてくれています。
「今、山にはコケモモがたくさん実ってるそうよ!
楽しみだわ!」
「それは素敵ね。」
(私は、酸っぱいものはあんまり好きじゃないんだけれど……)
そんな想いを胸に秘め、瞳を宝石のように輝かせるシュゼットに向かって、私はにっこりと微笑みました。
***
「ほら、やっぱりここに来て正解だったでしょう?」
そう言って、シュゼットは、たわわに実ったコケモモを口の中に放り込みました。
予定通り、東の山の森に向かった私達は、そこでチクタクの音を耳にしました。
しかも、ちょうど新月です。
「大丈夫よ。きっと、今夜は修理屋がみつかるわ。」
それは、シュゼットの口癖でした。
一度もその言葉が現実になったことはありませんが、それでもシュゼットは毎回同じ言葉を口にします。
やがて夜になり、私達が息を潜めて隠れていると、思った通り、大きな袋がもこもこと歩いてきました。
見慣れた光景ではありますが、いつ見てもそれはおかしなものです。
袋は泉に向かうことを知っていますから、私達は泉の近くに隠れていました。
そして、うさぎが倉庫に戻るところを、いつものようにつけていったのです。
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