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エリーズを探して

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まさか…俺が長い間戻って来なかったから、エリーズの奴、俺に愛想を尽かせて… 



「ない、ない、ない、ない!!」



そんなことあるもんか。 エリーズは、俺と結婚するって言ってくれたんだ。
二年かけて、ようやく俺という男の良さをわかってくれたんだ。 
そう簡単に心変わりなんてするもんか。 



うん、大丈夫だ。 
必ず、エリーズはみつかる!
そうだ…もしかしたら、エリーズは気晴らしにお宝探しに行ってるだけかもしれない。
俺がいない寂しさをそういうことで晴らしてても不思議はない。 



そうだよな… 
ずっと宿屋にいたら、誰だって退屈だもんな。
外にも出かけたくなるよな…



そう考えると、少しだけ気持ちが落ち着いた。 



(エリーズ…愛してる…)




エリーズのことを考えながら、俺はいつの間にか眠りに落ちていた。 







(あぁ、腹へった。) 



激しい空腹を感じて、俺は目を覚ました。
柱の時計を見ると、もう夕方だった。
思ったよりも長い間眠っていたようだ。
俺は、身支度を済ませると、町のレストランに向かい、その足で昨日の酒場に戻った。 



昨夜聞いた二人組のトレジャー・ハンターはまだ帰っていなかった。 

俺は昨夜と同じようにエリーズの情報を聞いて回ったが、誰からもエリーズに関する話は聞けなかった。



仕方なく、適当なテーブルに紛れ込み、一緒に酒を飲んでいたところ、新たに入ってきた男がエリーズらしき女を見たと話した。 
男の話す女の外見はまさにエリーズそのものだ。
間違いなくそれはエリーズだと思った。



「あんな別嬪はめったにいないからな。良く覚えてるぜ。
たまにひとりでここに来ては、何杯かあおって帰っていったよ。」 

「それで、エリーズとはどんな話をしたんだ?」

「話?あの女は綺麗だがひどく可愛いげのない女でな。
誰が話しかけても、ろくな返事はしなかった。」

「そうか…」



そうなんだよな… 
エリーズは最初からそうだった。 
俺もどれだけこけにされたことか… 
本当にクールな女なんだ。 



「そういえば…」

「何かあったのか?」

「一度だけ、あの女が涙を流してるのを見たことがある。飲み過ぎたんだかなんだかわからないが、とても悲しそうな顔をしていたな。」

「悲しそうな顔…」



そうか…俺のせいなんだな。
すまない、エリーズ… 
俺が長いことひとりにしちまったから… 



きっと、エリーズは寂しかったんだな。 
寂しくてたまらずに、それで気晴らしにお宝探しに出掛けた… 
多分、そんなところだろう。
でも、それなら、俺に伝言の一つでも残しておいてくれりゃあ良いものを… 

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