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side アラステア
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「心配しなくて良いんだよ…アラステア。
僕が良いお医者様を探して絶対に治してみせるから。」
「スコット…どうしたの?
どうして急にそんなことを……」
彼はとても真っ直ぐな瞳で僕をみつめた。
「アラステア…良く聞くんだ。
君は病気にかかっている。」
「え……?」
「ほら、良く見てごらん……
この部屋には君しかいない。
良いかい……君が愛したのは、君自身だ。
鏡の中の君自身なんだ!」
その言葉で僕は気付いた。
彼はきっと、僕がここに通い詰めていることに気付いてたんだ。
そして、僕の様子を観察して…僕の頭がおかしくなったと思い込んで……
(どうして、直接僕に訊いてくれないんだ……)
「アラステア、大丈夫だ。
僕が必ず……」
「スコット……君のお蔭で決心が付いたよ。」
「……え?」
彼はあくまでも僕のことを考えて行動したんだ。
そこには一欠片の悪意もない。
そのことはわかってる。
わかっているからこそ、これほど悲しかったのかもしれない。
「お願いだよ、スコット……
あと少しだけ、僕の自由にさせて……
今夜だけで良いから……」
彼は躊躇いながらもそのことを許してくれた。
「……ありがとう。僕は君が大好きだよ。」
今までずっと言えなかった言葉が、自分でも不思議なくらい素直に口から滑り出た。
僕が良いお医者様を探して絶対に治してみせるから。」
「スコット…どうしたの?
どうして急にそんなことを……」
彼はとても真っ直ぐな瞳で僕をみつめた。
「アラステア…良く聞くんだ。
君は病気にかかっている。」
「え……?」
「ほら、良く見てごらん……
この部屋には君しかいない。
良いかい……君が愛したのは、君自身だ。
鏡の中の君自身なんだ!」
その言葉で僕は気付いた。
彼はきっと、僕がここに通い詰めていることに気付いてたんだ。
そして、僕の様子を観察して…僕の頭がおかしくなったと思い込んで……
(どうして、直接僕に訊いてくれないんだ……)
「アラステア、大丈夫だ。
僕が必ず……」
「スコット……君のお蔭で決心が付いたよ。」
「……え?」
彼はあくまでも僕のことを考えて行動したんだ。
そこには一欠片の悪意もない。
そのことはわかってる。
わかっているからこそ、これほど悲しかったのかもしれない。
「お願いだよ、スコット……
あと少しだけ、僕の自由にさせて……
今夜だけで良いから……」
彼は躊躇いながらもそのことを許してくれた。
「……ありがとう。僕は君が大好きだよ。」
今までずっと言えなかった言葉が、自分でも不思議なくらい素直に口から滑り出た。
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