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*
「そ、それはさすがに無理です!」
大谷さんは、噴き出る汗を拭った。
私は、ふとした瞬間に『夢』をみつけてしまったのだ。
今の私にないもの…それは、地位や名誉というものだと気が付いたのだ。
それらはなかなか手に入れられるものではないけれど、持っている人に分けてもらうことなら容易く出来る。
そして、私の傍にはそれらを持っている人がいる。
無謀なことだという想いもあったけど、だめ元でやってみることにしたのだ。
「どうしてです?
私は、彼のために警察に嘘を吐いたんですよ。
しかも、ひん死の傷を負った。」
「はい、ですから、こちらとしても出来得ることをさせていただいてますし、あなた様が生きてらっしゃる間、ずっとそれを続けることも約束しました。」
「それなら出来るはずですわ。
私と結婚するくらいのこと。
結婚すれば、ますます秘密は保持されるんじゃないですか?
夫の不利になることを私が言うはずはないんですから。
それは、そちらにしても大きなメリットだと思うのですが…」
大谷さんは、さらに大量の汗をかき、沈んだ顔で俯いた。
*
それから、二週間程の時が流れた。
大谷さんからは何の連絡もなかった。
やっぱり、無理だったか…そう思っていた矢先、連絡が入って来たのだ。
「ほ、本当ですか!?」
自分でも信じられない想いだった。
ダメ元で頼んでみたことが、受け入れられたのだから。
「そ、それはさすがに無理です!」
大谷さんは、噴き出る汗を拭った。
私は、ふとした瞬間に『夢』をみつけてしまったのだ。
今の私にないもの…それは、地位や名誉というものだと気が付いたのだ。
それらはなかなか手に入れられるものではないけれど、持っている人に分けてもらうことなら容易く出来る。
そして、私の傍にはそれらを持っている人がいる。
無謀なことだという想いもあったけど、だめ元でやってみることにしたのだ。
「どうしてです?
私は、彼のために警察に嘘を吐いたんですよ。
しかも、ひん死の傷を負った。」
「はい、ですから、こちらとしても出来得ることをさせていただいてますし、あなた様が生きてらっしゃる間、ずっとそれを続けることも約束しました。」
「それなら出来るはずですわ。
私と結婚するくらいのこと。
結婚すれば、ますます秘密は保持されるんじゃないですか?
夫の不利になることを私が言うはずはないんですから。
それは、そちらにしても大きなメリットだと思うのですが…」
大谷さんは、さらに大量の汗をかき、沈んだ顔で俯いた。
*
それから、二週間程の時が流れた。
大谷さんからは何の連絡もなかった。
やっぱり、無理だったか…そう思っていた矢先、連絡が入って来たのだ。
「ほ、本当ですか!?」
自分でも信じられない想いだった。
ダメ元で頼んでみたことが、受け入れられたのだから。
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