神在琉葵(かみありるき)

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(嘘……)



 慌てて顔を出して鏡を閉じ、ソファに深く腰掛けて早くなった鼓動を落ち着かせる。



 (私、自分で思ってるより酔ってるんだわ。
だからおかしなものを見てしまったんだ。)



おばあちゃんの部屋を出て、私は濃いお茶を煎れて飲んだ。
 今夜は早めに寝てしまおう…
そう思った時、不意にスマホが鳴った。
 画面に出ているのは、恭子の名前。

きっとまたトシと麻美の話だ。
 私は流れる着うたを聞きながら、その音が途切れるのを待った。
ようやく切れたと思ったら、今度はLINEの着信音が鳴った。
 思った通り、それは恭子からのLINE。
 少し迷ったけど、やはり開いてしまった。



 『二人の姿を見失った。
 麻美ったら、トシ君にべたべたして、すっごくムカつく!
 時間が出来たら電話ちょうだい!』



 恭子ったら、二人を尾行していたの?
なんでそこまで…
二人がどうなろうと、私にはもう関係ないのに…



煩わしくなって、私はスマホの電源を落とした。


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