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それから、二人は不思議な世界で一緒に暮らし始めました。
それは幸せな日々でしたが、ディランはふとした時に、何かを悩んでいるような顔をするのが、アリシアはとても気掛かりでした。
「ねぇ、ディラン…もしかして、あなた、何か悩みごとがあるんじゃないの?」
「え…?あぁ…実はね…ミリアムのことなんだ。」
ディランは話し始めました。
ディランは、コツコツと貯めていたお金と、改良した小麦の種をある場所に隠したまま、この世界に来てしまったことを悔やんでいたのです。
「ミリアムだけには伝えておけばよかった。
あいつはまだ農業を始めて間もないし、教えてやることもまだいっぱいあったのに…
急に僕がいなくなって、きっとあいつは困ってると思うんだ。」
「そうだったの…」
ディランには親がいません。
弟のミリアムだけが家族でした。
それはミリアムにとっても同じこと。
まだ14歳のミリアムは、ディランを亡くし、ひとりぼっちになってしまったのです。
「僕のせいで、ミリアムは…」
ディランは、声を詰まらせ頭を抱えました。
(可哀想なディラン…)
アリシアは、憔悴しきったディランにかける言葉がみつけられませんでした。
それは幸せな日々でしたが、ディランはふとした時に、何かを悩んでいるような顔をするのが、アリシアはとても気掛かりでした。
「ねぇ、ディラン…もしかして、あなた、何か悩みごとがあるんじゃないの?」
「え…?あぁ…実はね…ミリアムのことなんだ。」
ディランは話し始めました。
ディランは、コツコツと貯めていたお金と、改良した小麦の種をある場所に隠したまま、この世界に来てしまったことを悔やんでいたのです。
「ミリアムだけには伝えておけばよかった。
あいつはまだ農業を始めて間もないし、教えてやることもまだいっぱいあったのに…
急に僕がいなくなって、きっとあいつは困ってると思うんだ。」
「そうだったの…」
ディランには親がいません。
弟のミリアムだけが家族でした。
それはミリアムにとっても同じこと。
まだ14歳のミリアムは、ディランを亡くし、ひとりぼっちになってしまったのです。
「僕のせいで、ミリアムは…」
ディランは、声を詰まらせ頭を抱えました。
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