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フクロウじいさん
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「何を食べる?」
「あんたに任せるよ。」
「そうか…それじゃあ…」
俺はウェイトレスを呼び止めた。
「うまい肉とあとは適当にみつくろってくれ。
それと、酒を…」
とにかくここは肉料理がうまいとのことだから、肉を食べないわけにはいかない。
「そういえば、あんた、料理が得意なのか?」
「え?」
「ほら…バーバラの家で…」
「あぁ…得意ってほどじゃないけどな。
作るのは好きなんだ。
それにあの時は、魔女が朝食を作るって言ってくれたけど、どんなものを食わされるのか心配で…それで俺が作るって言ったんだ。」
「なんだ、そういうことだったのか。」
「でも、意外なことに台所には変わったものは特になかった。
人間が食べるものとなんら変わりはなかったんだ。
魔女だから、きっとおかしなものを食べてるんだろうと思ってたのにな…」
やっぱりアランは用心深い性格みたいだ。
なのに、なぜ、惑わしの森になんか行ったのか… 不思議な気はするが、きっと山育ちゆえによほどの自信があったんだろうな。
「そういえば、あんた、トレジャー・ハンターになってどのくらいなんだ?」
「う~ん…何年になるかな。」
「どういうことだ?忘れたのか??」
「ほら…惑わしの森に何年いたのかわからないからな。」
「なるほど、そういうことか。じゃ、惑わしの森に行くまでにはどのくらいやってたんだ?」
「それなら、一年くらいだ。」
「一年?たった一年で、惑わしの森に行ったのか?」
「まぁな。」
アランは照れくさそうに笑った。
全く信じられない話だ。
あの森は駆け出しの…しかも、たったの一年しか経験のない者になんとか出来る場所じゃない。
無謀としか言えない…
駆け出しだからこそ、そんな無謀なことが出来たんだろう。
まぁ、実際に山に詳しかったからこそ、長い間あの森で生き延びることが出来たんだろうが、そうじゃなきゃきっと命を落としてる。
あの崖を見てもありの巣だと気付かなかったのも、一年の駆け出しならば納得だ。
「あんたに任せるよ。」
「そうか…それじゃあ…」
俺はウェイトレスを呼び止めた。
「うまい肉とあとは適当にみつくろってくれ。
それと、酒を…」
とにかくここは肉料理がうまいとのことだから、肉を食べないわけにはいかない。
「そういえば、あんた、料理が得意なのか?」
「え?」
「ほら…バーバラの家で…」
「あぁ…得意ってほどじゃないけどな。
作るのは好きなんだ。
それにあの時は、魔女が朝食を作るって言ってくれたけど、どんなものを食わされるのか心配で…それで俺が作るって言ったんだ。」
「なんだ、そういうことだったのか。」
「でも、意外なことに台所には変わったものは特になかった。
人間が食べるものとなんら変わりはなかったんだ。
魔女だから、きっとおかしなものを食べてるんだろうと思ってたのにな…」
やっぱりアランは用心深い性格みたいだ。
なのに、なぜ、惑わしの森になんか行ったのか… 不思議な気はするが、きっと山育ちゆえによほどの自信があったんだろうな。
「そういえば、あんた、トレジャー・ハンターになってどのくらいなんだ?」
「う~ん…何年になるかな。」
「どういうことだ?忘れたのか??」
「ほら…惑わしの森に何年いたのかわからないからな。」
「なるほど、そういうことか。じゃ、惑わしの森に行くまでにはどのくらいやってたんだ?」
「それなら、一年くらいだ。」
「一年?たった一年で、惑わしの森に行ったのか?」
「まぁな。」
アランは照れくさそうに笑った。
全く信じられない話だ。
あの森は駆け出しの…しかも、たったの一年しか経験のない者になんとか出来る場所じゃない。
無謀としか言えない…
駆け出しだからこそ、そんな無謀なことが出来たんだろう。
まぁ、実際に山に詳しかったからこそ、長い間あの森で生き延びることが出来たんだろうが、そうじゃなきゃきっと命を落としてる。
あの崖を見てもありの巣だと気付かなかったのも、一年の駆け出しならば納得だ。
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