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魔女、再び

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「かんぱーい!」

久しぶりの酒はやはり良い。
今までは、ユリウスの手前も考え、飲みに行くこともなかったが、思い切って出てきて良かったと思った。
少し飲むと気分が良くなり、周りの者たちともすぐに打ち解けて、グラスを合わせた。
アランは、あまり酒が好きではないらしく、浮かない顔でなめるようにちびちびと飲んでいた。



「あんた、旅でもしてるのか?」

真っ赤な顔をしたひげもじゃの男が、親し気に声をかけてきた。
アランは疎まし気な目つきで、男を睨み付ける。



「まぁな。」

「どこに行くんだ?」

「どこって…特に行き先が決まってるわけじゃないんだ。
あ、そういえば、あんた達、このあたりで白いフクロウを見なかったかい?」

「白いフクロウ…?」

「あ!俺、見たぞ!」

鼻の頭を赤くした、はげちゃびんの男が手を挙げた。



「見たのか?白いフクロウを…」

「あぁ…何日か前に、見た。」

「本当か?それは何日前だったんだ?
どっちに飛んでった?」

「一週間かそこら…いや、四、五日くらい前だったかな。
山の方へ飛んでったぜ。
……あんた、フクロウを探してるのか?」

「まぁな…そっか、山の方に飛んでったのか。」

思わぬところで良い情報を聞きこむことが出来た。
しかし、やはりあの崖で手間取ったせいか、アレクシスとの間には数日の差が出来てしまったようだ。
行き先が山だとなると、また時間がかかる。

アレクシスを捕まえるのは本当に大変なことだ。



「もしかしたら、魔女に捕まってるんじゃないか?」

「魔女…?この近くの山に魔女がいるのか?」

「あぁ…魔女はフクロウを使い魔にするという。
特に、白いフクロウを気に入ってるって聞いたことがあるぞ。」

その噂は俺も聞いたことがあった。
現にこないだ会ったサンドラばあさんも、アレクシスを捕まえようとしたと言っていた。



「その魔女の家はどこなんだ?」

「それなら…」

男は、魔女の住処を教えてくれた。
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